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肥満症治療薬の新薬・開発中の薬|国内外の承認状況まとめ【2026年11月時点】

BMI27以上で肥満症治療を考える方向けに、ゼップバウンド・ウゴービなど国内承認薬と、海外で承認・開発中の新薬の状況(2026年11月時点)と未承認薬のリスクを整理。治療は医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-11-05

この記事について

この記事は、BMIが27以上で、肥満症治療の新薬の状況を知りたい方に向けたものです。国内で使える薬と、まだ使えない薬を分けて整理します。

「飲み薬の肥満症治療薬が出たらしい」というニュースを見て、気になったのではないですか? 肥満症治療薬の開発はここ数年で大きく進んでいます。 ただし、海外で承認された薬が、すぐ日本で使えるわけではありません。

本記事は、2026年11月時点で公表されている情報をもとにしています。 承認状況は変わるため、内容は定期的に更新します。


国内で承認されている肥満症治療薬(現状)

2026年11月時点で、日本で肥満症の効能をもつ週1回注射薬は、ゼップバウンドとウゴービの2剤です。 どちらも医師の処方が必要な医療用医薬品です。

2つの週1回注射薬の違いは?

項目 ゼップバウンド ウゴービ
成分 チルゼパチド セマグルチド
作用 GIP/GLP-1受容体作動薬 GLP-1受容体作動薬
投与 週1回の皮下注射 週1回の皮下注射
開始用量 2.5mg 0.25mg
肥満症以外の効能 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(2026年5月追加) MASH(2026年6月追加)

GLP-1とGIPは、食事をとると腸から出るホルモンです。 食欲や血糖の調整に関わっています。 どちらの薬も、開始用量から4週間の間隔で段階的に増やします。

肥満症の効能には「食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない」という条件がついています(各電子添文「4. 効能又は効果」)。 薬だけに頼るのではなく、食事と運動を続けることが前提です。

なお、MASH(肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎)と閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、それぞれ別の適応です。 スリマルが処方の対象としているのは肥満症のみです。

そのほかの国内の薬は?

古くからある薬として、飲み薬(内服薬)の食欲抑制薬マジンドール(サノレックス)があります。 対象は高度肥満症(肥満度+70%以上またはBMI35以上)に限られ、投与期間は3ヵ月が限度とされています(サノレックス添付文書)。 スリマルではマジンドールは処方していません。

また、オルリスタット(アライ)が2024年に市販薬として発売されました。 これは「腹部が太めな方の内臓脂肪および腹囲の減少」を目的とした要指導医薬品です(大正製薬)。 肥満症の治療薬とは位置づけが異なります。

「肥満」と「肥満症」は何が違う?

日本肥満学会の定義では、BMI25以上が「肥満」です。 「肥満症」は、肥満に加えて健康障害を合併しているか、その合併が予測される状態を指します。 健康障害とは、2型糖尿病などの耐糖能障害、脂質異常症、高血圧などの11項目です。 医学的に減量が必要な病態であり、見た目の問題とは別のものです。

海外で承認・申請中の薬

ここ1年で、海外では飲み薬タイプの肥満治療薬が承認されました。 いずれも日本では未承認です(2026年11月時点)。

1. ウゴービの経口薬(経口セマグルチド25mg)

  • 米国: 2025年12月にFDA(米国食品医薬品局)が承認
  • 用法: 1日1回の内服
  • 臨床試験: OASIS 4試験(64週)で、全参加者を含む解析の体重減少率は平均13.6%(プラセボ群2.2%)と報告されています(NEJM 2025)
  • 主な副作用: 吐き気・嘔吐・便秘などの消化器症状

日本ではセマグルチドの飲み薬としてリベルサスがあります。 ただし、リベルサスの承認は2型糖尿病のみで、肥満症の効能はありません。

2. オルフォルグリプロン(米国での商品名:Foundayo)

