スリマル
もっと肥満症を知るなら

肥満と膝の痛みの関係は?減量が変形性膝関節症に与える影響を科学的根拠から解説

肥満と膝の痛みの関係を科学的根拠から解説。体重が膝にかける負荷の仕組み、減量が変形性膝関節症に与える影響、肥満症治療の選択肢と副作用まで無理なく続ける視点で紹介します。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-07-14

最終更新日: 2026-07-14

なぜ体重が増えると膝が痛むのか?

膝は体を支える関節であり、体重の増加がそのまま関節への機械的な負担につながるためです。

膝は体を支える関節であり、体重の増加がそのまま関節への機械的な負担につながるためです。

膝関節は、立つ・歩く・階段を上るといった動作のたびに全身の体重を受け止めています。体重が増えると、その分だけ関節の軟骨や半月板にかかる圧力が高まります。軟骨とは骨の表面を覆うクッションのような組織で、すり減ると骨どうしが直接こすれて痛みが出ます。さらに肥満は関節への物理的負担だけでなく、脂肪組織から出る炎症性の物質を通じて、関節の炎症を進める要因にもなると考えられています。

つまり膝の痛みは、単なる「使いすぎ」ではなく、体重という土台の問題を抱えていることがあります。肥満の背景には食生活や運動不足、加齢による代謝の変化など複数の要因が重なります。詳しくは肥満になる原因もあわせて確認してみてください。

膝にかかる負荷は体重の何倍になるのか?

平地歩行でも膝には体重の約3倍、階段の昇降ではさらに大きな負荷がかかるとされます。

平地歩行でも膝には体重の約3倍、階段の昇降ではさらに大きな負荷がかかるとされます。

私たちが歩くとき、膝には静止時よりも大きな力が加わります。一般に平地の歩行では体重の約3倍、階段の昇り降りではそれ以上の荷重が膝関節にかかると報告されています。体重が70kgの方なら、歩くたびに約200kg前後の力が片方の膝を通過している計算です。

注目したいのは、逆に体重を減らすと負荷が大きく軽くなる点です。ある研究では、体重を約1kg減らすと歩行時に膝へかかる負荷が数kg分軽減されると示されています(Messier SPら, Arthritis & Rheumatism, 2005)。わずかな減量でも膝にとっては大きな意味を持つのです。

変形性膝関節症と体重はどう関係するのか?

肥満は変形性膝関節症の代表的な危険因子であり、体重が重いほど発症・進行のリスクが高まります。

肥満は変形性膝関節症の代表的な危険因子であり、体重が重いほど発症・進行のリスクが高まります。

変形性膝関節症とは、膝の軟骨がすり減り、痛みや変形、動かしにくさが進む病気です。中高年に多く、日本国内の患者数は非常に多いとされています。肥満は、この病気を引き起こし進める要因として広く知られています。日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン2022」でも、変形性関節症は肥満に関連する健康障害の一つとして位置づけられています。

ここで大切なのが「肥満」と「肥満症」の違いです。肥満はBMIが25以上の状態を指し、肥満症は肥満に加えて健康障害を合併し、医学的に減量が必要な病態を指します。膝の痛みがすでにある方は、肥満症の観点から治療を考える対象になりうるといえます。

減量は膝の痛みや進行にどんな影響を与えるのか?

減量は膝への負荷と炎症の両面を減らし、痛みの軽減や進行の抑制につながると考えられています。

減量は膝への負荷と炎症の両面を減らし、痛みの軽減や進行の抑制につながると考えられています。

体重を減らすと、まず物理的な荷重が減ります。前述のとおり、わずかな減量でも歩行時の負荷は大きく軽くなります。加えて、脂肪が減ることで関節周囲の炎症が落ち着くことも期待されます。この二つの効果が重なり、痛みの軽減や動きやすさの改善につながります。

「肥満症診療ガイドライン2022」では、肥満に関連する健康障害の改善を目指すうえで、体重の3〜5%程度の減量でも意義があるとされています。膝症状の改善を狙う場合は、さらに大きな減量が望ましいとする報告もあります。効果には個人差がありますが、減量は膝を守る科学的根拠のあるアプローチだといえます。減量そのものの進め方はGLP-1と食事の関係も参考になります。

何キロ減らせば効果が期待できるのか?

