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ゼップバウンドの用量と増量スケジュール|2.5mgから維持量まで

肥満症治療でゼップバウンドを検討・使用中の方へ。2.5mg〜15mgの6段階の用量と増量間隔、通常の維持用量10mg、用量別の臨床試験データと副作用、費用を電子添文に沿って解説。用量は医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-11-05

この記事について

この記事は、BMIが27以上で肥満症治療としてゼップバウンドを検討している方や、使用中で増量の流れを知りたい方に向けたものです。

「2.5mgでは体重があまり変わらない。早く量を増やしたほうがいいのでは?」と、あなたも感じていないでしょうか。ゼップバウンドの用量には、科学的根拠にもとづく決まった段階と間隔があります。この記事では、PMDAが公開している最新の電子添文(医薬品の公式な説明書)に書かれている内容をもとに整理します。

ゼップバウンドの用量は6段階(2.5mg〜15mg)

ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)の規格は6つです。どの規格も、注射針が付いた使い切りのペン型注射器(アテオス)です。

規格 位置づけ(肥満症の場合)
2.5mg 開始用量
5mg 増量の途中。状態によってはこの量で続けることもある
7.5mg 増量の途中
10mg 通常の維持用量
12.5mg 必要に応じた増量の途中
15mg 最大用量

チルゼパチドは、GIPとGLP-1という2種類の消化管ホルモンの働きをまねる薬です。食欲を抑えたり、血糖値の上がり方を整えたりします。投与は週1回の自己皮下注射で、毎週同じ曜日に打ちます。

なお、ゼップバウンドには閉塞性睡眠時無呼吸症候群の効能もあり、そちらでは用量の決まりが異なります。スリマルで処方しているのは肥満症の治療だけです。

増量は4週間ごと、通常の維持用量は10mg:電子添文の用法・用量

肥満症では、2.5mgから始めて4週間ごとに2.5mgずつ増やし、週1回10mgで続けるのが基本です。電子添文の記載は次のとおりです(ゼップバウンド電子添文 第6版 6. 用法及び用量)。

  • 週1回2.5mgから始める
  • 4週間の間隔で2.5mgずつ増やし、週1回10mgを皮下注射する
  • 患者の状態に応じて、週1回5mgまで減らすことができる
  • 4週間以上の間隔をあけて2.5mgずつ、週1回15mgまで増やすことができる

12.5mg・15mgへの増量は「4週間以上の間隔」で行うとされています。

標準的な流れにすると、次のようになります。

期間 用量
1〜4週目 2.5mg
5〜8週目 5mg
9〜12週目 7.5mg
13週目以降 10mg(維持用量)

10mgに届くまで最短でも12週間かかります。電子添文には、増量の間隔を4週間より短くする用法はありません。

2.5mgは効果がない?開始用量の役割

2.5mgは治療を始めるときの用量で、電子添文では4週間後に5mgへ増やす流れになっています。2.5mgのまま続ける用法は定められていません。

臨床試験でも、どの群も2.5mgから始めて4週間ごとに増量しています。2.5mgを長く続ける群はなかったため、2.5mgだけを続けたときの体重減少データは電子添文に載っていません。

最初の4週間で体重があまり変わらなくても、焦って自分で量を増やしたり、早めに次の用量へ進んだりするのはやめましょう。電子添文では、胃腸の症状などでつらい場合には、減量や増量の延期を考えることとされています(7.3)。

維持量の決め方(5mg・10mg・15mgの体重減少データ)

肥満症では、10mgが通常の維持用量です。そのうえで、体重の減り方や副作用の出方を見ながら、医師が5mgで続けるか15mgまで増やすかを判断します。電子添文にも「体重減少の程度や忍容性(副作用に耐えられるか)に応じて、週1回5mgで治療を続けることも考慮する」と書かれています。

判断の材料になるのが臨床試験のデータです。どちらの試験も、食事のカロリー制限と運動を併せて行ったうえでの結果です。

国際共同試験(I8F-MC-GPHK試験/SURMOUNT-1、72週時点の体重変化率)

群 体重変化率(平均) 5%以上減った人の割合
5mg群 -16.5% 90.3%
10mg群 -21.9% 96.4%
15mg群 -22.9% 96.3%
プラセボ群 -3.3% 34.1%

国内試験(I8F-JE-GPHZ試験/SURMOUNT-J、日本人の肥満症患者225例、72週時点)

群 体重変化率(平均)
10mg群 -18.4%
15mg群 -22.6%
プラセボ群 -1.8%

出典:ゼップバウンド電子添文(2026年9月改訂 第6版)17. 臨床成績

これらは試験全体の平均値で、効果には個人差があります。用量を上げれば、その分だけ体重が減るとは限りません。

また電子添文では、3〜4か月使っても体重・血糖・血圧・脂質などに改善の傾向がみられない場合は、投与を中止するとされています。量を増やし続けるのではなく、定期的に効果を確かめながら続けるかどうかを決めていく薬です。

