この記事は、「セマグルチド」という成分名を見かけて、どの商品のことなのか知りたい方に向けたものです。BMIが27以上で、肥満症の治療を考えている方にも役立つ内容です。
「ウゴービもオゼンピックも、中身は同じなのでは?」と思ったことはないでしょうか。たしかに成分は同じセマグルチドです。ただし、国が認めた使い道(承認効能)は製品ごとに違います。この記事では、科学的根拠のある公的な情報だけをもとに、その違いを整理します。
セマグルチドの商品名が気になる方へ。ウゴービ・オゼンピック・リベルサスの違いを承認効能・剤形・副作用から整理し、糖尿病薬を減量目的で使うリスクも解説。肥満症治療は医師にご相談ください。
医療監修
肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。
本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。
公開日: 2026-11-05
この記事は、「セマグルチド」という成分名を見かけて、どの商品のことなのか知りたい方に向けたものです。BMIが27以上で、肥満症の治療を考えている方にも役立つ内容です。
「ウゴービもオゼンピックも、中身は同じなのでは?」と思ったことはないでしょうか。たしかに成分は同じセマグルチドです。ただし、国が認めた使い道(承認効能)は製品ごとに違います。この記事では、科学的根拠のある公的な情報だけをもとに、その違いを整理します。
セマグルチドは「GLP-1受容体作動薬」と呼ばれる種類の成分です。デンマークのノボ ノルディスク社が開発しました。
GLP-1は、食事をとると腸から出るホルモンです。血糖値を下げる働きや、食欲を落ち着かせる働きがあります。セマグルチドはこのGLP-1によく似た構造をしていて、体の中でGLP-1と同じように働きます。
体内にもともとあるGLP-1は、短時間で分解されてしまいます。セマグルチドは分解されにくいよう構造が工夫されているため、注射薬なら週1回の投与で効果が続きます。
セマグルチドは処方薬の成分です。サプリメントや健康食品とは違い、必ず医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。
日本で承認されている、セマグルチドを含む薬は次の3つです。どれもノボ ノルディスク ファーマの製品です。
| 商品名 | 剤形 | 承認効能 | 投与の頻度 |
|---|---|---|---|
| ウゴービ | 皮下注射 | 肥満症 / MASH | 週1回 |
| オゼンピック | 皮下注射 | 2型糖尿病 | 週1回 |
| リベルサス | 飲み薬(錠剤) | 2型糖尿病 | 1日1回 |
成分は同じでも、承認効能や用量、剤形はそれぞれ違います。同じ成分だからといって、別の製品に置き換えて使ってよいわけではありません。
なお、「ゼップバウンド」はセマグルチドではありません。チルゼパチドという別の成分の薬です。2つの成分の詳しい比較は「セマグルチドとチルゼパチドの違い」で解説しています。
いちばん大きな違いは、ウゴービは肥満症の薬で、オゼンピックとリベルサスは2型糖尿病の薬だという点です。
ウゴービの承認効能は次の2つです(電子添文)。
肥満症に使えるのは、次のすべてにあてはまる場合に限られます。
ここでいう「肥満症」は、ただ太っている状態(肥満)とは違います。肥満が原因の健康障害があるか、その危険が高く、医学的に減量が必要な状態を指します(日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」)。
オゼンピックとリベルサスの承認効能は2型糖尿病です。肥満症の効能は持っていません。
医療機関によっては、これらを減量目的で処方する例もあります。しかし、承認されていない目的で使うことになるため、次のようなリスクがあります。
厚生労働省も、2型糖尿病治療薬を美容・痩身目的で使うことによる健康被害に注意を呼びかけています(厚生労働省)。体重を減らす目的で、糖尿病の薬を使わないでください。
セマグルチドは、体内のGLP-1受容体という「受け皿」に結合して働きます。主な働きは次の3つです。
食事の量を無理に我慢するのではなく、体の仕組みに働きかけるのが特徴です。とはいえ、食事療法や運動療法をやめてよいわけではありません。肥満症の治療では、薬はあくまで生活習慣の改善とあわせて使います。
日本人を含む東アジアの方を対象にした臨床試験(STEP 6)の結果があります。セマグルチド2.4mgを68週間使った群では、体重が平均13.2%減りました。偽薬(有効成分を含まない薬)の群は平均2.1%の減少でした(Kadowaki T, et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2022)。