明確な一律の目標はありませんが、現体重の数%の減量から意味のある変化が期待できます。

明確な一律の目標はありませんが、現体重の数%の減量から意味のある変化が期待できます。

「何十キロも痩せないと意味がない」と思い込んで、最初からあきらめていませんか。実際には、現在の体重の3〜5%を減らすだけでも、健康障害の改善が見込めるとされています。体重70kgの方なら約2〜3.5kgにあたります。膝への負荷は体重にほぼ比例するため、この程度の減量でも関節は確実に軽くなります。

  • まずは現体重の3〜5%減を最初の目標にする
  • 半年〜1年かけて無理なく進める
  • 急激な減量より継続できるペースを重視する

短期間で大きく減らすことよりも、体質改善につながる習慣を継続できるかどうかが鍵になります。

無理なく継続できる減量の進め方とは?

食事・運動・生活習慣を少しずつ整え、続けられる方法を選ぶことが遠回りのようで近道です。

食事・運動・生活習慣を少しずつ整え、続けられる方法を選ぶことが遠回りのようで近道です。

減量というと厳しい食事制限を想像しがちですが、膝に痛みがある方は激しい運動が難しい場合もあります。だからこそ、無理なく継続できる方法が重要です。まずは間食や飲料の見直し、たんぱく質をしっかりとる食事など、負担の少ない工夫から始めましょう。膝への負担が少ない水中歩行や自転車も選択肢になります。

  • 食事は極端に減らさず栄養バランスを整える
  • 膝に優しい運動を短時間から取り入れる
  • 睡眠や生活リズムも合わせて見直す

それでも自己流の減量が続かなかった経験があるなら、医療的なサポートを検討する段階かもしれません。食事だけの減量と薬を用いる方法の違いはGLP-1と食事の比較で整理しています。

医療的に減量を進める選択肢とは?

セルフケアで難しい場合、医師の診断のもとで肥満症治療という選択肢があります。

セルフケアで難しい場合、医師の診断のもとで肥満症治療という選択肢があります。

肥満症と診断される場合、医療機関で減量に取り組む方法があります。近年は、食欲や血糖に関わるホルモンに働きかけるGLP-1受容体作動薬などの薬剤が、肥満症治療に用いられています。GLP-1とは、食後に分泌され食欲を抑える働きを持つホルモンの一種です。スリマルでは、ウゴービ(成分名:セマグルチド)とゼップバウンド(成分名:チルゼパチド)を取り扱っています。

なお、スリマルは自由診療のオンライン診療であり、保険適用外で全額自己負担となります。診察はZoomを用いて行い、対面での来院は行っていません。効果には個人差があり、薬はあくまで食事・運動と組み合わせて用いるものです。仕組みの全体像は肥満症治療について、受診の流れはオンライン処方の始め方を参考にしてください。

肥満症治療の対象とならないのはどんな方か?

年齢・BMI・目的・服用中の薬などによって、治療の対象外となる場合があります。

年齢・BMI・目的・服用中の薬などによって、治療の対象外となる場合があります。

肥満症治療は誰でも受けられるわけではありません。スリマルでは、以下に該当する方は処方の対象外となります。ご自身が対象になるかを事前に確認しておきましょう。

  • 20歳未満の方
  • 初診時のBMIが27未満の方
  • 美容目的・痩身ダイエット目的の方
  • ビグアナイド系やSGLT2阻害剤など、特定の糖尿病用薬剤を服用中の方

また、妊娠の可能性がある方や授乳中の方、心臓病・脳卒中・腎臓病などの既往がある方は、自動的に対象外ではないものの、医師の診断が必要です。膝の痛みが強い場合も、まずは整形外科での評価が適切なこともあります。判断に迷うときは、医師に相談してください。

治療の副作用・リスクにはどんなものがあるか?

効果が期待できる一方で、GLP-1受容体作動薬には吐き気などの副作用があり、医師の管理が欠かせません。

効果が期待できる一方で、GLP-1受容体作動薬には吐き気などの副作用があり、医師の管理が欠かせません。

薬による減量には副作用のリスクが伴います。GLP-1受容体作動薬でよく見られる副作用として、吐き気、下痢、便秘、食欲不振などが挙げられます。多くは投与初期にあらわれ、少量から段階的に増やすことで軽減を図ります。まれに、低血糖や膵炎などの重い症状が報告されることもあります。

こうしたリスクがあるため、薬は必ず医師の診察・説明を受けたうえで、その管理のもとで使用します。詳しい副作用はウゴービの副作用でも解説しています。自己判断での個人輸入や使用は、安全性の面から避けるべきです。効果とリスクの両方を理解したうえで、無理なく継続できる減量計画を医師と立てていきましょう。

「どうしても体重を減らない」と悩んでいませんか?

「治療を始めるべきか」「専門医に相談したいが、どの病院へ行けばよいのか」など、不安な気持ちを抱えていませんか?
症状が急に悪化したり、不安になったりしたときに、すぐに医師に相談できるよう、スリマルを利用して、治療への一歩を踏み出しましょう。

LINEで相談する