ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)とウゴービ(一般名:セマグルチド)は、いずれも日本で肥満症治療薬として承認された注射薬です。両剤の最大の違いは作用する受容体の種類 にあります。ゼップバウンドはGLP-1受容体とGIP受容体の両方 に作用するデュアル作動薬であるのに対し、ウゴービはGLP-1受容体のみに作用します。この違いが体重減少効果の差につながっており、臨床試験では総じてゼップバウンドのほうが高い体重減少率が報告されています。ただし、どちらが自分に適しているかは個々の状態によって異なるため、必ず医師の診察を受けてください。
ゼップバウンド vs ウゴービ|効果・副作用・費用・選び方を比較【2026年版】
ゼップバウンドとウゴービの違いを徹底比較。作用機序・体重減少効果・副作用・自由診療の費用まで一覧で解説。肥満症治療を検討中の方向け【2026年版】。治療の適応は医師にご相談ください。
医療監修
肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。
本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。
公開日: 2026-04-15
最終更新日: 2026-10-27
ゼップバウンドとウゴービの違い:結論
最大の違いは作用する受容体の数。ゼップバウンドはGLP-1とGIPの両方に作用し、臨床試験では体重減少効果が高い傾向があります。ウゴービはGLP-1のみに作用します。
一目でわかる比較表
作用機序・適応・用量・副作用・自由診療費用を一覧で整理しました。一方を推奨するものではなく、医師の診察に基づき選択する判断材料として活用してください。
| 項目 | ゼップバウンド(チルゼパチド) | ウゴービ(セマグルチド) |
|---|---|---|
| 製造販売元 | 日本イーライリリー | ノボ ノルディスク ファーマ |
| 作用機序 | GLP-1/GIP受容体デュアル作動薬 | GLP-1受容体作動薬(単独) |
| 国内承認年 | 2024年 | 2023年 |
| 適応 | 肥満症(BMI・合併症の条件あり) | 肥満症(BMI・合併症の条件あり) |
| 投与方法 | 週1回、皮下注射(自己注射) | 週1回、皮下注射(自己注射) |
| 用量段階 | 2.5 → 5 → 7.5 → 10 → 12.5 → 15 mg | 0.25 → 0.5 → 1.0 → 1.7 → 2.4 mg |
| 国内臨床試験での体重変化率(電子添文) | 10mg −18.4%、15mg −22.6%(SURMOUNT-J試験、72週。プラセボ −1.8%) | 2.4mg −13.4%(STEP 6試験、68週。プラセボ −1.9%) |
| 主な副作用 | 吐き気・下痢・便秘などの消化器症状 | 吐き気・下痢・便秘などの消化器症状 |
| 重大な副作用(電子添文) | 低血糖、急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸、アナフィラキシー、イレウス | 低血糖、急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸、イレウス |
| スリマルでの自由診療料金(税込) | 2.5mg ¥36,410 / 5mg ¥55,435 / 7.5mg ¥78,271 / 10mg ¥109,868 / 12.5mg ¥126,500 / 15mg ¥151,800 | 0.25mg ¥19,800 / 0.5mg ¥31,900 / 1.0mg ¥50,996 / 1.7mg ¥100,067 / 2.4mg ¥129,250 |
※ 効果には個人差があります。詳細はゼップバウンド電子添文・ウゴービ電子添文を参照してください。料金はスリマル料金ページ(最終確認:2026-05-11)時点。
それぞれの薬の特徴
ゼップバウンドはGLP-1/GIP受容体デュアル作動薬、ウゴービはGLP-1受容体作動薬。どちらも週1回の皮下注射薬です。
ウゴービ(セマグルチド)
- 製造販売:ノボ ノルディスク ファーマ
- 作用:GLP-1受容体のみに作用
- 投与:週1回の皮下注射(0.25mgから開始、最大2.4mg)
- 国内承認:2023年
詳細はウゴービの効果と使い方・ウゴービの副作用もあわせてご覧ください。
ゼップバウンド(チルゼパチド)
- 製造販売:日本イーライリリー
- 作用:GLP-1受容体とGIP受容体の両方に作用
- 投与:週1回の皮下注射(2.5mgから開始、最大15mg)
- 国内承認:2024年
詳細はゼップバウンドの効果と使い方・ゼップバウンドの副作用もあわせてご覧ください。
作用の仕組みの違い
ゼップバウンドはGLP-1とGIPの両ホルモンを模倣、ウゴービはGLP-1模倣薬。GIPの追加作用が脂肪代謝・体重減少をさらに促進すると考えられています。
