健康診断で「BMIが高め」と言われ、自分は平均と比べてどうなのか気になっていませんか? この記事は、日本人の肥満の現状を公的データで知りたい30〜50代の方に向けて書いています。 数字はすべて厚生労働省・WHOなどの一次資料をもとにしています。
日本人の肥満の割合は?年代別・都道府県別のデータと世界との比較
日本人の肥満者の割合は男性32.4%、女性19.3%(令和6年国民健康・栄養調査)。年代別・都道府県別の傾向や世界との比較を公的データで解説。健診の数値が気になる方は医師に相談を。
医療監修
肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。
本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。
公開日: 2026-11-05
この記事について
日本人の肥満者の割合はどれくらい?
20歳以上で肥満(BMI25以上)にあたる人は、男性32.4%、女性19.3%です。 男女を合わせると25.3%で、成人のおよそ4人に1人です。 出典は厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査結果の概要」です。
BMIは「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で出す体格の目安です。 日本肥満学会は、BMI25以上を「肥満」と定めています。 たとえば身長170cmで体重73kgなら、BMIは約25.3です。
10年ほど前と比べてみましょう。 平成25年調査では、男性28.6%、女性20.3%でした。 男性はこの間に約4ポイント増え、女性はほぼ横ばいです。
国の健康づくり計画「健康日本21(第三次)」も肥満を重視しています。 令和6年の時点で、20〜60歳代男性の肥満者は34.0%です。 40〜60歳代女性の肥満者は20.2%でした。
男女・年代別でどんな傾向がある?
男性は働き盛りの40〜50代、女性は50代以降で肥満の割合が高くなります。 令和6年調査の年代別データは次のとおりです。
| 年代 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 20〜29歳 | 21.0% | 7.4% |
| 30〜39歳 | 34.3% | 11.9% |
| 40〜49歳 | 35.8% | 18.5% |
| 50〜59歳 | 38.3% | 21.2% |
| 60〜69歳 | 33.6% | 20.6% |
| 70歳以上 | 29.4% | 22.8% |
出典:厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査結果の概要」
男性で最も高いのは50代の38.3%です。 30代で一気に増えるのも特徴で、20代の21.0%から34.3%に上がります。
女性は年代とともに少しずつ上がり、70歳以上で22.8%と最も高くなります。 閉経後は女性ホルモンの変化で、内臓に脂肪がつきやすくなるとされています。 一方で、20〜30代女性の16.6%は「やせ」(BMI18.5未満)でした。 女性では、肥満とやせの両方が課題になっています。
あなたの年代の数字は、思っていたより高かったでしょうか? 「周りも同じだから大丈夫」ではなく、自分の健康リスクとして見ることが大切です。
都道府県別の肥満・メタボの割合に差はある?
体格には地域差があり、BMIが高い県と低い県で平均値に明確な差がみられます。 令和6年調査は4年に1度の「拡大調査」で、都道府県別のデータがあります。 年齢の差をならした「年齢調整値」で比べています。
BMIの平均値(年齢調整値)
| 区分 | 全国 | 上位群(上位25%の県) | 下位群(下位25%の県) |
|---|---|---|---|
| 男性(20〜69歳) | 23.9 | 24.8 | 23.5 |
| 女性(40〜69歳) | 22.3 | 23.2 | 21.8 |
出典:厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査結果の概要」第1章
BMIの平均値が高い県の例は次のとおりです。
- 男性:高知県・岩手県・徳島県・熊本県・沖縄県など
- 女性:長崎県・福島県・宮崎県・沖縄県・佐賀県など
低い県の例として、男性は滋賀県・愛媛県・島根県・石川県・愛知県・大阪府があります。 女性では大阪府・愛知県・京都府・島根県・静岡県などです。
ただし、1県あたりの調査人数は25〜223人(男性)と多くありません。 そのため厚生労働省は、誤差を考えて都道府県の「順位」は示していません。 「〇〇県が1位」ではなく、地域の傾向として見るのが正確です。
同じ調査では、歩数や野菜・食塩の摂取量にも地域差がありました。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満に高血圧・高血糖・脂質異常が重なった状態)の地域差も公表されています。 特定健診(40〜74歳が対象のメタボ健診)の実施状況は厚生労働省が公表しており、お住まいの地域の状況は自治体の健康づくり計画などでも確認できます。
世界と比べて日本の肥満は少ない?
世界的にみると、日本の肥満の割合は低い水準です。 ただし、使う基準が日本と世界で違う点に注意が必要です。
WHOでは、BMI25以上を「過体重」、30以上を「肥満」と定義しています。 WHOによると、2022年に肥満の成人は約8億9,000万人でした。 世界の成人の16%が肥満、43%が過体重にあたります。
OECD「Health at a Glance 2025」でも、日本は韓国とともに過体重・肥満(BMI25以上)の成人が40%未満と、加盟国の中で低いグループに入っています。 一方、たとえば米国では、成人の40.3%がBMI30以上です(米国CDC NCHS Data Brief、2021年8月〜2023年8月)。
日本の「肥満」はBMI25以上なので、WHOの「過体重」に近い基準です。 「日本は痩せている国だから安心」とはいえません。 その理由を次の章で説明します。
日本人はなぜBMIが低くても病気になりやすいの?
