この記事は、BMIが27以上で肥満症治療としてゼップバウンドを検討している方や、使用中で増量の流れを知りたい方に向けたものです。
「2.5mgでは体重があまり変わらない。早く量を増やしたほうがいいのでは?」と、あなたも感じていないでしょうか。ゼップバウンドの用量には、科学的根拠にもとづく決まった段階と間隔があります。この記事では、PMDAが公開している最新の電子添文(医薬品の公式な説明書)に書かれている内容をもとに整理します。
肥満症治療でゼップバウンドを検討・使用中の方へ。2.5mg〜15mgの6段階の用量と増量間隔、通常の維持用量10mg、用量別の臨床試験データと副作用、費用を電子添文に沿って解説。用量は医師にご相談ください。
医療監修
肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。
本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。
公開日: 2026-11-05
この記事は、BMIが27以上で肥満症治療としてゼップバウンドを検討している方や、使用中で増量の流れを知りたい方に向けたものです。
「2.5mgでは体重があまり変わらない。早く量を増やしたほうがいいのでは?」と、あなたも感じていないでしょうか。ゼップバウンドの用量には、科学的根拠にもとづく決まった段階と間隔があります。この記事では、PMDAが公開している最新の電子添文(医薬品の公式な説明書)に書かれている内容をもとに整理します。
ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)の規格は6つです。どの規格も、注射針が付いた使い切りのペン型注射器(アテオス)です。
| 規格 | 位置づけ(肥満症の場合) |
|---|---|
| 2.5mg | 開始用量 |
| 5mg | 増量の途中。状態によってはこの量で続けることもある |
| 7.5mg | 増量の途中 |
| 10mg | 通常の維持用量 |
| 12.5mg | 必要に応じた増量の途中 |
| 15mg | 最大用量 |
チルゼパチドは、GIPとGLP-1という2種類の消化管ホルモンの働きをまねる薬です。食欲を抑えたり、血糖値の上がり方を整えたりします。投与は週1回の自己皮下注射で、毎週同じ曜日に打ちます。
なお、ゼップバウンドには閉塞性睡眠時無呼吸症候群の効能もあり、そちらでは用量の決まりが異なります。スリマルで処方しているのは肥満症の治療だけです。
肥満症では、2.5mgから始めて4週間ごとに2.5mgずつ増やし、週1回10mgで続けるのが基本です。電子添文の記載は次のとおりです(ゼップバウンド電子添文 第6版 6. 用法及び用量)。
12.5mg・15mgへの増量は「4週間以上の間隔」で行うとされています。
標準的な流れにすると、次のようになります。
| 期間 | 用量 |
|---|---|
| 1〜4週目 | 2.5mg |
| 5〜8週目 | 5mg |
| 9〜12週目 | 7.5mg |
| 13週目以降 | 10mg(維持用量) |
10mgに届くまで最短でも12週間かかります。電子添文には、増量の間隔を4週間より短くする用法はありません。
2.5mgは治療を始めるときの用量で、電子添文では4週間後に5mgへ増やす流れになっています。2.5mgのまま続ける用法は定められていません。
臨床試験でも、どの群も2.5mgから始めて4週間ごとに増量しています。2.5mgを長く続ける群はなかったため、2.5mgだけを続けたときの体重減少データは電子添文に載っていません。
最初の4週間で体重があまり変わらなくても、焦って自分で量を増やしたり、早めに次の用量へ進んだりするのはやめましょう。電子添文では、胃腸の症状などでつらい場合には、減量や増量の延期を考えることとされています(7.3)。
肥満症では、10mgが通常の維持用量です。そのうえで、体重の減り方や副作用の出方を見ながら、医師が5mgで続けるか15mgまで増やすかを判断します。電子添文にも「体重減少の程度や忍容性(副作用に耐えられるか)に応じて、週1回5mgで治療を続けることも考慮する」と書かれています。
判断の材料になるのが臨床試験のデータです。どちらの試験も、食事のカロリー制限と運動を併せて行ったうえでの結果です。
国際共同試験(I8F-MC-GPHK試験/SURMOUNT-1、72週時点の体重変化率)
| 群 | 体重変化率(平均) | 5%以上減った人の割合 |
|---|---|---|
| 5mg群 | -16.5% | 90.3% |
| 10mg群 | -21.9% | 96.4% |
| 15mg群 | -22.9% | 96.3% |
| プラセボ群 | -3.3% | 34.1% |
国内試験(I8F-JE-GPHZ試験/SURMOUNT-J、日本人の肥満症患者225例、72週時点)
