この記事は、医師の診断に基づく肥満症の治療で、ゼップバウンドやウゴービを使っている方、使う予定の方に向けて書いています。
「あ、昨日が注射の日だった」。こう気づいて焦った経験が、あなたにもありませんか?週1回の注射は手軽な反面、仕事や家事が忙しいと忘れやすいものです。
打ち忘れたときの対応は、各薬剤の電子添文(医療用医薬品の公式な説明書)に書かれています。この記事では、電子添文の記載だけをもとに、打ち忘れへの対応と曜日の変え方をまとめます。
ゼップバウンド・ウゴービで肥満症治療中の方へ。打ち忘れたときの対応を電子添文に基づき解説。次回まで何時間あるかでの判断、曜日の変え方、旅行時の管理まで分かります。迷ったら医師に相談を。
医療監修
肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。
本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。
公開日: 2026-11-05
この記事は、医師の診断に基づく肥満症の治療で、ゼップバウンドやウゴービを使っている方、使う予定の方に向けて書いています。
「あ、昨日が注射の日だった」。こう気づいて焦った経験が、あなたにもありませんか?週1回の注射は手軽な反面、仕事や家事が忙しいと忘れやすいものです。
打ち忘れたときの対応は、各薬剤の電子添文(医療用医薬品の公式な説明書)に書かれています。この記事では、電子添文の記載だけをもとに、打ち忘れへの対応と曜日の変え方をまとめます。
はい。ゼップバウンドもウゴービも、週1回・同じ曜日に打つ薬です。 両剤の電子添文には「週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること」と書かれています。
| ゼップバウンド | ウゴービ | |
|---|---|---|
| 成分 | チルゼパチド(GIP/GLP-1受容体作動薬) | セマグルチド(GLP-1受容体作動薬) |
| 投与 | 週1回の自己皮下注射 | 週1回の自己皮下注射 |
| 開始用量 | 2.5mg | 0.25mg |
| 増量 | 4週間の間隔で2.5mgずつ増やし、通常は10mg(状態に応じ5〜15mg) | 4週間の間隔で0.5→1.0→1.7→2.4mg |
出典: ゼップバウンド電子添文(第6版)、ウゴービ電子添文(第7版) 6. 用法及び用量
GLP-1は食後に腸から出るホルモンで、食欲や血糖の調整に関わります。GIPも同じく腸から出るホルモンです。
両剤とも、電子添文に「食前・食後」や「朝・夜」といった指定はありません。決まっているのは「同じ曜日」という点です。
そのため、時間帯は生活に合わせて選べます。「日曜の夜、入浴後」のように行動とセットにすると、無理なく継続できる習慣になりやすいです。スマートフォンのリマインダーを毎週同じ曜日に設定するのも有効です。
なお、投与中も食事療法・運動療法は続けることとされています。薬だけに頼らず、生活習慣と合わせて体質改善を目指す治療です。
はい。次の予定日まで何日(何時間)あるかで、すぐ打つか見送るかが決まります。 基準となる時間は薬剤によって違います。
| ゼップバウンド | ウゴービ | |
|---|---|---|
| すぐ打つ | 次回まで3日間(72時間)以上ある | 次回まで2日間(48時間)以上ある |
| 打たずに見送る | 次回まで3日間(72時間)未満 | 次回まで2日間(48時間)未満 |
| その後 | あらかじめ決めた曜日に戻る | あらかじめ決めた曜日に戻る |
出典: ゼップバウンド電子添文(第6版)7.2、ウゴービ電子添文(第7版)7.3
ゼップバウンドの場合
ウゴービの場合
見送った分を取り戻そうと、2回分をまとめて打つことはしないでください。ゼップバウンドの患者向医薬品ガイドにも「決して2回分を一度に投与しないでください」と書かれています。
境目が近い場合は、日数ではなく「時間」で数えるのが確実です。普段打つ時刻から逆算して、次の予定まで72時間(ウゴービは48時間)以上あるかを確認しましょう。判断に迷うときは、自己判断せず医師に相談してください。
曜日は変えられます。ただし前回の注射から3日間(72時間)以上空ける必要があります。 この条件はゼップバウンド・ウゴービで共通です。
ウゴービは打ち忘れの基準が48時間ですが、曜日変更は72時間以上です。この違いは混同しやすいので注意してください。
たとえば「来週の月曜は出張で打てないので、日曜に前倒ししたい」という場合です。前回の月曜から6日空いているので、72時間以上の条件を満たします。
変更後は、新しい曜日を毎週の投与日として続けます。曜日をたびたび変えると打ち忘れの原因になるので、変更は必要なときに留めましょう。変える前に、診察時に医師へ伝えておくと安心です。