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は食後に小腸から分泌されるホルモンで、食欲抑制・満腹感延長・血糖コントロール改善に働きます。GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)もまた食後に分泌されるホルモンで、インスリン分泌促進・脂肪代謝調節に関与しています。ゼップバウンドはこの2つのホルモン受容体に同時に作用することで、GLP-1単剤(ウゴービ)より強力な体重減少効果をもたらすと考えられています。
体重減少効果の比較
SURMOUNT-1試験でゼップバウンドは平均約15〜22%、STEP 1試験でウゴービは平均約15%の体重減少が報告されています。効果には個人差があります。
大規模臨床試験のデータは以下の通りです。
- ウゴービ(STEP 1試験) :生活習慣改善と併用で平均約15%の体重減少(68週間)
- ゼップバウンド(SURMOUNT-1試験) :生活習慣改善と併用で平均約15〜22%の体重減少(用量依存・72週間)
体重100kgの方でのイメージ(あくまで試験平均値):
- ウゴービ:約15kgの減量に相当
- ゼップバウンド:約15〜22kgの減量に相当
効果には個人差があり 、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。
副作用の比較
両剤とも消化器症状(吐き気・下痢・便秘)が主な副作用です。頻度・程度には個人差があり、必ず医師の管理のもとで使用してください。
両剤に共通する主な副作用は消化器症状です。
- 吐き気・嘔吐(最も多い)
- 下痢・便秘
- 腹部膨満感・腹痛
これらは投与初期・増量時に起こりやすく、段階的な増量により軽減する傾向があります。まれな重大な副作用として、両剤とも低血糖、急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸、イレウスが電子添文に記載されています(アナフィラキシーはゼップバウンドのみ)。本剤の成分に対する過敏症の既往がある方、1型糖尿病・糖尿病性ケトアシドーシスの方などは使用できません(電子添文の禁忌)。膵炎の既往がある方などは医師が慎重に判断し、投与中に甲状腺関連の症状など異常があれば専門医を受診します。副作用が出た場合は速やかに医師に相談してください。
費用の比較(自由診療)
スリマルは肥満症の自由診療(全額自己負担)としてオンライン診療でゼップバウンド・ウゴービを処方しています。診察料・配送料は一律無料です。
スリマルでの月額料金(税込・1ヶ月分処方)は以下の通りです。
ウゴービ
- 0.25mg:¥19,800
- 0.5mg:¥31,900
- 1.0mg:¥50,996
- 1.7mg:¥100,067
- 2.4mg:¥129,250
ゼップバウンド
- 2.5mg:¥36,410
- 5mg:¥55,435
- 7.5mg:¥78,271
- 10mg:¥109,868
- 12.5mg:¥126,500
- 15mg:¥151,800
- 自由診療のため保険適用外、全額自己負担 となります
- 診察料・配送料は無料、1ヶ月分処方のみ(定期購入はありません)
- 詳しい費用感は肥満症治療薬の費用まとめもご参照ください
治療対象と対象外
スリマルで処方を受けられるのは20歳以上・BMI 27以上で、医師の診断により肥満症に該当する方です。美容・痩身目的の方、20歳未満、BMI 27未満の方は対象外です。
以下に該当する方は処方対象外となります。
- 20歳未満の方
- BMI 27 未満の方(初診時)
- 美容目的・ダイエット目的の方
- 一部の糖尿病用薬剤(ビグアナイド系、SU剤、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤等)を使用中の方
妊娠中・妊娠の可能性がある方には投与しません(電子添文)。授乳中・心臓病・脳卒中・腎臓病の既往などがある方は、オンライン診察時に医師が処方可否を慎重に判断します。
まとめ
どちらが適切かは個人の状態・合併症・副作用への反応によります。自己判断せず、必ず医師の診察を受けて選択してください。
ゼップバウンドとウゴービの主な違いは以下のとおりです。
- 作用機序 :ゼップバウンドはGLP-1+GIP受容体/ウゴービはGLP-1受容体のみ
- 体重減少効果 :臨床試験ではゼップバウンドが高い傾向(個人差あり)
- 副作用 :両剤とも消化器症状が主、種類に大きな差はなし
- 費用 :スリマルでは両剤とも自由診療(全額自己負担)
どちらが自分に合った薬かは、医師と相談のうえ決めてください。
参考文献
免責事項
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。