| 群 | 体重変化率(平均) |
|---|---|
| 10mg群 | -18.4% |
| 15mg群 | -22.6% |
| プラセボ群 | -1.8% |
出典:ゼップバウンド電子添文(2026年9月改訂 第6版)17. 臨床成績
これらは試験全体の平均値で、効果には個人差があります。用量を上げれば、その分だけ体重が減るとは限りません。
また電子添文では、3〜4か月使っても体重・血糖・血圧・脂質などに改善の傾向がみられない場合は、投与を中止するとされています。量を増やし続けるのではなく、定期的に効果を確かめながら続けるかどうかを決めていく薬です。
上の国際共同試験では、主な副作用が次の割合で起きました。
| 副作用 | 5mg群 | 10mg群 | 15mg群 | プラセボ群 |
|---|---|---|---|---|
| 悪心(吐き気) | 21.0% | 30.7% | 28.5% | 8.0% |
| 下痢 | 15.4% | 17.8% | 19.1% | 5.7% |
| 便秘 | 13.5% | 14.0% | 10.0% | 4.1% |
ほかに嘔吐や食欲の低下も報告されています。頻度は低いものの、重大な副作用として低血糖、急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸、アナフィラキシー・血管性浮腫、腸閉塞を含むイレウスが電子添文に記載されています(11.1)。嘔吐を伴う激しい腹痛が続くときは、すぐに医師に相談してください。下痢や嘔吐で脱水になり、腎臓に負担がかかるおそれも指摘されています。
電子添文には「胃腸障害などで忍容性が得られない場合は、減量または増量の延期を考慮する」と書かれています。つまり、決まった時期に必ず増やさなければならないわけではありません。
どちらにするかは医師が診察で判断します。気になる症状があれば、次の診察を待たずに相談しましょう。
マンジャロも、ゼップバウンドと同じチルゼパチドを成分とする薬です。ただし承認されている効能が違います。
| 項目 | ゼップバウンド | マンジャロ |
|---|---|---|
| 承認効能 | 肥満症、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群 | 2型糖尿病 |
| 開始用量 | 2.5mg | 2.5mg |
| 維持用量 | 10mg(肥満症) | 5mg |
| 最大用量 | 15mg | 15mg |
マンジャロは肥満症の治療薬として承認されていません。体重を減らす目的で使う場合は、承認された効能の範囲外になります。
また、ゼップバウンドの電子添文では、マンジャロなどほかのチルゼパチド製剤やGLP-1受容体作動薬とは併用しないこととされています。今ほかの薬を使っている方は、必ず問診で伝えてください。
スリマルでの料金は次のとおりです(税込・1か月分)。
| 用量 | 料金 |
|---|---|
| 2.5mg | ¥36,410 |
| 5mg | ¥55,435 |
| 7.5mg | ¥78,271 |
| 10mg | ¥109,868 |
| 12.5mg | ¥126,500 |
| 15mg | ¥151,800 |
標準のスケジュールで10mgまで増やす場合、最初の3か月は2.5mg→5mg→7.5mgと段階ごとに料金が変わります。費用も含めて継続できるかどうか、始める前に考えておくと安心です。最新の料金は料金ページでご確認ください。期間ごとの総額の目安は「ゼップバウンドの値段」で試算しています。
用量は、体重の変化、副作用、血糖・血圧などの検査値をあわせて医師が決めます。自分の判断で量を変えると、副作用が強く出たり、低血糖を起こしたりするおそれがあります。
打ち忘れたとき(電子添文 7.2)
詳しくは「ゼップバウンド・ウゴービを打ち忘れたら?」で解説しています。
保管方法(電子添文 20.)
持ち運びや旅行時の注意は「ゼップバウンド・ウゴービの保管方法」、注射の手順は「ゼップバウンドの打ち方」をご覧ください。
ゼップバウンドを使えない方、スリマルで処方できない方
授乳中の方や心臓病・腎臓病の既往がある方などは、医師が診察で処方できるかどうかを判断します。
ゼップバウンドは、食事療法や運動療法を続けることが前提の薬です。薬だけに頼らず、生活習慣を見直して体質改善を目指すことが、無理なく続けるための土台になります。
スリマルは、医師の診断にもとづく肥満症を対象としたオンライン診療です。Zoomでの診察で、あなたに合った用量や増量のペースを医師と相談できます。「自分は対象になるのか」「今の量で続けてよいのか」と迷ったら、まずは医師にご相談ください。
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。