どちらも体内に長くとどまる設計で、週1回の投与で作用が続くよう作られています。 目安になるのが半減期です。半減期とは、血液中の薬の濃度が半分になるまでの時間です。
| ゼップバウンド | ウゴービ | |
|---|---|---|
| 半減期の目安 | 約5〜6日 ※日本人2型糖尿病患者のデータ | 約155時間(約6.5日)※2.4mg、定常状態 |
| 出典 | 電子添文 16. 薬物動態 | 電子添文 16. 薬物動態(外国人データ) |
半減期が長いため、1回打ち忘れてもすぐに薬の作用がゼロになるわけではありません。電子添文の「打ち忘れの手順」も、この性質を前提にした内容です。
一方で、決まった間隔で打つことで血中濃度が安定します。打ち忘れが続くと、その前提が崩れてしまいます。
体重への効果は臨床試験で確認されています。ただし効果には個人差があり、全員に同じ結果が出るわけではありません。
主な副作用は、吐き気(悪心)、下痢、便秘、嘔吐などの消化器症状です。ゼップバウンドの国際共同試験(SURMOUNT-1、5mg・10mg・15mg群)では、副作用として悪心21.0〜30.7%、下痢15.4〜19.1%、便秘10.0〜14.0%が報告されています。ウゴービの国際共同第III相試験(日本人を含む肥満症患者、2.4mg群)では便秘24.1%、悪心15.6%、下痢13.1%でした(いずれも電子添文 17. 臨床成績)。頻度は低いものの、急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎、腸閉塞を含むイレウス、低血糖などの重大な副作用も記載されています。
糖尿病の薬と併用すると、低血糖のリスクもあります。治療は必ず医師の診断・管理のもとで行ってください。
はい。2週以上打てなかったときは、自己判断で再開せず医師に相談してください。
両剤とも少量から始め、4週間ごとに段階的に増量します。
しばらく間が空いた後に、それまでと同じ用量でいきなり再開してよいかは、空いた期間や体調によって変わります。どの用量で再開するかは、医師が状態を確認して判断します。
次のような場合も、早めの相談をおすすめします。
電子添文には、胃腸障害などで続けるのが難しい場合は減量や増量の延期を検討する旨も書かれています。「つらいから黙ってやめる」のではなく、相談して調整するのが大切です。
出発前に「投与日がどこに当たるか」を確認し、必要なら曜日の前倒しを計画しておきましょう。
保管方法は電子添文で決められています。
凍結したものは使えません。飛行機では、温度の管理状況が分からない預け入れ荷物ではなく、手荷物にするのが一般的に安心です。持ち運びの詳しい注意は「ゼップバウンド・ウゴービの保管方法」をご覧ください。
時差のある海外渡航では、日数の数え方が複雑になります。出発前に医師へ相談しておくと安心です。
スリマルは、株式会社MICINが運営する肥満症のオンライン診療サービスです。
料金(税込・1ヶ月分)
| 用量 | ゼップバウンド | 用量 | ウゴービ |
|---|---|---|---|
| 2.5mg | ¥36,410 | 0.25mg | ¥19,800 |
| 5mg | ¥55,435 | 0.5mg | ¥31,900 |
| 7.5mg | ¥78,271 | 1.0mg | ¥50,996 |
| 10mg | ¥109,868 | 1.7mg | ¥100,067 |
| 12.5mg | ¥126,500 | 2.4mg | ¥129,250 |
| 15mg | ¥151,800 |
出典: slimaru.jp/price
肥満症とは、肥満(BMI 25以上)に加えて、高血圧や脂質異常症などの健康障害がある、またはその合併が予測され、医学的に減量が必要な状態です(日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」)。
スリマルで処方できるのは、20歳以上・BMI 27以上で、医師が肥満症と診断した方です。次の方は処方の対象外です。
妊娠中または妊娠の可能性がある方にも投与しません。
週1回の注射を続けるために大切なのは、意志の強さより仕組みづくりです。リマインダーや「行動とセット」の習慣で、無理なく継続できる形を作りましょう。
用量の流れは「ゼップバウンドの用量と増量スケジュール」、注射の手順は「ゼップバウンドの打ち方」「ウゴービの打ち方」で解説しています。
打ち忘れや曜日の変更で迷ったときは、自己判断せずに医師へ相談してください。肥満症の治療が自分に合うか知りたい方も、まずはオンライン診療で医師に相談してみてください。
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。