副作用が強いときは増量を待つ・減量するという選択

上の国際共同試験では、主な副作用が次の割合で起きました。

副作用 5mg群 10mg群 15mg群 プラセボ群
悪心(吐き気) 21.0% 30.7% 28.5% 8.0%
下痢 15.4% 17.8% 19.1% 5.7%
便秘 13.5% 14.0% 10.0% 4.1%

ほかに嘔吐や食欲の低下も報告されています。頻度は低いものの、重大な副作用として低血糖、急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸、アナフィラキシー・血管性浮腫、腸閉塞を含むイレウスが電子添文に記載されています(11.1)。嘔吐を伴う激しい腹痛が続くときは、すぐに医師に相談してください。下痢や嘔吐で脱水になり、腎臓に負担がかかるおそれも指摘されています。

電子添文には「胃腸障害などで忍容性が得られない場合は、減量または増量の延期を考慮する」と書かれています。つまり、決まった時期に必ず増やさなければならないわけではありません。

  • 吐き気が強いときは、今の用量で様子を見る
  • つらさが続くときは、ひとつ前の用量に戻す

どちらにするかは医師が診察で判断します。気になる症状があれば、次の診察を待たずに相談しましょう。

マンジャロとゼップバウンドの用量の違い

マンジャロも、ゼップバウンドと同じチルゼパチドを成分とする薬です。ただし承認されている効能が違います。

項目 ゼップバウンド マンジャロ
承認効能 肥満症、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群 2型糖尿病
開始用量 2.5mg 2.5mg
維持用量 10mg(肥満症) 5mg
最大用量 15mg 15mg

出典:マンジャロ 患者向医薬品ガイド(2026年6月更新)

マンジャロは肥満症の治療薬として承認されていません。体重を減らす目的で使う場合は、承認された効能の範囲外になります。

また、ゼップバウンドの電子添文では、マンジャロなどほかのチルゼパチド製剤やGLP-1受容体作動薬とは併用しないこととされています。今ほかの薬を使っている方は、必ず問診で伝えてください。

用量ごとの費用の目安

スリマルでの料金は次のとおりです(税込・1か月分)。

用量 料金
2.5mg ¥36,410
5mg ¥55,435
7.5mg ¥78,271
10mg ¥109,868
12.5mg ¥126,500
15mg ¥151,800
  • 自由診療のため保険適用外で、全額自己負担です
  • 診察料・配送料は無料です
  • 処方は1か月分ずつで、定期購入や複数月のパッケージはありません

標準のスケジュールで10mgまで増やす場合、最初の3か月は2.5mg→5mg→7.5mgと段階ごとに料金が変わります。費用も含めて継続できるかどうか、始める前に考えておくと安心です。最新の料金は料金ページでご確認ください。期間ごとの総額の目安は「ゼップバウンドの値段」で試算しています。

自己判断で量を変えてはいけない理由

用量は、体重の変化、副作用、血糖・血圧などの検査値をあわせて医師が決めます。自分の判断で量を変えると、副作用が強く出たり、低血糖を起こしたりするおそれがあります。

打ち忘れたとき(電子添文 7.2)

  • 次の投与まで3日(72時間)以上あれば、気づいた時点ですぐに打ち、その後は決めておいた曜日に戻す
  • 次の投与まで3日(72時間)未満なら打たずに、次の決めておいた曜日に打つ
  • 2回分をまとめて打たない
  • 曜日を変えるときは、前回の注射から3日(72時間)以上あける

詳しくは「ゼップバウンド・ウゴービを打ち忘れたら?」で解説しています。

保管方法(電子添文 20.)

  • 冷蔵庫(2〜8℃)で光を避けて保管し、凍らせない(凍ったものは使わない)
  • 室温で保管する場合は、30℃を超えない場所で外箱に入れたまま置き、21日以内に使う

持ち運びや旅行時の注意は「ゼップバウンド・ウゴービの保管方法」、注射の手順は「ゼップバウンドの打ち方」をご覧ください。

ゼップバウンドを使えない方、スリマルで処方できない方

  • 妊娠中または妊娠している可能性のある方
  • 本剤の成分で過敏症を起こしたことがある方、1型糖尿病・糖尿病性ケトアシドーシスの方など電子添文の禁忌に当たる方
  • 20歳未満の方、BMI 27未満の方
  • 美容目的・痩身目的の方
  • 糖尿病の薬(DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など)の処方を受けている方

授乳中の方や心臓病・腎臓病の既往がある方などは、医師が診察で処方できるかどうかを判断します。

ゼップバウンドは、食事療法や運動療法を続けることが前提の薬です。薬だけに頼らず、生活習慣を見直して体質改善を目指すことが、無理なく続けるための土台になります。

スリマルは、医師の診断にもとづく肥満症を対象としたオンライン診療です。Zoomでの診察で、あなたに合った用量や増量のペースを医師と相談できます。「自分は対象になるのか」「今の量で続けてよいのか」と迷ったら、まずは医師にご相談ください。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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