  • 米国: 2026年4月にFDAが承認
  • 特徴: ペプチドではない小さな分子(低分子)のGLP-1受容体作動薬で、食事の有無を問わず1日1回内服します
  • 臨床試験: ATTAIN-1試験(72週)で、最高用量を継続した方の平均体重減少率は12.4%(プラセボ群0.9%)と報告されています
  • 安全性: 米国では、多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)の方などへの使用は禁忌とされています
  • 日本: 2026年2月に肥満症での国内承認申請が報じられています。本記事の時点で、国内承認は確認できていません

もとは中外製薬が創製し、イーライリリーに導出した薬です。 詳しくはオルフォルグリプロンの解説記事をご覧ください。

3. CagriSema(カグリセマ)

  • 成分: アミリン類似薬のカグリリンチドとセマグルチドの配合剤(週1回注射)
  • 米国: 2025年12月にFDAへ承認申請。会社は2026年第4四半期の判断を見込んでいます
  • 現状: 本記事の時点で、承認の可否は確認できていません

アミリンは、すい臓から出て満腹感に関わるホルモンです。

開発中の主な薬(経口GLP-1・トリプルアゴニスト・月1回製剤など)

承認申請の前段階にある薬も、いくつか最終段階の臨床試験(第3相試験)まで進んでいます。 ここで紹介する数値は、すべて開発中の試験データです。 実際の効果や安全性は、今後の審査で評価されます。

3つのホルモンに作用する「トリプルアゴニスト」とは?

レタトルチド(イーライリリー) は、GIP・GLP-1・グルカゴンの3つの受容体に作用する週1回注射薬です。 このような薬は「トリプルアゴニスト」と呼ばれます。

  • 2026年7月、第3相のTRIUMPH-3試験の結果(主要な結果のみの速報)が発表されました
  • 80週時点の体重減少率は、9mgで21.6%、12mgで22.6%(プラセボ群3.2%)と報告されています
  • 一方で、有害事象による中止率は9mg群9.8%、12mg群13.5%で、プラセボ群(4.8%)より高い結果でした
  • 主な副作用は消化器症状です
  • 米国では2027年第1四半期の承認申請が予定されています

数字だけを見ると期待が高まりますが、副作用で治療を続けられない方が一定数いた点も重要です。

月1回の注射薬は実現する?

マリデバート カフラグルチド(MariTide、アムジェン) は、月1回の投与を目指して開発されている注射薬です。

  • 第3相のMARITIME試験群が進行中です
  • 中心となるMARITIME-1試験の主要評価の完了は、2027年1月の予定とされています
  • 日本人の肥満症患者を対象とした試験も登録されています

月1回で済めば、忙しい方でも継続できる選択肢になるかもしれません。 ただし、効果と安全性はまだ確定していません。

開発中の薬の位置づけ(2026年11月時点)

薬剤 タイプ 米国 日本
経口セマグルチド25mg 経口GLP-1 承認済み 未承認
オルフォルグリプロン 経口GLP-1(低分子) 承認済み 申請中と報道
CagriSema アミリン+GLP-1(週1回注射) 審査中 未承認
レタトルチド トリプルアゴニスト(週1回注射) 申請準備中 未承認
MariTide 月1回注射 第3相試験中 未承認

新薬はいつ日本で使えるようになる?

海外で承認された薬でも、日本で使えるようになるまでには、国内での審査などの手続きが必要です。 時期は薬ごとに大きく異なり、事前に予測することはできません。

日本で承認されるまでの3つのステップ

  1. 臨床試験: 必要に応じて日本人のデータを集めます
  2. 承認申請と審査: PMDA(医薬品医療機器総合機構)が有効性・安全性を審査します
  3. 承認: 厚生労働省の審議会を経て、厚生労働大臣が承認します

体格や体質は国や地域によって違います。 そのため、日本人での安全性を確認するための追加データが求められることがあります。

新薬を待つべき?今ある薬を検討すべき?

