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ゼップバウンドは睡眠時無呼吸(SAS)にも使える?適応と肥満治療の関係

ゼップバウンド(チルゼパチド)は睡眠時無呼吸(SAS)に使える?肥満とSASの関係、減量が症状に与える影響、日本での適応と研究の現状、CPAPとの関係を科学的根拠に基づき解説します。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-07-16

ゼップバウンドと睡眠時無呼吸症候群(SAS)の関係

ゼップバウンドは肥満症の治療薬であり、減量を通じてSASと間接的に関わります。

ゼップバウンドは肥満症の治療薬であり、減量を通じてSASと間接的に関わります。

ゼップバウンドは、チルゼパチドを有効成分とする注射薬です。チルゼパチドはGIPとGLP-1という2つのホルモンの働きを助け、食欲を抑えて減量を促します。日本での承認されている適応は「肥満症」であり、SASそのものを治療する薬として承認されているわけではありません。

ただし、肥満とSASは深く結びついています。体重が増えると気道が狭くなり、無呼吸が起こりやすくなるためです。したがって、肥満症治療によって減量が進むと、結果としてSASの症状が和らぐ可能性が科学的に議論されています。この記事では、その仕組みと研究の現状を順に見ていきます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

SASは、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる、または浅くなる病気です。

SASは、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる、または浅くなる病気です。

SASは、Sleep Apnea Syndromeの略で、日本語では睡眠時無呼吸症候群と呼びます。眠っている間に気道がふさがり、呼吸が10秒以上止まる状態が何度も起こります。その多くは、のどの奥が物理的に狭くなる「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」です。

代表的なサインには、大きないびき、睡眠中の呼吸停止、日中の強い眠気、起床時の頭痛などがあります。あなたも、寝ても疲れが取れないと感じることはありませんか。SASを放置すると、高血圧や心臓病、脳卒中のリスクが高まることが知られています。診断には、睡眠中の呼吸状態を調べる検査(睡眠ポリグラフ検査など)が必要です。気になる症状がある方は、まず専門の医療機関で相談してください。

なぜ肥満でSASが起きるのか

肥満は、のど周りに脂肪をつけて気道を狭め、SASの大きな原因になります。

肥満は、のど周りに脂肪をつけて気道を狭め、SASの大きな原因になります。

体重が増えると、首やのどの周囲にも脂肪が蓄積します。すると、あお向けで眠ったときに気道が押しつぶされやすくなり、呼吸が止まりやすくなります。特に、内臓に脂肪がたまるタイプの肥満は、SASと関連が深いと考えられています。内臓脂肪の詳しい仕組みは内臓脂肪と皮下脂肪の違いもあわせてご覧ください。

さらに、肥満は横隔膜の動きを妨げ、肺で取り込める空気の量を減らします。おなかの脂肪が呼吸を物理的に邪魔するためです。こうした複数の要因が重なり、BMIが高い方ほどSASを合併しやすい傾向があります。実際、日本肥満学会の肥満症診療ガイドライン2022でも、閉塞性睡眠時無呼吸症候群は肥満症の診断に関わる健康障害の一つとして挙げられています。

減量がSASに与える影響

減量は、気道の圧迫をやわらげ、SASの重症度を改善する可能性があります。

減量は、気道の圧迫をやわらげ、SASの重症度を改善する可能性があります。

体重が減ると、のど周りや内臓の脂肪も減り、気道が広がりやすくなります。その結果、無呼吸の回数が減ることが複数の研究で報告されています。減量はSASに対する基本的な生活改善の柱の一つとされています。効果の程度には個人差があり、すべての方に同じ結果が出るわけではない点にはご注意ください。

大切なのは、無理なく継続できる方法で体質改善を目指すことです。極端な食事制限はリバウンドを招きやすく、かえって逆効果になりかねません。肥満症治療は、SASだけでなく高血圧や脂質異常症など、肥満に関連する幅広い健康障害の改善も視野に入れます。関連する健康障害については肥満症と睡眠時無呼吸症候群で詳しく解説しています。

