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ウゴービで筋肉が落ちる?治療中の筋トレ・運動のポイント

GLP-1治療中の筋肉量が気になる方へ。ゼップバウンド・ウゴービの臨床試験の体組成データをもとに、筋トレ・有酸素運動・たんぱく質の取り方と注意点を解説。治療を検討中の方は医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-11-05

この記事について

この記事は、BMI 27以上で肥満症治療を考えている方や、すでに治療中の方に向けたものです。GLP-1治療中に筋肉を落とさないための運動と食事を、科学的根拠をもとに整理します。

「薬で体重が減っても、筋肉まで落ちるのでは」と心配していませんか?体重が減るときは、脂肪だけでなく筋肉も一緒に減りやすくなります。これは薬に限らず、食事制限だけのダイエットでも起こることです。

大切なのは、治療中に筋肉を落とさない工夫を続けることです。忙しい方でも無理なく、継続できる方法を紹介します。

なお、スリマルが扱うのは医師の診断に基づく肥満症の治療です。美容目的やダイエット目的の処方は行っていません。

GLP-1治療で筋肉は落ちる?体組成データ

体重が減ると、脂肪と一緒に「除脂肪量」も減ります。ただし、臨床試験の体組成の解析では、減った分の多くは脂肪でした。

除脂肪量とは、体重から脂肪を除いた重さのことです。筋肉のほか、内臓や水分なども含みます。そのため「除脂肪量の減少=すべて筋肉の減少」ではない点に注意してください。

2つの臨床試験で何がわかった?

体の中身はDXA(デキサ)という方法で測られました。弱いX線で脂肪・筋肉などを分けて測る検査です。

試験(薬剤・期間) 脂肪量の変化 除脂肪量の変化
SURMOUNT-1(チルゼパチド5・10・15mg群の合計、72週、160人) 33.9%減(プラセボ8.2%減) 10.9%減(プラセボ2.6%減)
STEP 1(セマグルチド2.4mg、68週、DXA測定の参加者) 19.3%減 9.7%減

出典:Look M, et al. Diabetes Obes Metab. 2025;27:2720-(SURMOUNT-1 DXAサブ解析)/Wilding JPH, et al. N Engl J Med. 2021;384:989-1002(STEP 1)および同試験のDXAサブ解析の学会発表(ENDO 2021)

どちらの試験でも、脂肪の減り方の割合は除脂肪量より大きくなりました。STEP 1では、体全体に占める除脂肪量の割合は3.0ポイント増えています。

一方で、除脂肪量も約1割減っています。これらは一部の参加者を対象にした海外の臨床試験の解析で、結果には個人差があります。だからこそ、治療中は筋肉を守る生活習慣が大切です。

薬だけに頼る治療ではない

両剤の効能には「食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合」という条件があります(各電子添文「効能又は効果」)。薬は食事・運動の代わりではありません。食事・運動と組み合わせて使う治療です。

筋肉量を保つことが大切な理由

筋肉を保つことは、体重を減らした後の体を支えるうえで大切です。理由は主に3つあります。

理由1:基礎代謝を保ちやすい

基礎代謝とは、何もしなくても消費されるエネルギーです。筋肉が減ると、この消費量も下がりやすくなります。治療後のリバウンド(体重の戻り)を防ぐうえでも、筋肉は大切です。

理由2:血糖の調整を助ける

筋肉は、食事でとった糖を取り込む大きな「受け皿」です。筋肉が働くと、インスリンの効きが良くなりやすいといわれます。インスリンとは、血糖値を下げるホルモンです。

理由3:体を動かす力を保つ

30〜50代でも、筋肉は年齢とともに少しずつ減っていきます。体重が減る時期に筋肉も減ると、階段や重い荷物がつらく感じることがあります。日々の動きやすさを保つことが、治療を長く続ける土台になります。筋肉量の減少と肥満が重なった状態については「サルコペニア肥満」でも解説しています。

治療中におすすめの運動(筋トレ・有酸素)

筋トレを週2〜3日、加えて歩く時間を少しずつ増やすのが基本です。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、成人には次の目安が示されています。

