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ウゴービの打ち方|空打ち・針の付け方・打つ場所とSD/MDの違い

ウゴービ(MD)を処方された肥満症の方へ。針の付け方、空打ち(流量確認)、打つ場所のローテーション、保管と針の捨て方を電子添文に沿って解説。手順を確認し、不安な点は医師・薬剤師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-11-05

この記事について

この記事は、医師の診断に基づく肥満症でウゴービ(MD)を処方された方、または処方を検討している方に向けたものです。初めての自己注射で「手順を間違えないか」と不安ではないですか?

ここでは、ペンの操作手順に絞って解説します。注射の怖さや痛みを減らすコツは、GLP-1初心者向け|自己注射のやり方・痛みを減らすコツにまとめています。

なお、本記事の内容は一般的な流れです。実際に使うときは、ペンに同梱の取扱説明書と、処方した医師・薬剤師の指示を優先してください。

ウゴービのペンの種類(SDとMD)の違い

ウゴービには、使い方が異なる2種類のペンがあります。打ち方を調べる前に、手元のペンがどちらかを確認しましょう。

項目 SD(単回使用) MD(複数回使用)
1本で打てる回数 1回 4回(同じ用量×4回)
針の取り付け 不要(針が固定された単回使用の注入器) 注射のたびに新しい針を取り付ける
空打ち(流量確認) なし 取扱説明書の手順に従って行う
使用開始後の保管 ― 室温(冷蔵も可)で6週間以内に使用

SDは1回分の薬液が入った単回使用の製剤で、1回打ったら廃棄します。MDは「マルチプルドーズ」の略で、1本のペンに4回分の薬液が入っています(電子添文)。

MDの販売名には「0.25mgペン1.0MD」のように数字が2つあり、前の数字が1回の投与量、後の数字が1本に入っている総量です。1本のペンで打てるのは決まった1回量だけなので、用量が変わるときはペンも変わります。

スリマルで処方しているのは ウゴービ(MD) です。そのため本記事はMDの操作を中心に解説します。SDとMDは使い方が異なるため、手元のペンの表示を必ず確認してください。

ウゴービの基本情報

  • 有効成分: セマグルチド(GLP-1受容体作動薬。食欲や胃の動きに関わるホルモンと似た働きをする薬)
  • 投与方法: 週1回、同じ曜日に皮下注射
  • 増量: 0.25mgから始め、4週間の間隔で0.5mg→1.0mg→1.7mg→2.4mgと段階的に増量(電子添文)

用量の変更は、必ず医師の判断で行います。自己判断で増やしたり減らしたりしないでください。

打つ前の準備(針の取り付け・確認)

MDペンは、毎回新しい針を取り付けてから打ちます。

準備するもの

  • ウゴービ(MD)ペン
  • 新しい注射針(1回につき1本)
  • アルコール綿
  • 使用済み針を入れる、ふた付きの硬い容器

1. ペンを確認する

  1. 薬剤名と用量が処方どおりか確認する(MDは用量ごとにラベルの色が異なります。0.25mg:ライトグリーン、0.5mg:ディープピンク、1.0mg:ブラウン、1.7mg:クールブルー、2.4mg:チャコールグレー)
  2. 使用期限や、使い始めてからの期間(6週間以内)を確認する
  3. ペンが壊れていないか、薬液が無色透明で浮遊物がないかを確認する

薬液が濁っている、変色している、塊や薄片が見える、凍ったことがある場合は使わないでください(患者向医薬品ガイド)。

2. 手を洗い、針を取り付ける

  1. 石けんで手を洗う
  2. ペンキャップを外す
  3. 新しい針の保護シールをはがす
  4. 針をペンにまっすぐ当て、しっかり取り付ける
  5. 針のケース・キャップを、取扱説明書の手順どおりに外す

電子添文では、針は 注射のたびに新しいものを注射直前に取り付け、注射後は取り外す こととされています。使う針は、JIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針です。針を付けたときに液漏れがあれば、新しい針に取り替えます。また、1本のペンを複数の人で使ってはいけません。

空打ち(流量確認)の目的と注意点

「空打ち」は、正しく薬液が出るかを確かめる操作です。取扱説明書では「流量確認」と呼ばれます。

空打ちで何を確かめるのか

流量確認の目的は、次の2点を確かめることです。

  • 針がきちんと取り付けられているか
  • ペンから薬液が正常に出るか

流量確認を行うタイミング(新しいペンの使い始めか、注射のたびか)と具体的な操作は、ペンに同梱の取扱説明書で定められています。この記事では一般論での説明にとどめますので、必ず手元の取扱説明書の手順に従ってください。

流量確認をしても針先に薬液が出ない場合は、取扱説明書に沿って対処し、それでも改善しなければ処方元や薬剤師に相談してください。

打つ場所(腹部・太もも・上腕)と部位のローテーション

ウゴービを打つ場所は、電子添文で 腹部・大腿部(太もも)・上腕部 の皮下とされています。静脈内や筋肉内には注射しません。

部位のローテーションが大切な理由

電子添文では、注射する場所を毎回変え、前回の場所から少なくとも2〜3cm離す こととされています。一般に、同じ場所に繰り返し注射すると、皮膚が硬くなることがあります。

