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ゼップバウンドの打ち方|注射部位・手順・使用後の捨て方

BMI27以上で肥満症治療にゼップバウンドを使う方へ。アテオスの打ち方を、注射部位・手順・注射できたか不安なときの対処・使用後の捨て方まで電子添文に沿って解説。不安な点は医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-11-05

この記事について

この記事は、ゼップバウンドを処方された方、またはこれから処方を考えている方に向けたものです。対象は、BMIが27以上で医師に肥満症と診断された20歳以上の方です。

「自分で注射なんて、ちゃんとできるだろうか」。そんな不安はありませんか? ゼップバウンドは、ボタンを押すだけで注射できる「アテオス」という器具に入っています。手順を一度理解すれば、無理なく続けやすい形です。 この記事では、器具の操作、注射する部位、困ったときの対処、使った後の捨て方を順に説明します。

※スリマルでの処方対象は肥満症のみです。20歳未満の方、BMI27未満の方、美容・痩身目的の方、糖尿病の薬(ビグアナイド系・DPP-4阻害剤・SGLT2阻害剤・インスリン製剤など)を処方されている方は処方の対象外です。妊娠中または妊娠している可能性のある方には、電子添文上投与しないこととされています。


ゼップバウンドは週1回・単回使用のオートインジェクター

ゼップバウンドは、週1回、同じ曜日に自分で皮下注射する薬です。皮下注射とは、皮膚と筋肉の間にある脂肪の層に薬を入れる方法です。

成分はチルゼパチドです。GIPとGLP-1という2つのホルモンの働きを持ち、食欲や血糖の調整に関わります。 注射器は「アテオス」と呼ばれる単回使用のオートインジェクターです。

  • 単回使用:1本で1回分。使い終わったら捨てる
  • オートインジェクター:注入ボタンを押すと、針が出て薬が入り、針が戻るまで自動で進む

肥満症では、2.5mgから始めて4週間の間隔で2.5mgずつ増やし、通常は週1回10mgで続けます(状態に応じて5mgまで減量、または15mgまで増量することがあります)。どの量にするかは医師が体調を見て決めます。自分の判断で量を変えないでください。用量の流れは「ゼップバウンドの用量と増量スケジュール」で解説しています。

打ち忘れたときは?

電子添文では、次のように書かれています。

  • 次の予定日まで3日間(72時間)以上ある場合:気づいた時点ですぐに注射し、その後は決めておいた曜日に戻す
  • 次の予定日まで3日間未満の場合:その回は打たず、次の予定日に1回分を注射する

2回分をまとめて打つことはしないでください。曜日を変えたいときは、前回の注射から3日(72時間)以上あけます(出典:ゼップバウンド電子添文 第6版 7.2)。詳しくは「打ち忘れたときの対応」をご覧ください。

保管の基本

  • 冷蔵庫(2〜8℃)で光を避けて保管し、凍らせない
  • 一度凍ったものは使わない
  • 室温で保管する場合は、30℃を超えない場所で外箱から出さずに保管し、21日以内に使う

(出典:電子添文 20. 取扱い上の注意。持ち運びの注意は「ゼップバウンド・ウゴービの保管方法」へ)

注射できる部位(お腹・太もも・二の腕)と部位のローテーション

自分で注射するのは、お腹か太ももです。二の腕(上腕の後ろ側)は、操作方法の訓練を受けた人に手伝ってもらう場合に使えます。 電子添文では投与部位を腹部・大腿部・上腕部としており、患者向医薬品ガイドでは上腕部の後ろ側は手助けを受けて注射する場合に限るとされています(出典:ゼップバウンド 患者向医薬品ガイド)。

部位 ポイント
お腹(腹部) 自分で見やすく、打ちやすい
太もも(大腿部) 座った姿勢で打ちやすい
二の腕(上腕部の後ろ側) 操作方法の訓練を受けた人に手伝ってもらう場合のみ

