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サルコペニア肥満とは|筋肉が減って脂肪が増える原因と対策

体重は変わらないのに体型が崩れてきた方へ。筋肉が減り脂肪が増える「サルコペニア肥満」の原因とリスク、セルフチェック、筋肉を守る筋トレとたんぱく質のとり方を解説。気になる方は医師に相談を。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-11-05

この記事について

この記事は、体重はあまり変わらないのに体型が崩れてきた方や、減量しても筋肉は落としたくない30〜50代の方に向けています。

「昔と体重は同じなのに、お腹まわりだけ出てきた」。あなたもそう感じたことはないですか? その変化の裏で、筋肉が減って脂肪が増えているかもしれません。この記事では、サルコペニア肥満の基本と、毎日の生活で続けられる対策を順に紹介します。

サルコペニア肥満とは?

サルコペニア肥満とは、筋肉量と筋力が落ちる「サルコペニア」と、脂肪が過剰にたまる「肥満」が同時に起きている状態です。

「サルコペニア」はギリシャ語の「筋肉(sarx)」と「喪失(penia)」を組み合わせた言葉です。加齢などで全身の筋肉量が減り、筋力や身体機能が落ちる状態を指します。

見た目では気づきにくい3つの特徴

  1. 体重が変わらなくても進む:筋肉が減ったぶん脂肪が増えると、体重計の数字は変わりません
  2. BMIが標準でも起こりうる:BMI(体重kg÷身長mの2乗)は筋肉と脂肪を区別できません
  3. 筋力の低下が先に出やすい:ペットボトルのふたが開けにくい、階段がきついといった変化が手がかりになります

2022年には欧州臨床栄養代謝学会(ESPEN)と欧州肥満学会(EASO)が共同で診断の考え方を示しました。そこでは「脂肪が多いこと」と「筋肉の量や働きが落ちていること」の両方を確認するとされています(Donini LM, et al. Clin Nutr. 2022)。日本では、サルコペニア肥満の診断基準はまだ統一されていません。

なお、医学的な「肥満」と「肥満症」は別のものです。日本肥満学会の基準では、BMI25以上を「肥満」と呼びます。そのうち、高血圧や脂質異常症などの健康障害を合併しているか、合併が予測され、医学的に減量が必要な状態を「肥満症」と呼びます(肥満症診療ガイドライン2022)。

なぜ起こる?加齢・運動不足・極端な食事制限

サルコペニア肥満の主な原因は、加齢・運動不足・極端な食事制限の3つです。これらは重なりやすく、互いに悪化させ合います。

1. 加齢による筋肉の減少と代謝の変化

筋肉量は中年期から少しずつ減り始め、年齢とともに減少が進むとされています。筋肉は安静にしていてもエネルギーを使う組織です。筋肉が減ると基礎代謝(何もしなくても消費されるエネルギー)も下がります。若い頃と同じ量を食べていると、エネルギーが余って脂肪として蓄えられやすくなります。

2. デスクワーク中心の運動不足

通勤は車、仕事は座りっぱなし、休日は疲れて横になる。こうした生活では筋肉に刺激が入りません。使われない筋肉は徐々に細くなります。

3. 極端な食事制限によるダイエット

「主食を抜く」「1日1食にする」といった極端な食事制限も原因になります。エネルギーやたんぱく質が足りないと、体は筋肉を分解してエネルギーにあてるからです。 体重は落ちても、筋肉が減ったぶん代謝が下がります。その結果、リバウンドで脂肪が戻りやすくなるという悪循環に陥ります。

脂肪組織から出る炎症性物質が筋肉の合成を妨げる可能性も指摘されています。脂肪の増加と筋肉の減少は、互いに影響し合う関係です。

健康リスク(転倒・糖尿病・心血管疾患)

サルコペニア肥満は、筋肉の不足と脂肪の過剰という2つの負担を同時に抱える状態です。主に次のようなリスクとの関連が報告されています。

転倒・骨折

脚の筋力が落ちる一方で体重は重いままです。そのため体を支えきれず、つまずきや転倒につながりやすくなります。

2型糖尿病などの代謝の異常

骨格筋は、食後に血液中のブドウ糖を取り込む主要な臓器です。筋肉が減るとブドウ糖の行き場が少なくなります。 さらに内臓脂肪が増えると、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」が起こりやすくなります。インスリンは血糖値を下げるホルモンです。この2つが重なると、血糖値が上がりやすい体質になります。

心血管疾患

観察研究では、サルコペニア肥満がある人は、肥満のみの人やサルコペニアのみの人より心血管疾患との関連が強いという報告があります。ただし研究によって結果はさまざまです。今後の研究の積み重ねが待たれています。

いずれも「すぐに病気になる」という意味ではありません。早めに気づいて生活を見直すことに意味がある、と考えてください。

セルフチェックと診断の目安

自宅でできる簡単なチェックで、筋肉と脂肪のバランスの「目安」がわかります。ただし診断は医療機関で体組成や筋力を測って行うものです。

4つのセルフチェック

チェック項目 目安
① 腹囲(へその高さ) 男性85cm以上、女性90cm以上(日本のメタボリックシンドローム診断基準)
② ふくらはぎ周囲長 男性34cm未満、女性33cm未満で筋肉量の低下を疑う(AWGS 2025)
③ 指輪っかテスト 両手の親指と人差し指で作った輪で、ふくらはぎの一番太い部分を囲む。すき間ができれば筋肉量の低下を疑う
④ 握力 65歳以上は男性28kg未満・女性18kg未満、50〜64歳は男性34kg未満・女性20kg未満(AWGS 2025)

