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産後に体重が戻らないのはなぜ?授乳中のGLP-1薬と医療ダイエットの考え方

産後に体重が戻らない医学的な理由と、授乳中のGLP-1薬の考え方、授乳終了後に医療ダイエットを検討する条件を、科学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-07-14

最終更新日: 2026-07-14

1. 産後に体重が戻りにくい医学的な理由とは?

産後の体重が戻りにくいのは、妊娠中の脂肪蓄積・ホルモン変化・睡眠不足という複数の要因が重なるためです。

産後の体重が戻りにくいのは、妊娠中の脂肪蓄積・ホルモン変化・睡眠不足という複数の要因が重なるためです。

妊娠中は、赤ちゃんを育てるためにエネルギーを蓄えやすい身体へと変化します。厚生労働省の「妊娠中の体重増加指導の目安」では、標準体格の方でも10〜13kgの増加が想定されています。この増加分には胎児や胎盤だけでなく、母体に蓄えられた脂肪も含まれます。出産で一度に減るのは主に胎児・羊水・胎盤の重さで、母体の脂肪はすぐには落ちません。

さらに、産後はホルモンバランスが大きく揺れ動きます。妊娠を維持していたエストロゲンなどが急激に減り、食欲や代謝の調整が乱れやすくなります。ここに授乳や夜間対応による睡眠不足が加わります。睡眠不足は食欲を増やすホルモン(グレリン)を増加させ、満腹を伝えるホルモン(レプチン)を低下させることが複数の研究で報告されています。つまり「意志が弱いから戻らない」のではないのです。

加齢や出産による筋肉量の変化も見逃せません。筋肉が減ると基礎代謝(安静時に消費するエネルギー)が下がり、同じ食事でも太りやすくなります。産後の体重が戻りにくい背景には、こうした体質の変化が重なっています。女性の肥満に関わる要因は、肥満と女性の関係でも詳しく整理しています。

2. なぜ授乳中はダイエットを焦らないほうがよいのか?

授乳中は母乳の量と質を保つために一定のエネルギーが必要で、急激な減量は避けるべきだからです。

授乳中は母乳の量と質を保つために一定のエネルギーが必要で、急激な減量は避けるべきだからです。

母乳をつくるためには、1日あたりおよそ350kcal前後の追加エネルギーが必要とされます。この時期に極端な食事制限をすると、母乳量の低下や母体の栄養不足を招くおそれがあります。あなたが早く体重を戻したい気持ちは自然なものですが、授乳期は身体の回復と赤ちゃんの成長を優先する時期です。

授乳中に無理なく取り組めるのは、極端な糖質カットや断食ではなく、栄養バランスを整えたうえで少しずつ活動量を増やす方法です。米国の産科ガイドラインでも、授乳中の減量は週0.5kg程度までの緩やかなペースが推奨されています。焦らず継続できる範囲で整えることが、結果的に体質改善につながります。

この時期に大切なのは「戻すこと」より「増やしすぎないこと」です。生活が落ち着き、授乳が一段落してから医療的なアプローチを検討する、という順序で考えると無理がありません。

3. 授乳中にGLP-1薬は使える?安全性の考え方

授乳中はGLP-1薬による肥満症治療は行えません。授乳を終えてから受診を検討するのが原則です。

授乳中はGLP-1薬による肥満症治療は行えません。授乳を終えてから受診を検討するのが原則です。

GLP-1(ジーエルピーワン)とは、食欲や血糖を調整するホルモンに関連する成分です。肥満症治療に使われるウゴービ(一般名セマグルチド)やゼップバウンド(一般名チルゼパチド、正確にはGIP/GLP-1受容体に作用)は、この仕組みを利用した処方薬です。これらの薬は、母乳を通じて赤ちゃんへ移行した場合の安全性が十分に確立されていません。

そのため、妊娠中・授乳中の方は、これらの薬の使用対象になりません。実際にスリマルの問診でも、妊娠の可能性や授乳中であることは医師が処方の可否を判断するための重要な項目として確認されます。授乳中に「早く痩せたいから」と自己判断で個人輸入品などを使うことは、母子双方にリスクがあり避けるべきです。

安全に検討するための考え方はシンプルです。授乳を終え、身体の状態が落ち着いてから、医師の診察を受けて適応を確認する。この順序を守ることが、あなたと赤ちゃんの安全を守る前提になります。薬の作用や注意点はGLP-1薬の副作用もあわせて確認してください。

4. 授乳終了後に医療ダイエットを検討する条件とは?

授乳を終えたあと、20歳以上・BMI27以上で医師に肥満症と診断された場合に、医療的な減量が選択肢になります。

授乳を終えたあと、20歳以上・BMI27以上で医師に肥満症と診断された場合に、医療的な減量が選択肢になります。

医療ダイエットの対象となるのは、単に「体重を減らしたい」方ではありません。スリマルが扱う肥満症治療の対象は、20歳以上で、BMIが27以上、かつ医師の診断にもとづく肥満症に該当する方です。BMIは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算できます。たとえば身長160cm・体重70kgならBMIは約27.3です。

ここで重要なのが「肥満」と「肥満症」の違いです。肥満はBMIが25以上の状態を指し、肥満症は肥満に加えて高血圧や脂質異常症、2型糖尿病などの健康障害を合併する(または予測される)病態を指します。つまり肥満症は、医学的に減量が必要と判断される病気です。この違いは肥満症とは何かの解説でも詳しくまとめています。

なお、スリマルは自由診療(全額自己負担)のオンライン診療であり、保険は使えません。診察はZoomで行い、対面での来院はありません。授乳終了後にこれらの条件を満たすかどうかは、最終的に医師の診察で判断されます。

5. 産後の体重管理で大切な生活習慣は?

