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肥満と肥満症の違いとは?診断に関わる11の合併症を解説

肥満と肥満症は何が違う?日本肥満学会2022の定義をもとに、肥満症の診断に必要な11の健康障害(合併症)をわかりやすく解説。自分が肥満症の治療対象か知りたい方へ。気になる方は医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-04-15

最終更新日: 2026-06-08

肥満と肥満症は何が違う?

肥満は「BMI 25以上の状態」を指す言葉です。肥満症はそれに加えて健康障害(合併症)などを伴い、医学的に減量が必要な「疾患」です。

肥満は「BMI 25以上の状態」を指す言葉です。肥満症はそれに加えて健康障害(合併症)などを伴い、医学的に減量が必要な「疾患」です。

「太っていること」と「肥満症」は同じではありません。あなたも、この2つを同じ意味だと思っていませんでしたか?

日本肥満学会『肥満症診療ガイドライン2022』では、次のように区別されています。

* 肥満 :脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積し、BMIが25以上になった「状態」

* 肥満症 :肥満があり、肥満が原因・関連する健康障害を合併する(または合併が予測される)ため、医学的に減量が必要な「病態(疾患)」

つまり肥満症は、体型の問題ではなく 治療の対象となる病気 です。BMIが25以上でも、健康障害がなければ「肥満」、健康障害を合併すれば「肥満症」と整理できます。

なお、内臓脂肪が過剰にたまった「内臓脂肪型肥満」も、健康障害の有無にかかわらず肥満症と診断されます。内臓脂肪とは、おなかの内臓まわりにつく脂肪のことです。

BMI(Body Mass Index)は、体重(kg)÷身長(m)² で計算する体格の指標です。スリマルの肥満症のオンライン診療も、この肥満症の考え方に沿って医師が診断します。

肥満症の診断に関わる11の健康障害(合併症)とは?

肥満に下記11の健康障害のいずれかを合併すると、肥満症と診断されます。これらは診断の基準であり、治療で改善を目指す対象でもあります。

肥満に下記11の健康障害のいずれかを合併すると、肥満症と診断されます。これらは診断の基準であり、治療で改善を目指す対象でもあります。

日本肥満学会『肥満症診療ガイドライン2022』は、肥満症の診断に用いる健康障害として次の11項目を挙げています。「肥満 合併症」として語られることが多い病気です。

1. 耐糖能障害 (2型糖尿病・耐糖能異常など):血糖を下げる働きが弱まった状態

2. 脂質異常症 :血液中のコレステロールや中性脂肪が基準から外れた状態

3. 高血圧

4. 高尿酸血症・痛風 :尿酸が増え、関節に炎症(痛風発作)が起きやすい状態

5. 冠動脈疾患 :心臓を養う血管が狭くなる狭心症・心筋梗塞など

6. 脳梗塞・一過性脳虚血発作 :脳の血管が詰まる、または一時的に血流が滞る状態

7. 非アルコール性脂肪性肝疾患 :飲酒以外の原因で肝臓に脂肪がたまる病気

8. 月経異常・女性不妊

9. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群 :睡眠中に呼吸が止まる・浅くなる状態

10. 運動器疾患 (変形性関節症・変形性脊椎症など):関節や背骨の軟骨がすり減る病気

11. 肥満関連腎臓病 :肥満が関与して腎臓の働きが低下する病気

健康診断で気になる項目はありませんでしたか? 1つでも当てはまる場合は、肥満症として医学的な減量が必要かを医師に相談する価値があります。各合併症の詳しい解説は、2型糖尿病の解説記事睡眠時無呼吸症候群の解説記事もあわせてご覧ください。

肥満とBMIの基準

日本ではBMI 25以上が「肥満」、35以上が「高度肥満」と定義されています。BMIは体重(kg)÷身長(m)²で計算します。

日本ではBMI 25以上が「肥満」、35以上が「高度肥満」と定義されています。BMIは体重(kg)÷身長(m)²で計算します。

BMI(Body Mass Index)は体重と身長から算出される肥満度の指標です。

計算式:BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)²

日本肥満学会による分類:

* BMI 18.5未満:低体重

* BMI 18.5〜25未満:普通体重

* BMI 25〜30未満:肥満(1度)

* BMI 30〜35未満:肥満(2度)

* BMI 35〜40未満:肥満(3度)

* BMI 40以上:肥満(4度)