ゼップバウンド(チルゼパチド)のSASに関する適応・研究の現状

日本での承認適応は肥満症であり、SAS単独の治療薬としては承認されていません。

日本での承認適応は肥満症であり、SAS単独の治療薬としては承認されていません。

ここは誤解の多いところなので、事実ベースで整理します。日本において、ゼップバウンドの承認された適応は「肥満症」です。SASそのものを効能・効果とする適応で承認されているわけではありません。したがって、SASを治すための薬として位置づけることはできません。

一方で、海外では肥満を伴う中等症〜重症のOSAに関する臨床試験(SURMOUNT-OSA試験)が行われ、米国FDAは2024年にこの適応を追加承認しています(出典: 日本イーライリリー審査資料、米国FDA公表資料)。ただし、これは海外の規制上の判断であり、日本での適応とは異なります。研究段階の知見であっても、効果には個人差があり、断定はできません。国内での位置づけはあくまで肥満症治療であることを、正しく理解しておきましょう。

CPAPなど既存治療との関係

CPAPはSASの標準治療であり、薬による減量はそれに置き換わるものではありません。

CPAPはSASの標準治療であり、薬による減量はそれに置き換わるものではありません。

SASの代表的な治療にCPAP(シーパップ)があります。これは、就寝中に鼻マスクから空気を送り込み、気道が閉じないように支える装置です。中等症以上のSASでは、CPAPが効果の確立した治療とされています。ゼップバウンドによる減量は、このCPAPを直ちに不要にするものではありません。

減量とCPAPは、対立するものではなく、組み合わせて考える関係です。体重が減ってSASが軽くなったかどうかは、必ず再検査で確認する必要があります。自己判断でCPAPをやめることは危険です。SASの治療方針は睡眠を専門とする医療機関の判断に従い、肥満症治療はその上で減量の手段として位置づけるのが適切です。

ゼップバウンドの対象となる方(肥満症)

ゼップバウンドは、医師の診断に基づく肥満症の方が対象で、美容目的では使えません。

ゼップバウンドは、医師の診断に基づく肥満症の方が対象で、美容目的では使えません。

スリマルは、肥満症のオンライン診療を提供する自由診療(全額自己負担)のサービスです。対面診療は行っておらず、保険診療も扱っていません。処方の対象となるのは、20歳以上で、BMIが27以上、かつ医師が肥満症と診断した方です。SASなどの健康障害を合併しているかどうかも、診断の際に考慮されます。

ゼップバウンドは週1回の自己皮下注射で、少量から段階的に増やしていきます。ゼップバウンドの詳細はゼップバウンドとは、他剤との違いはゼップバウンドとウゴービの比較もご覧ください。治療の適応や用量は、オンライン診察で医師が個別に判断します。

副作用・注意点/対象とならない方

効果を期待する前に、副作用と対象外の条件を必ず確認してください。

効果を期待する前に、副作用と対象外の条件を必ず確認してください。

ゼップバウンドの主な副作用には、吐き気、下痢、便秘、食欲不振などがあります。血糖を下げる薬と併用する場合は、低血糖のリスクにも注意が必要です。副作用は、医師の診察と管理のもとで使用することで、早期の対応がしやすくなります。詳しくはゼップバウンドの副作用を参照してください。

次のいずれかに当てはまる方は、処方の対象外です。

  • 20歳未満の方
  • 初診時のBMIが27未満の方
  • 美容目的・痩身ダイエット目的の方
  • 糖尿病用薬剤(ビグアナイド系、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など)を服用中の方

また、妊娠の可能性がある方、授乳中の方、心臓病や腎臓病などの既往がある方は、医師の慎重な判断が必要です。甲状腺髄様癌の既往・家族歴などの絶対禁忌については、添付文書・審査資料を一次情報として確認してください。

「どうしても体重を減らない」と悩んでいませんか?

「治療を始めるべきか」「専門医に相談したいが、どの病院へ行けばよいのか」など、不安な気持ちを抱えていませんか?
症状が急に悪化したり、不安になったりしたときに、すぐに医師に相談できるよう、スリマルを利用して、治療への一歩を踏み出しましょう。

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