薬に頼る前に、睡眠・たんぱく質・活動量という基本を整えることが、継続できる体質改善の土台になります。

薬に頼る前に、睡眠・たんぱく質・活動量という基本を整えることが、継続できる体質改善の土台になります。

産後の体重管理は、特別なことよりも土台づくりが大切です。以下のポイントは、授乳中でも授乳終了後でも無理なく取り入れられます。

  • 睡眠をできる範囲で確保する(短い仮眠でも食欲ホルモンの乱れを和らげます)
  • たんぱく質を毎食とる(筋肉の維持は基礎代謝を守ります)
  • 極端な糖質カットより、主食の量を少し調整する
  • 抱っこ散歩やストレッチなど、無理のない活動から始める
  • 水分をこまめにとり、間食は栄養のあるものを選ぶ

これらは一見地味ですが、科学的根拠のある基本です。急激な変化を狙うほど反動が出やすく、リバウンドの原因になります。少しずつ整えて継続できる形にすることが、遠回りのようで近道です。生活習慣だけで難しいと感じたときに、医療という選択肢が加わると考えてください。

6. GLP-1治療で知っておきたい副作用・リスクは?

GLP-1薬には体重減少が期待される一方で、吐き気や便秘などの副作用があり、必ず医師の管理下で使う必要があります。

GLP-1薬には体重減少が期待される一方で、吐き気や便秘などの副作用があり、必ず医師の管理下で使う必要があります。

授乳終了後に治療を検討する際は、期待される効果だけでなくリスクも知っておくことが欠かせません。ウゴービやゼップバウンドは、臨床試験で一定の体重減少が報告されていますが、効果には個人差があります。数値だけを見て「必ず同じように減る」と考えるのは適切ではありません。

主な副作用として、吐き気・下痢・便秘・食欲不振などの消化器症状が知られています。多くは投与初期にあらわれ、少量から段階的に増量することで軽減を図ります。また、糖尿病治療薬と併用すると低血糖のリスクが生じる場合があります。こうした理由から、これらの薬は医師の診察と説明を受け、管理のもとで使用することが前提です。吐き気への対処はGLP-1の吐き気対策も参考になります。

副作用が心配な方こそ、自己判断ではなく医師に相談することが安全です。あなたの既往歴や服用中の薬をふまえて、適応や用量が判断されます。

7. 治療の対象とならない方・注意点は?

20歳未満・BMI27未満・美容目的の方や、特定の糖尿病薬を使用中の方などは、治療の対象になりません。

20歳未満・BMI27未満・美容目的の方や、特定の糖尿病薬を使用中の方などは、治療の対象になりません。

医療ダイエットは誰にでも使えるものではありません。以下に当てはまる方は、スリマルの肥満症治療の対象外となります。

  • 20歳未満の方
  • 初診時のBMIが27未満の方
  • 美容目的・痩身ダイエット目的の方
  • 妊娠中・授乳中の方(本記事の主題です)
  • ビグアナイド系、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など特定の糖尿病用薬剤を使用中の方

また、自動的に対象外とはならなくても、心臓病や脳卒中の既往、腎臓の病気、GLP-1製剤の使用歴などがある方は、医師が慎重に判断します。健康診断でC・D判定の項目がある方も、事前に把握されます。これらは処方を断るためではなく、あなたに安全な選択をしてもらうための確認です。判断に迷うときは、まず医師に相談することをおすすめします。オンラインでの相談の流れは肥満症オンライン診療の相談で確認できます。

8. オンライン診療はどんな流れで受けられる?

授乳終了後に受診を考える場合、LINE登録からZoom診察までオンラインで完結し、通院の負担がありません。

授乳終了後に受診を考える場合、LINE登録からZoom診察までオンラインで完結し、通院の負担がありません。

産後は外出や通院の時間を取りにくいものです。スリマルは自由診療のオンライン診療として、来院せずに医師の診察を受けられる形をとっています。診察はZoomで行い、受付は24時間、診療時間は10:00〜18:30です。登録はLINEアカウントで行います。

流れは、問診への回答、Zoomでの医師の診察、処方が適切と判断された場合の決済・配送という順です。薬は週1回の自己皮下注射で、少量から段階的に増量します。費用は用量によって異なり、たとえばウゴービ0.25mgは月額19,800円(税込)からです。自由診療のため全額自己負担で、1ヶ月分ごとの処方となります。

ここで大切なのは、受診したから必ず処方されるわけではないという点です。授乳が終わっていること、BMIや健康状態などの条件を、医師が診察で確認します。忙しいなかでも、無理なく相談から始められるのがオンライン診療の利点です。ウゴービの効果についてはウゴービの解説もあわせてご覧ください。

「どうしても体重を減らない」と悩んでいませんか?

「治療を始めるべきか」「専門医に相談したいが、どの病院へ行けばよいのか」など、不安な気持ちを抱えていませんか?
症状が急に悪化したり、不安になったりしたときに、すぐに医師に相談できるよう、スリマルを利用して、治療への一歩を踏み出しましょう。

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