  • 筋力トレーニング:週2〜3日
  • 歩行など:1日60分以上(1日約8,000歩以上が目安)
  • 息が弾み汗をかく程度の運動:週60分以上

いきなり全部やる必要はありません。今の生活に10分足すことから始めましょう。

3つの自重トレーニングで始めよう

器具なしで、自宅でできる種目です。1種目10回×2セットから始めます。

  1. スクワット:太もも・お尻など大きな筋肉を使います。椅子に座るように腰を下ろします。
  2. 壁腕立て伏せ:壁に手をつき、胸を近づけます。床での腕立てが難しい方向けです。
  3. ヒップリフト:仰向けで膝を立て、お尻を持ち上げます。腰への負担が少ない種目です。

慣れてきたら、回数やセット数を少しずつ増やします。「少しきつい」と感じる程度が目安です。

有酸素運動は「ながら」で増やす

有酸素運動とは、ウォーキングなど呼吸を続けながら行う運動です。忙しい方は、生活の中に組み込むと継続しやすくなります。

  • 1駅分歩く、エレベーターより階段を使う
  • 昼休みに10分歩く
  • 電話をしながら立って歩く

10分を1日3回でも、合計30分になります。

持病がある方は事前に相談を

心臓病・脳卒中・腎臓病の既往がある方は、運動の強さに注意が必要です。運動を始める前に、医師へ相談してください。

食欲が落ちている時期の運動の注意点

食欲が落ちている時期や増量直後は、運動の強さを下げて体調を優先しましょう。

GLP-1治療薬は、胃の動きをゆっくりにして食欲を抑えます。その一方で、次のような副作用が出ることがあります。

  • 吐き気・嘔吐
  • 下痢・便秘
  • 腹痛・食欲の低下

特に治療の開始時や増量時に起こりやすいとされます。

運動前後に気をつけたい4つのこと

  1. 水分をこまめにとる:下痢や嘔吐で脱水になると、腎臓に負担がかかるおそれがあります。
  2. 空腹のまま激しい運動をしない:めまいやふらつきが出やすくなります。
  3. 体調が悪い日は休む:吐き気が強い日は、軽いストレッチ程度にとどめます。
  4. 異変を感じたらすぐ中止する:冷や汗・手の震え・強い腹痛などがあれば受診してください。

低血糖や重い副作用にも注意

GLP-1治療薬では、低血糖が起こることがあります(特に糖尿病の薬と併用したとき)。また、頻度は高くないものの、急性膵炎、胆嚢炎、イレウス(腸閉塞を含む)などの重大な副作用が電子添文に記載されています。持続する激しい腹痛があるときは、運動を中止して医師に相談してください。

運動は「疲れ切るまで」ではなく「明日も続けられる量」が基準です。

たんぱく質の取り方

食事量が減る治療中こそ、たんぱく質を意識してとることが大切です。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18〜64歳の推奨量は男性65g/日、女性50g/日です。食事量が減ると、この量を下回りやすくなります。

少ない量でもとりやすい工夫

  • 毎食、たんぱく質から先に食べる:卵・魚・肉・豆腐など
  • 1食で全部とろうとしない:3食に分けてとる
  • 少量で多くとれる食品を選ぶ:ギリシャヨーグルト、納豆、ツナ缶など

プロテイン飲料も選択肢の1つです。ただし、プロテインだけでやせるわけではありません。食事の補助として使いましょう。腎臓病がある方は、たんぱく質の量に制限が必要な場合があります。必ず医師に相談してください。

食事の詳しい工夫は「減量中のたんぱく質の取り方」でも紹介しています。

まとめ

  • 海外の臨床試験の体組成解析では、減った体重の多くは脂肪でしたが、除脂肪量も約1割減っていました
  • 筋トレは週2〜3日、歩く時間も少しずつ増やすのが目安です
  • 食欲が落ちている時期は、水分補給と体調を優先しましょう
  • たんぱく質は毎食に分けて、意識してとりましょう

治療中の運動や食事は、体調や持病によって合う方法が異なります。副作用やリスクも含め、医師の診察と説明を受けたうえで進めることが大切です。

スリマルでは、Zoomを使ったオンライン診療で肥満症治療の相談ができます。「自分が治療の対象になるか知りたい」という方は、まずは医師にご相談ください。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

「どうしても体重が減らない」と悩んでいませんか?

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症状が急に悪化したり、不安になったりしたときに、すぐに医師に相談できるよう、スリマルを利用して、治療への一歩を踏み出しましょう。

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