BMI 35以上は「高度肥満」とされ、健康リスクが特に高い状態です。BMIは体格の目安であり、内臓脂肪量を直接反映するものではありません。

なぜ肥満症になるのか

肥満症は過食・運動不足だけでなく、遺伝的要因・ホルモン異常・睡眠障害・薬剤の副作用など複合的な要因が関係しています。

肥満症は過食・運動不足だけでなく、遺伝的要因・ホルモン異常・睡眠障害・薬剤の副作用など複合的な要因が関係しています。

肥満症の原因は「食べ過ぎ・運動不足」だけではありません。以下のような複合的な要因が関係しています。

* 遺伝的要因 :食欲調節ホルモンや代謝に関わる遺伝子の違い

* 食環境・生活習慣 :高カロリー食・座り仕事・運動不足

* ホルモン異常 :甲状腺機能低下症・クッシング症候群など

* 睡眠障害 :睡眠不足は食欲増進ホルモン(グレリン)を増加させます

* 精神的ストレス :ストレス過食・感情的食行動

* 薬剤の影響 :一部の向精神薬・ステロイドなど

特定の原因がある場合(二次性肥満)は、その原因への治療が優先されることがあります。

肥満症の合併症

肥満症は高血圧・脂質異常症・2型糖尿病・睡眠時無呼吸症候群・関節疾患などの合併症リスクを高めます。合併症の管理が治療の重要な目標です。

肥満症は高血圧・脂質異常症・2型糖尿病・睡眠時無呼吸症候群・関節疾患などの合併症リスクを高めます。合併症の管理が治療の重要な目標です。

肥満症は以下のような合併症を引き起こすリスクを高めます。

* 代謝系 :2型糖尿病・耐糖能障害・脂質異常症・高尿酸血症

* 循環器系 :高血圧・冠動脈疾患・心不全・脳梗塞

* 呼吸器系 :睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群

* 運動器系 :変形性膝関節症・腰痛

* 消化器系 :非アルコール性脂肪肝炎(NASH)・逆流性食道炎

* その他 :月経異常・不妊・がんリスクの増加

肥満症の治療は体重を減らすだけでなく、これらの合併症を予防・改善することを目標としています。

肥満症の治療法

食事・運動・行動療法が基本治療です。十分な効果が得られない場合に、薬物療法や外科的治療が選択肢となります。

食事・運動・行動療法が基本治療です。十分な効果が得られない場合に、薬物療法や外科的治療が選択肢となります。

肥満症の治療は段階的に行われます。

基本治療(すべての方に行う)

* 食事療法:適切なカロリー制限・食品選択の改善

* 運動療法:有酸素運動・筋力トレーニング

* 行動療法:食行動・生活習慣の見直し

薬物療法(基本治療で不十分な場合)

* GLP-1受容体作動薬など:ウゴービ(一般名セマグルチド)、ゼップバウンド(一般名チルゼパチド)

* 食欲を抑える働きなどで減量を補助する薬で、医師の診断・管理のもとで使用します

* 主な副作用として吐き気・下痢・便秘などが報告されており、効果や副作用の現れ方には個人差があります

* これらの薬は20歳以上でBMIなどの条件を満たし、医師が肥満症と診断した場合に処方されます。美容・痩身ダイエット目的では使用できません

外科的治療(高度肥満などの場合)

* 胃の容量を小さくする手術など:BMI 35以上が適応の目安

なお、これらの薬の保険適用には、最適使用推進ガイドラインに基づく施設要件・医師要件などの厳格な条件があります。条件を満たさないオンライン診療などでは、自由診療(全額自己負担)として提供されます。スリマルでの治療薬の料金も自由診療です。治療法の選択は医師と相談のうえ決定します。

まとめ:肥満と肥満症の違い・合併症のポイント

肥満は「BMI 25以上の状態」、肥満症は健康障害(合併症)を伴い医学的な減量が必要な「疾患」です。合併症の予防・改善が治療の目標になります。

肥満は「BMI 25以上の状態」、肥満症は健康障害(合併症)を伴い医学的な減量が必要な「疾患」です。合併症の予防・改善が治療の目標になります。

肥満症についてのポイントをまとめます。

* 肥満はBMI 25以上の「状態」、肥満症は治療が必要な「疾患」です

* 肥満症は、肥満に11の健康障害のいずれかを合併する(または内臓脂肪型肥満である)場合に診断されます

* 高血圧・2型糖尿病・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群など、多くの病気の合併リスクを高めます

* 治療は食事・運動・行動療法が基本で、効果が不十分な場合に薬物療法などが選択肢となります

肥満症は、適切な治療で合併症のリスクを下げられる病気です。自分が肥満症の治療対象にあたるか気になる方は、自己判断せず医師にご相談ください。スリマルでは、20歳以上・BMI 27以上で医師が肥満症と診断した方を対象に、肥満症のオンライン診療を行っています(自由診療)。

参考文献

参考文献

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