「もう少し待てば、もっと良い薬が出るのでは」と迷っていませんか? 新薬の承認時期は、どれも確定していません。 肥満症に関連する健康障害がある場合、治療を先延ばしにするかどうかは医師と相談して決めることが大切です。

現在、国内で承認されているゼップバウンドとウゴービには、科学的根拠となる国内外の臨床試験データがあります。 効果には個人差があり、副作用もあります。 自分に合うかどうかは、医師の診察を受けてから判断しましょう。

スリマルで処方している薬と料金は?

スリマルは、医師の診断に基づく肥満症を対象としたオンライン診療です。 処方しているのは、国内で承認されたゼップバウンドとウゴービです。

  • 診療形態: Zoomによるオンライン診療のみ(対面診療は行っていません)
  • 費用: 自由診療のため保険適用外で、全額自己負担です
  • 開始用量の料金(税込・1ヶ月分): ゼップバウンド2.5mg ¥36,410、ウゴービ0.25mg ¥19,800
  • その他: 診察料・配送料は無料。処方は1ヶ月分ずつです

増量後の料金は料金ページでご確認ください。

治療の対象にならない方

次のいずれかに当てはまる方は、スリマルでは処方できません。

  • 20歳未満の方
  • BMIが27未満の方(初診時)
  • 美容目的・痩身ダイエット目的の方
  • 糖尿病の薬(ビグアナイド系、スルホニルウレア剤、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など)の処方を受けている方

妊娠中または妊娠の可能性がある方にも、両剤とも投与しません。 授乳中の方や、心臓病・腎臓病の既往がある方などは、医師が診察で処方の可否を判断します。

未承認薬を使うリスク

国内未承認の薬を個人で入手して使うことは、すすめられません。 健康被害が起きても、公的な救済を受けられない可能性があります。

個人輸入にはどんな危険がある?

  • 偽造品のおそれ: 成分や量が表示と異なる製品が出回っている可能性があります
  • 医師の管理がない: 副作用が出ても、すぐに適切な対応を受けにくくなります
  • 救済制度の対象外: 国内未承認薬は、医薬品副作用被害救済制度の対象になりません

なお、フリマアプリやSNSでの個人間売買、処方薬を他人に譲ることは違法です(厚生労働省)。

糖尿病の薬を減量目的で使うリスクは?

オゼンピック・リベルサス・マンジャロは、日本では2型糖尿病の治療薬として承認されています。 肥満症の効能はありません。 減量目的での使用は承認外の使い方となり、副作用が起きたときの対応に問題が生じるおそれがあります。 糖尿病の患者さんに薬が行き渡らなくなる懸念もあります。

承認済みの薬にもある副作用

GLP-1受容体作動薬には、次のような副作用が報告されています。

  • 吐き気・嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状
  • 低血糖(特に、ほかの血糖を下げる薬と併用する場合)
  • 急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎などの胆道系の病気、腸閉塞(イレウス)(頻度は低いものの重大な副作用)

新薬でも、主な副作用は消化器症状と報告されています。 どの薬を使う場合でも、医師の診断と管理のもとで使うことが欠かせません。

まとめ

  • 国内で肥満症の効能をもつ週1回注射薬は、ゼップバウンドとウゴービの2剤(2026年11月時点)
  • 米国では、飲み薬の経口セマグルチドとオルフォルグリプロンが承認済み。日本では未承認
  • レタトルチド(トリプルアゴニスト)やMariTide(月1回製剤)は開発中で、承認時期は未定
  • 国内未承認薬の個人輸入は、偽造品や救済制度の対象外というリスクがある

新薬の情報は日々更新されています。 本記事の承認状況は2026年11月時点のもので、今後も定期的に見直します。

薬は、食事や運動など生活習慣の見直しを支える手段のひとつです。 無理なく継続できる方法を選ぶことが、長い目で見た体質改善につながります。

BMIが27以上で、自分が肥満症治療の対象になるか気になる方は、まず医師に相談してみてください。 スリマルでは、オンライン診療で医師が治療の適応を判断します。

参考資料

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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