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GLP-1ダイエットとは?痩せる薬の種類・市販薬との違い・対象になる人

GLP-1ダイエットや痩せる薬が気になる方へ。肥満症に承認された薬と、マジンドール・アライ・防風通聖散の対象・入手方法・副作用を整理し、正しい選び方がわかります。対象になるかは医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-10-27

GLP-1ダイエットとは

結論から言うと、「GLP-1ダイエット」は正式な医学用語ではありません。

GLP-1受容体作動薬という処方薬を、減量目的で使うことを指す俗称です。

この薬のうち、日本で 肥満症 の治療薬として承認されているのは次の2つです。

  • ウゴービ(一般名:セマグルチド)
  • ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)

一方、同じ成分系統でも2型糖尿病の治療薬として承認された薬があります。これを美容目的や痩身目的で使うことは、承認された使い方ではありません。

「肥満」と「肥満症」は何が違う?

ここが最も大切なポイントです。日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン2022」では、次のように区別されています。

  • 肥満:脂肪が過剰にたまった状態で、BMI25以上のもの
  • 肥満症:肥満に加え、高血圧や脂質異常症などの健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量が必要な病態

BMIは「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で計算する体格の指標です。

つまり、肥満症治療薬は「見た目を細くする薬」ではありません。医師の診断に基づく肥満症 を治療するための薬です。

「痩せる薬」の種類と承認されている対象

結論として、「痩せる薬」と呼ばれるものには処方薬・市販薬・漢方薬があり、承認されている対象はそれぞれ違います。まずは全体像を表で確認しましょう。

種類 代表的な薬 区分・入手方法 承認されている主な対象
GLP-1受容体作動薬 ウゴービ 処方薬(医師の処方が必要) 肥満症(条件あり)
GIP/GLP-1受容体作動薬 ゼップバウンド 処方薬(医師の処方が必要) 肥満症(条件あり)
食欲抑制薬 マジンドール(サノレックス) 処方薬(向精神薬) 高度肥満症(短期間のみ)
脂肪吸収抑制薬 アライ(オルリスタット) 要指導医薬品(薬剤師の対面販売) 腹部が太めの方の内臓脂肪・腹囲の減少
漢方薬 防風通聖散 市販薬(第2類医薬品)など 体力が充実し、腹部に皮下脂肪が多い方など

※各薬の詳しい条件は、それぞれの電子添文・製品の添付文書で確認してください。

1. ウゴービ(セマグルチド)

週1回、自分で皮下に注射するタイプの薬です。0.25mgから始め、4週間ごとに段階的に増やします。

肥満症の効能には、「食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない」という条件がついています。

2026年6月には、肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の効能も追加されました。

2. ゼップバウンド(チルゼパチド)

こちらも週1回の自己注射です。2.5mgから始め、4週間の間隔で段階的に増やします。

GIPとGLP-1という2つのホルモンの受容体に作用するのが特徴です。

2026年5月には、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(BMI27以上)の効能も追加されました。

3. マジンドール(サノレックス)

脳の食欲中枢に作用して食欲を抑える飲み薬です。

対象は高度肥満症(BMI35以上など)に限られ、投与期間は3ヵ月以内とされています。依存性があるため向精神薬に指定されており、扱いには厳しい管理が必要です。

4. アライ(オルリスタット)

2024年に発売された、薬局で買える肥満関連の薬です。詳しくは後ほど説明します。

5. 防風通聖散

18種類の生薬を組み合わせた漢方薬です。「体力が充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな方」などに使われます。

体質に合わない方が使うと、下痢や腹痛が起きることがあります。まれに肝機能障害や偽アルドステロン症(むくみ・血圧上昇などが起きる状態)も報告されています。

GLP-1受容体作動薬の仕組み

GLP-1受容体作動薬は、食欲を抑え、胃の動きをゆるやかにすることで体重に作用する薬です。

GLP-1は、食事をとると小腸から分泌されるホルモンです。

「インクレチン」と呼ばれるホルモンの一種で、主に次の働きをもちます。

  1. 脳に働きかけ、食欲を抑える
  2. 胃の内容物が腸へ送られる速度をゆるやかにし、満腹感を保つ
  3. 血糖値が高いときにインスリンの分泌を促す

インスリンは、血液中の糖を細胞に取り込ませて血糖値を下げるホルモンです。

GLP-1受容体作動薬は、このGLP-1と同じように受容体(ホルモンを受け取るスイッチ)に作用します。体内のGLP-1はすぐに分解されますが、薬は長く効くよう設計されています。

臨床試験ではどのくらい体重が減った?