たとえば「腹部の右→左→太もも」のように、順番を決めておくと継続できる習慣になります。

次のような場所は避けてください。

  • 傷・あざ・赤み・湿疹がある
  • 皮膚が硬くなっている
  • 前回打った場所とまったく同じ

注射の手順

準備と空打ちが済んだら、いよいよ注射です。

1. 用量を確認する

MDは1本ごとに1回量が決まっているペンです。注射の準備として行う操作(目盛りの合わせ方など)は、取扱説明書に従ってください。ペンのラベルと表示が、医師に指示された用量と同じかを必ず目で確認しましょう。

2. 打つ場所を消毒する

アルコール綿で注射する部位を拭きます。アルコールが乾いてから打つと、しみる感じを抑えられます。

3. 針を刺して注入する

  1. 針を皮膚に対してまっすぐ刺す
  2. 取扱説明書の手順どおりに注入ボタンを押す
  3. 注入が終わった後も、取扱説明書で指定された時間そのまま保持する
  4. ゆっくり針を抜く

すぐに抜くと、薬液が皮膚の表面に漏れることがあります。保持する時間は、取扱説明書の指示を守りましょう。

4. 針を外してキャップをする

  1. 針に触れないよう注意しながら、取扱説明書の手順で針を外す
  2. 外した針は廃棄容器に入れる
  3. ペンにキャップをして保管する

電子添文では、注射後は針を取り外すこととされています。針を付けたままペンを保管しないでください。

保管のしかた

時期 保管方法(電子添文・患者向医薬品ガイド)
使用開始前 冷蔵庫(2〜8℃)で保管し、凍結を避ける
使用開始後 室温(冷蔵庫も可)で保管し、6週間以内に使う

どちらの場合も光を避け、子どもの手の届かない場所に保管します。保管の詳細は「GLP-1注射薬の保管方法」もご覧ください。

投与日を忘れた場合

電子添文では、次のように定められています。

  • 次の投与予定日まで 2日間(48時間)以上 ある場合:気づいた時点ですぐに注射し、その後はもとの曜日に戻す
  • 次の投与予定日まで 2日間(48時間)未満 の場合:その回は注射せず、次の予定日に注射する
  • 注射する曜日を変えたいとき:前回の注射から少なくとも3日間(72時間)以上あける

2回分をまとめて打つことはしないでください。対応に迷ったら、医師・薬剤師に確認しましょう。詳しくは「GLP-1を打ち忘れたときの対応」でも解説しています。

液漏れ・残量が気になるとき

打った後に皮膚に薬液がついている

考えられる原因には、次のようなものがあります。

  • 注入後、指定の時間を待たずに針を抜いた
  • 針が十分に刺さっていなかった
  • 針がしっかり取り付けられていなかった

追加で打ち直すと、過量になるおそれがあります。自己判断で追加せず、気になる場合は処方元に相談してください。

ペンに薬液が残っている

MDは1本に4回分の薬液が入ったペンです。4回打ち終えた後や、使い始めから6週間を過ぎた場合の扱いは、取扱説明書に従ってください。

残った薬は、絶対に他の人に渡してはいけません。余った場合の処分方法は、薬局や医療機関に相談します(患者向医薬品ガイド)。

使用済みの針・ペンの捨て方

患者向医薬品ガイドでは、使用済みの針とペンは 医療機関の指示どおりに廃棄する こととされています。針は家庭ごみにそのまま捨てないでください。

捨て方の基本

捨てるもの 扱い方
使用済みの針 ふた付きの硬い容器にためる
使い終えたペン 針を外した状態で保管する
アルコール綿・包装 自治体のルールに従う

ためた針や使い終えたペンの出し方は、処方を受けた医療機関の指示に従いましょう。回収の方法は地域や施設によって異なるため、お住まいの自治体のルールもあわせて確認してください。

処方薬は譲らない・売らない

余ったペンを他人に譲ったり、フリマアプリやSNSで売ったりすることは 違法 です。ウゴービは医師の診断に基づいて処方される医療用医薬品です。必ず処方された本人だけが使用してください。

まとめ:手順を守れば、自己注射は無理なく続けられる

ウゴービ(MD)の打ち方のポイントを振り返ります。

  1. 手元のペンがSDかMDかを確認する
  2. 針は注射のたびに新しいものを取り付け、注射後は外す
  3. 取扱説明書の指示に沿って流量確認(空打ち)をする
  4. 腹部・太もも・上腕で、前回から2〜3cm以上離して打つ場所を変える
  5. 使い始めたペンは室温(冷蔵も可)で6週間以内に使う
  6. 使用済みの針は硬い容器にため、医療機関の指示どおりに捨てる

自己注射は、手順を知れば科学的根拠に基づく治療を自宅で継続できる方法です。ただし、効果や副作用には個人差があり、医師の診断・管理のもとで使う必要があります。

スリマルでは、Zoomによるオンライン診療で医師が処方の可否を判断します。肥満症の治療を検討している方は、まずは医師に相談してみてください。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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