毎回、場所を少しずつずらす

同じ部位の中でも、注射する場所は毎回変えます(電子添文 14.2)。これを「ローテーション」と呼びます。

続けるコツの一例です。

  • お腹を4つに分け、「右上→左上→右下→左下」の順に回す
  • 注射した日と場所を、スマホのメモやカレンダーに残す

避けたい場所

  • 傷、赤み、硬さ、あざがある場所
  • 前回注射した場所のすぐ近く

打ち方の手順(準備〜注射〜確認)

アテオスでの注射は、「準備する → 皮膚に当てる → ロックを外して押す → 終わったことを確かめる」の4ステップです。ここでは流れを説明します。実際に打つときは、必ず医療機関での指導と、製品に添付されている取扱説明書の図に沿って進めてください。

ステップ1:準備する

  1. 手を洗う
  2. 冷蔵庫から1本取り出す
  3. ラベルを見て、薬の名前(ゼップバウンド)と量(mg)、使用期限を確かめる。同じ形の注入器を使う糖尿病薬マンジャロとは、箱とラベルの色が違います
  4. 見た目を確かめる:注入器に破損や異常がないか、薬液の変色や浮遊物がないか
  5. 注射する場所を清潔にする(方法は医療機関の指導に従う)

薬液が変色している、浮遊物がある、本体が壊れている。そんなときは使わず、医師や薬剤師に相談してください(電子添文 14.1)。

ステップ2:キャップを外し、皮膚に当てる

  1. 注射する直前にキャップを外す(外したキャップは戻さない)
  2. 底の部分を、注射する場所に平らにしっかり当てる

ステップ3:ロックを外し、ボタンを押す

  1. 皮膚に当てたまま、ロックを外す
  2. 注入ボタンを押す
  3. 1回目のカチッという音で注射が始まる
  4. 2回目のカチッという音まで、底を皮膚にしっかり当て続ける

2回目の音は、長くても10秒以内に鳴ります(出典:日本イーライリリー 医療関係者向けQ&A)。

ステップ4:終わったことを確かめる

  1. 2回目の音がしたら、皮膚から離す
  2. 注入器の透明な部分に灰色のゴムピストンが見えていれば、注射は完了しています(同上)
  3. 少し血がにじんだら、ガーゼなどで軽く押さえる。もまない

使い終わったアテオスは、もう一度使えません。後で説明する方法で捨てます。

空打ちは必要?液漏れ・針が出ないときの対処

アテオスに空打ちの操作はありません。 空打ちとは、注射の前に少しだけ薬を出して、針の中の空気を抜く作業です。何回も使うタイプのペン型注射器で行うものです。 アテオスは1キットを1回だけ使う注入器で、上の手順どおりに注射します。

よくあるトラブルと対処

困りごと 対処
ボタンが押しにくい・針が出てこない 取扱説明書で手順(ロックの状態など)を確かめる。解決しなければ使わずに医療機関に相談する
2回目の音が聞こえなかった 透明な部分に灰色のゴムピストンが見えるか確かめる
皮膚に液が残っている・全部入ったか分からない もう1本は打たない。医師に相談する
落としてしまった・破損している 使う前に医師や薬剤師に確かめる

「全部入らなかったかも」と思ったら

不安になって、もう1本追加で打つのは避けてください。1週間に打つ量が多くなりすぎるおそれがあります。 次の予定日まで待つか、追加で打つかは医師に聞いて決めます。スリマルを利用中の方は、診察の予約のときに伝えてください。

注射部位の赤み・かゆみ・内出血が出たら

打った場所が赤くなる、かゆい、痛む、腫れる、といった反応が出ることがあります。 電子添文では「注射部位反応(紅斑、そう痒感、疼痛、腫脹等)」として副作用に挙げられています(11.2)。

次のことを心がけてください。

  • 打った場所をもんだり、かいたりしない
  • 次の注射では、別の場所を選ぶ(ローテーション)
  • 同じ場所に何度も反応が出るときは、医師に伝える

すぐに医師に相談したい症状

  • 腫れや赤みが広がる、熱をもつ、痛みが強くなる
  • じんましん、息苦しさ、顔や唇の腫れ(アナフィラキシーや血管性浮腫という重いアレルギー反応のおそれ。電子添文の重大な副作用 11.1.4)