数字で見てみましょう。以下は臨床試験の平均値で、効果には個人差があります。

  • ウゴービ:東アジア人を対象としたSTEP 6試験では、68週時点の体重変化率が2.4mg群で平均−13.4%でした(プラセボ群は−1.9%。ウゴービ電子添文 17.1.1)
  • ゼップバウンド:日本人を対象としたSURMOUNT-J試験では、72週時点の体重変化率は10mg群で平均−18.4%、15mg群で平均−22.6%でした(プラセボ群は−1.8%。ゼップバウンド電子添文 17.1.1)

※出典:各電子添文 17.1.1(STEP 6試験:Kadowaki T, et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2022、SURMOUNT-J試験:Kadowaki T, et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2025)。いずれも食事療法・運動療法と併用した結果です。

これらは試験の平均値で、同じ結果が出るとは限りません。また、吐き気や下痢などの副作用も報告されています。副作用は後ほど詳しく説明します。

市販薬(アライ)と処方薬の違い

結論として、アライは 肥満症の治療薬ではありません。対象も目的も処方薬とは異なります。

アライの対象と仕組み

アライの有効成分オルリスタットは、腸で脂肪を分解する酵素(リパーゼ)の働きを妨げます。その結果、食事中の脂肪の一部が吸収されずに便と一緒に出ていきます。

効能は「腹部が太めの方の内臓脂肪・腹囲の減少」で、製品の添付文書では購入・使用に次のような条件があります。

  • 18歳以上で、腹囲が基準以上(男性85cm以上、女性90cm以上)
  • 生活習慣の改善に取り組んでいること
  • 高血圧・脂質異常症・糖尿病の治療中ではないこと
  • 薬剤師から対面で説明を受けて購入する(要指導医薬品のため)

主な副作用

脂肪が便に混ざるため、油が漏れる・便意が急に来るなどの症状が起きることがあります。脂溶性ビタミン(A・D・E・Kなど)が吸収されにくくなる点にも注意が必要です。

処方薬との比較

項目 アライ ウゴービ・ゼップバウンド
区分 要指導医薬品 処方薬
入手方法 薬局で薬剤師から購入 医師の診察・処方
対象 腹部が太めで健康障害の治療中ではない方 医師が肥満症と診断した方
作用 脂肪の吸収を抑える 食欲や胃の動きに作用する
使い方 1日最大3回、食事中か食後1時間以内に服用 週1回の自己注射

健康診断で血圧や血糖の値が気になっている方は、自己判断で市販薬を選ぶ前に医師へ相談しましょう。

医療ダイエットと肥満症治療の違い

「医療ダイエット」という言葉もよく見かけます。しかし、これも正式な医学用語ではありません。

主に美容クリニックなどで、痩身や見た目の改善を目的に行われる自由診療を指すことが多い言葉です。

目的と対象が根本的に違う

項目 美容目的の医療ダイエット 肥満症治療
目的 見た目を細くする・体型を整える 健康障害のリスクを減らす
対象 BMIが標準でも受けられる場合がある 医師が肥満症と診断した方
使われる薬 糖尿病薬を適応外で使う場合がある 肥満症に承認された薬

「自由診療」と「保険診療」の違い

もう一つ、混同しやすいのが診療の区分です。

  • 保険診療:公的医療保険を使い、自己負担が一部で済む診療
  • 自由診療:公的医療保険を使わず、費用を全額自己負担する診療

自由診療だからといって、美容目的だとは限りません。スリマルは 肥満症を対象とした自由診療のオンライン診療 です。

なお、ウゴービを保険診療で処方するには、施設や医師の要件、栄養指導など厳しい条件があります(厚生労働省「最適使用推進ガイドライン」)。スリマルは保険診療を行っていない自由診療のため、費用は全額自己負担です。

糖尿病薬をダイエット目的で使うリスク

結論として、糖尿病の薬を美容目的や痩身目的で使うことには、複数のリスクがあります。

リベルサス(経口セマグルチド)やオゼンピック、マンジャロは、いずれも 2型糖尿病の治療薬 です。肥満症の適応はありません。

1. 救済制度の対象外になる可能性

医薬品の副作用で重い健康被害が出た場合、「医薬品副作用被害救済制度」で給付を受けられることがあります。

ただし対象は、医薬品が適正に使われた場合です。承認された目的以外で使った場合は、対象外になる可能性があります(出典:PMDA 医薬品副作用被害救済制度)。

2. 糖尿病患者さんへの供給への影響

GLP-1受容体作動薬は、過去に供給が不安定になった時期がありました。厚生労働省や日本糖尿病学会は、適正使用を呼びかけています。

3. 個人輸入・海外通販の危険性

海外から個人で輸入した薬や、SNS・フリマサイトなどで入手した薬には、偽造品や品質の不明な製品が混ざるおそれがあります。保管状態もわからないため、安全性を確認できません。厚生労働省も注意喚起を行っています。