これは試験に参加した方の平均値です。効果には個人差があり、同じ結果が出るとは限りません。また、試験では吐き気や下痢などの胃腸の副作用が多く報告されています。
3つの製品は、投与の方法が大きく違います。
ウゴービは、ペン型の注射器で週1回、自分で皮下(皮膚のすぐ下)に注射します。注射する場所はおなか、太もも、上腕です。
0.25mgから始め、4週間ごとに量を段階的に増やします(0.25→0.5→1.0→1.7→2.4mg)。使用前は冷蔵庫(2〜8℃)で保管し、凍らせないようにします(電子添文)。打ち方は「ウゴービの打ち方」で解説しています。
オゼンピックも週1回の皮下注射です。ただし2型糖尿病の薬のため、用量の設定はウゴービと異なります。
リベルサスは、セマグルチドを飲み薬にしたGLP-1受容体作動薬です。ペプチド(たんぱく質の仲間)は胃で分解されやすく、ふつうは飲み薬にできません。リベルサスは吸収を助ける成分を加えて、飲み薬にしています。
そのため飲み方に条件があります。1日の最初の食事や飲み物の前に、空腹の状態で、約120mL以下の水で飲みます。飲んだ後少なくとも30分は、飲食やほかの薬の服用を控えます(リベルサス電子添文)。
セマグルチドには副作用があります。効果だけでなく、リスクも知ったうえで治療を考えることが大切です。
ウゴービの電子添文では、次のような胃腸の症状が多く報告されています。
量を増やした直後に起こりやすい傾向があります。症状がつらいときは、自己判断で続けたりやめたりせず、医師に相談してください。
ウゴービの電子添文には、次の重大な副作用が記載されています。
このような症状が出たら、すぐに医師の診察を受けてください。副作用の詳細は「ウゴービの副作用」もご覧ください。
電子添文では、次の方は投与しないこととされています。
授乳中の方や、心臓病・腎臓病の既往がある方などは、医師が処方してよいかを判断します。
国内で肥満症の効能を持つ週1回の注射薬は、ゼップバウンド(チルゼパチド)とウゴービ(セマグルチド)です。オゼンピックとリベルサスは2型糖尿病の薬で、肥満症の治療薬ではありません。ほかの薬も含めた一覧は「GLP-1受容体作動薬の種類一覧」をご覧ください。
スリマルは、株式会社MICINが運営する肥満症のオンライン診療サービスです。医師の診断に基づく肥満症の方に、ゼップバウンドとウゴービを処方しています。オゼンピック・リベルサスの処方はしていません。MASHや閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療も行っていません。
診察はZoomを使ったオンライン診療のみです。対面での診療は行っていません。
スリマルは自由診療です。保険適用外のため、費用は全額自己負担になります。料金は1ヶ月分の処方ごとで、診察料・配送料は無料です(税込)。
| ゼップバウンド | 料金 | ウゴービ | 料金 |
|---|---|---|---|
| 2.5mg | ¥36,410 | 0.25mg | ¥19,800 |
| 5mg | ¥55,435 | 0.5mg | ¥31,900 |
| 7.5mg | ¥78,271 | 1.0mg | ¥50,996 |
| 10mg | ¥109,868 | 1.7mg | ¥100,067 |
| 12.5mg | ¥126,500 | 2.4mg | ¥129,250 |
| 15mg | ¥151,800 | — | — |
出典:スリマル 料金ページ。用量ごとの費用の考え方は「ゼップバウンドの値段」「ウゴービの値段」で解説しています。
次にあてはまる方は、スリマルでは処方できません。
妊娠中または妊娠している可能性のある方には投与しません。授乳中の方や持病のある方は、医師が診察で処方の可否を判断します。
セマグルチドは、ウゴービ・オゼンピック・リベルサスに共通する成分です。ただし、肥満症の効能を持つのはウゴービだけです。オゼンピックとリベルサスは2型糖尿病の薬で、減量目的での使用はリスクがあります。
スリマルで肥満症の治療に処方している薬は、ゼップバウンドとウゴービです。どちらも吐き気や下痢などの副作用があり、医師の診断と管理のもとで使う必要があります。
「自分は肥満症の治療の対象になるのか」と迷っている方は、まずは医師に相談してみてください。スリマルでは、オンライン診療で医師が適応や副作用について説明します。
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。