日本人を含むアジア系の人は、BMIが同じでも欧米の人より生活習慣病になりやすいとされています。 そのため日本では、WHOより低いBMI25を肥満の基準にしています。
理由として、主に2つの体質があげられます。
- 内臓脂肪がたまりやすい 見た目が太っていなくても、お腹の中に脂肪がつきやすい傾向があります。 内臓脂肪からは、血圧や血糖値に影響する生理活性物質(アディポサイトカイン)が分泌されるとされています。
- インスリンを出す力が比較的弱い インスリンは、血糖値を下げるホルモンです。 この分泌量が比較的少ない体質の人が多いとされ、少しの体重増加でも血糖値が上がりやすいと考えられています。
WHOの専門家会議(WHO Expert Consultation, Lancet 2004)も、アジア人は低いBMIで健康リスクが高まると報告しています。 令和6年調査では、「糖尿病が強く疑われる者」が約1,100万人と推計されました。 BMIが30に届かなくても、油断できないことがわかります。
肥満症の推計患者数と治療の現状は?
「肥満症」の患者数を直接示す全国統計は、多くありません。 まず、「肥満」と「肥満症」の違いを押さえておきましょう。
- 肥満:BMI25以上で、脂肪が過剰にたまった状態
- 肥満症:肥満に加え、肥満による健康障害がある(または予測される)ため、医学的に減量が必要な状態
健康障害には、2型糖尿病、脂質異常症、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、ひざや腰の関節の病気など11項目があります(日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」)。 BMI25以上の人がすべて肥満症というわけではありません。 肥満症かどうかは、医師の診断で決まります。
治療の基本は、食事療法・運動療法・行動療法です。 科学的根拠のある方法を、無理なく継続できる形で続けることが、体質改善の土台になります。
それでも十分な効果が得られない場合、薬物療法が検討されることがあります。 現在、肥満症の効能をもつ注射薬にはゼップバウンド(チルゼパチド)とウゴービ(セマグルチド)があります。 どちらも週1回、自分で皮下に注射する薬です。 効果には個人差があり、医師の診断と管理のもとで使います。
主な副作用は、吐き気、下痢、便秘、嘔吐などの胃腸の症状です。 電子添文には、重大な副作用として低血糖、急性膵炎、胆のうの病気なども記載されています。 体調の変化があれば、すぐに医師に相談することが必要です。
保険診療でこれらの薬を使うには、厳格な条件があります。 施設や医師の要件、栄養指導の実施などを満たす必要があります(最適使用推進ガイドライン)。
なお、オゼンピック・リベルサス・マンジャロは2型糖尿病の治療薬です。 肥満症の効能はなく、減量目的での使用はおすすめできません。 フリマアプリやSNSで処方薬を売買・譲渡することは違法です。
オンライン診療という選択肢
スリマルは、医師の診断にもとづく肥満症を対象としたオンライン診療です。 診察はZoomで行い、来院の必要はありません。 自由診療のため保険は使えず、全額自己負担です。
| 薬剤 | 開始用量の料金(税込・1ヶ月分) |
|---|---|
| ゼップバウンド 2.5mg | ¥36,410 |
| ウゴービ 0.25mg | ¥19,800 |
増量すると料金も変わります(ゼップバウンド15mgは¥151,800、ウゴービ2.4mgは¥129,250)。 診察料・配送料は無料で、処方は1ヶ月分ずつです。
次に当てはまる方は、処方の対象になりません。
- 20歳未満の方
- BMI27未満の方
- 美容目的・痩身ダイエット目的の方
- 糖尿病の薬(ビグアナイド系、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など)を処方されている方
また、妊娠中または妊娠している可能性のある方には、電子添文上、両剤とも投与しません。
授乳中の方や、心臓病・腎臓病などの持病がある方は、医師が診察で処方できるかを判断します。
まとめ:データを「自分ごと」にするには?
- 日本人の肥満者は男性32.4%、女性19.3%(令和6年)
- 男性は50代、女性は70歳以上で割合が最も高い
- 都道府県によってBMIの平均値に差がある
- 世界と比べて肥満は少ないが、日本人は低いBMIでも生活習慣病になりやすいとされる
まずは自分のBMIを計算し、健康診断の血圧・血糖・脂質の結果も見直してみてください。 地域ごとの肥満外来の情報は、東京・大阪・名古屋・横浜の記事でも紹介しています。 BMIが27以上で、肥満による健康障害が気になる方は、一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。
参考資料 - 厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査結果の概要」 - 厚生労働省「平成25年国民健康・栄養調査結果の概要」 - 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」 - WHO「Obesity and overweight」ファクトシート - 米国CDC NCHS Data Brief No.508「Obesity and Severe Obesity Prevalence in Adults: United States, August 2021–August 2023」 - OECD「Health at a Glance 2025」Overweight and obesity - WHO Expert Consultation. Lancet. 2004;363:157-163 - PMDA ゼップバウンド・ウゴービ 電子添文 - 厚生労働省「最適使用推進ガイドライン」
免責事項
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。