4. 医師の管理が不十分になりやすい

血糖値が標準の方が使うと、思わぬ体調不良につながることもあります。どの薬でも、医師の診察と経過観察のもとで使うことが前提です。

副作用と注意点

GLP-1受容体作動薬・GIP/GLP-1受容体作動薬には、副作用があります。

よくある副作用

  • 吐き気・嘔吐
  • 下痢・便秘
  • 腹痛・腹部の張り
  • 食欲の低下

これらは胃腸に関する症状で、使い始めや増量したときに起こりやすいとされています。少量から段階的に増やすのは、身体を慣らすためです。

注意が必要な副作用

頻度は高くありませんが、次の副作用も電子添文に記載されています。

  • 急性膵炎:みぞおちから背中にかけての激しい痛み、嘔吐など
  • 胆嚢炎・胆管炎:右上腹部の痛み、発熱、黄疸など
  • 低血糖:ほかの糖尿病の薬と併用すると起こりやすくなる(冷や汗、手の震え、動悸など)
  • 腸閉塞:強い腹痛や張り、嘔吐が続くなど

このような症状が出たら、すぐに医師へ相談してください。

使用中に気をつけたいこと

  • 医師の診断・管理のもとで使用する
  • 自己判断で量を増やしたり、急にやめたりしない
  • 食事療法・運動療法も並行して続ける

薬はあくまで治療の一部です。無理なく継続できる食事と運動の習慣づくりが、長い目で見た体質改善の土台になります。

治療の対象になる人・ならない人

スリマルで治療の対象になるのは、次の条件をすべて満たす方です。

  • 20歳以上
  • BMI27以上
  • 医師の診断に基づく 肥満症 に該当する

治療の対象外となる方

次のいずれかに当てはまる方は、スリマルでは処方できません。

  • 20歳未満の方
  • 初診時にBMIが27未満の方
  • 美容目的・痩身ダイエット目的の方
  • 糖尿病の薬を処方されている方(ビグアナイド系、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など)

電子添文上、投与しないとされている方

  • 妊娠中、または妊娠している可能性のある方
  • 薬の成分に対して過敏症を起こしたことがある方
  • 1型糖尿病の方、糖尿病性ケトアシドーシス・糖尿病性昏睡などの方 など

ウゴービでは、2ヵ月以内に妊娠を予定している方は投与を中止するとされています。

医師の判断が必要な方

授乳中の方や、心臓病・脳卒中・腎臓病の既往がある方は、医師が慎重に判断します。ワーファリンなどの薬や経口避妊薬を使っている方も、必ず問診で伝えてください。

スリマルの診療について

スリマルは株式会社MICINが運営する、肥満症のオンライン診療サービスです。

  • 自由診療のみ:保険診療は行っておらず、全額自己負担です
  • オンライン診療のみ:対面での診療は行っていません
  • 診察はZoomのみ:受付は24時間、診療時間は10:00〜18:30(不定休)です
  • 処方薬:ウゴービ・ゼップバウンドを、肥満症の治療としてのみ処方します
  • 登録:LINEアカウントで行います

MASHや閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療は行っていません。

料金の例(税込・1ヵ月分、自由診療のため全額自己負担)は、ウゴービ0.25mgが19,800円、ゼップバウンド2.5mgが36,410円です。用量が上がると料金も変わります。診察料・配送料は無料で、決済後は当日〜翌営業日に発送します。

まとめ

ポイントを振り返りましょう。

  1. 「GLP-1ダイエット」は俗称で、肥満症に承認された薬はウゴービとゼップバウンド
  2. 痩せる薬には処方薬・市販薬・漢方薬があり、承認された対象がそれぞれ違う
  3. アライは肥満症の治療薬ではなく、購入には条件がある
  4. 糖尿病薬を美容目的で使うと、救済制度の対象外になる可能性がある
  5. 効果には個人差があり、胃腸症状などの副作用もある
  6. 美容目的やBMI27未満の方は、スリマルの治療の対象外

体重の悩みは、意志の弱さだけが原因ではありません。科学的根拠のある治療を選ぶには、まず自分が対象になるかを知ることが大切です。

BMIが27以上で、健康診断の結果も気になっている方は、医師に相談してみてはいかがでしょうか。治療を始めるかどうかは、説明を聞いてから決めても遅くありません。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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