注射部位以外の主な副作用

ゼップバウンドの体重への作用は、臨床試験で確かめられています。ただし、効果には個人差があります。また、次のような副作用もあります。

  • よくある副作用:吐き気、下痢、便秘、嘔吐、食欲がなくなる
  • 重大な副作用:低血糖(ほかの血糖を下げる薬と一緒に使うと起こりやすい)、急性膵炎(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛など)、胆嚢炎・胆管炎など、腸閉塞を含むイレウス

いつもと違う症状が出たら、自分で判断せず医師に相談してください。治療は、医師の診察と説明を受け、医師の管理のもとで行います。

使用後の注射器の捨て方(医療機関・薬局・自治体ルール)

使い終わったアテオスは、家庭ごみにそのまま出さず、処方を受けた医療機関の指示どおりに捨ててください(出典:患者向医薬品ガイド)。針が入った器具の扱い方は、地域によっても違います。

捨てるまでの基本

  1. 使ったアテオスは、医療機関から指示された容器(指示がなければ、針が突き抜けにくいふた付きの硬い容器)に入れる
  2. 子どもやペットの手が届かない場所に置いておく
  3. たまったら、案内された方法で出す

出し先の確認先

  • 処方を受けた医療機関:まずは回収方法を確かめる
  • 薬局:使用済み注射器を回収している薬局もある
  • お住まいの自治体:家庭から出る医療系ごみの出し方を、ホームページや窓口で確かめる

オンライン診療で処方を受けた場合は、医療機関へ直接持って行けないこともあります。スリマルを利用中の方は、診察のときに捨て方を医師に確かめてください。

やってはいけないこと

  • 使用済みの注射器を他人に渡す
  • 使い終わった器具や、余った薬をフリマアプリやSNSで売る・譲る

処方薬の個人間での売買や譲渡は、医薬品医療機器等法に違反する違法行為です(出典:厚生労働省)。

痛みや不安が強い方へ(自己注射ガイドへのリンク)

「針が怖い」「痛いのが心配」。こうした気持ちから治療をためらう方は少なくありません。 アテオスはボタンを押すと自動で注射が進む作りですが、それでも不安が強い方もいるでしょう。

痛みを減らすコツや、初めての自己注射に向けた心の準備は、次の記事で詳しく解説しています。

👉 GLP-1初心者向け|自己注射のやり方・痛みを減らすコツ

料金の目安(スリマル)

スリマルは自由診療のオンライン診療です。保険は使えず、全額自己負担になります。対面での診療は行っていません。

ゼップバウンドの量 料金(税込・1ヶ月分)
2.5mg ¥36,410
5mg ¥55,435
7.5mg ¥78,271
10mg ¥109,868
12.5mg ¥126,500
15mg ¥151,800

診察料と配送料は無料です。処方は1ヶ月分ずつで、定期購入はありません。期間ごとの費用の目安は「ゼップバウンドの値段」をご覧ください。

まとめ

  • ゼップバウンドは、週1回打つ使い切りタイプのオートインジェクター(アテオス)
  • 自分で打つ場所はお腹か太もも(二の腕の後ろ側は手伝ってもらう場合のみ)。毎回場所を変える
  • 空打ちの操作はない。2回目のカチッという音まで、皮膚から離さない
  • 薬が漏れたときや打ち忘れたときに、自己判断で追加して打たない
  • 使い終わったら硬い容器に入れ、医療機関・薬局・自治体の案内に従って捨てる

正しい打ち方を知っておくことが、科学的根拠のある肥満症治療を続けるための第一歩です。 ゼップバウンドが自分に合うか、どの量から始めるかは、医師の診察で決まります。BMI27以上で治療を考えている方は、まずは医師に相談してみてください。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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