①が当てはまり、②〜④のどれかにも当てはまる場合は、筋肉と脂肪のバランスを見直すきっかけにしてください。

AWGSは、アジアのサルコペニアワーキンググループが示すサルコペニアの基準で、2025年に改訂されました(AWGS 2025。日本サルコペニア・フレイル学会も使用を推奨)。主に50歳以上を想定しているため、30〜40代の方は「傾向をつかむ目安」として使ってください。

医療機関で行われる評価の例

  • 体組成の測定:DXA法(弱いX線で測る方法)や生体電気インピーダンス法(微弱な電流で測る方法)で、筋肉量と脂肪量を分けて測ります
  • 筋力・身体機能の測定:握力や歩く速さなどを測ります
  • 血液検査:血糖・脂質などから、合併している健康障害を確認します

対策:筋トレとたんぱく質

対策の柱は、筋トレで筋肉に刺激を入れることと、材料となるたんぱく質を十分にとることです。どちらか一方より、組み合わせるほうが効果的と考えられています。

筋トレは「週2〜3日」から

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に週2〜3日の筋力トレーニングをすすめています。ジムに通わなくても、自宅で次の3種目から始められます。

  1. スクワット:太ももとお尻を鍛える基本種目。10回×2〜3セット
  2. 椅子からの立ち上がり:スクワットが難しい方向け。ゆっくり10回
  3. かかと上げ:ふくらはぎを鍛えます。歯みがき中にもできます

大切なのは、少しきついと感じる強さを、無理なく継続できるペースで続けることです。膝や腰に痛みがある方は、主治医に相談してから始めてください。

たんぱく質は「毎食」とる

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人のたんぱく質の推奨量を男性65g/日、女性50g/日としています(18〜64歳)。 サルコペニア診療ガイドライン2017年版では、適正体重1kgあたり1日1.0g以上のたんぱく質摂取が、サルコペニアの予防に有効である可能性が示されています。

朝食はパンとコーヒーだけ、という方は多いのではないでしょうか。1食に偏らず、3食に分けてとるのがポイントです。

  • 朝:卵、納豆、ヨーグルトを1品足す
  • 昼:主菜に肉・魚・大豆製品を選ぶ
  • 夜:魚や鶏むね肉、豆腐を主菜にする

腎臓の病気がある方は、たんぱく質を制限すべき場合があります。必ず主治医の指示に従ってください。

減量するときの注意(筋肉を落とさない)

減量の目標は「体重を落とすこと」ではなく、筋肉を保ちながら脂肪を減らすことです。

筋肉を守る3つのポイント

  1. 極端な食事制限をしない:急な減量ほど、脂肪と一緒に筋肉も失われやすくなります
  2. 減量中こそたんぱく質と筋トレを続ける:食事の量を減らしても、たんぱく質は削りすぎないようにします
  3. 体重だけでなく体組成も見る:体組成計で筋肉量の推移を確認し、腹囲も一緒に記録します

薬物治療で減量するときも同じ考え方で

医師の診断に基づく肥満症の治療では、GLP-1受容体作動薬などの薬が使われることがあります。GLP-1は、食欲や血糖値の調整に関わるホルモンです。日本で肥満症の効能をもつ注射薬には、ゼップバウンド(チルゼパチド)とウゴービ(セマグルチド)があります。 どちらも週1回の自己皮下注射です。電子添文では、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合に使うと定められています。

一般に、体重が減ると脂肪だけでなく筋肉などの「除脂肪量」も一部減ることが知られています。そのため、薬を使う場合も食事療法・運動療法を続けることが前提です。効果には個人差があります。治療中の運動の考え方はウゴービで筋肉が落ちる?も参考にしてください。

副作用として、吐き気、下痢、便秘、嘔吐などの胃腸症状がよく報告されています。重大な副作用としては、低血糖(特に他の糖尿病薬と併用した場合)、急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎などが電子添文に記載されています。必ず医師の診断・管理のもとで使用してください。

なお、オゼンピック・リベルサス・マンジャロは2型糖尿病の治療薬で、肥満症への適応はありません。減量目的での使用はすすめられません。また、フリマアプリやSNSでの処方薬の個人間売買や、他人への譲渡は違法です。

医療機関への相談

次のような方は、自己流で続けるより医師に相談することをおすすめします。

  • セルフチェックで複数の項目に当てはまった
  • 健康診断で血糖・脂質・血圧の数値を指摘されている
  • 食事と運動を続けても、体重や腹囲が改善しない

オンライン診療という選択肢

仕事や家事で忙しい方には、オンライン診療という方法もあります。スリマルは、株式会社MICINが運営する肥満症のオンライン診療サービスです。Zoomでの診察のみで、対面診療は行っていません。

  • 対象:20歳以上、BMI27以上で、医師の診断に基づく肥満症に該当する方
  • 対象外:20歳未満の方、BMI27未満の方、美容目的・痩身ダイエット目的の方、糖尿病の治療薬(ビグアナイド系、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など)を処方されている方
  • 投与できない方:妊娠中または妊娠の可能性がある方など、電子添文で投与しないとされている方
  • 医師の判断が必要な方:授乳中の方や、心臓病・腎臓病などの既往がある方は、診察で処方の可否を判断します

自由診療のため保険は適用されず、全額自己負担です。料金(税込・1ヶ月分)は、ゼップバウンド2.5mgが36,410円から、ウゴービ0.25mgが19,800円からです。用量によって料金は変わります。診察料・配送料は無料です。

サルコペニア肥満の対策は、筋肉と脂肪のバランスを整える体質改善です。まずはセルフチェックで今の体を確かめましょう。気になる点があれば、医師に一度相談してみてください。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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症状が急に悪化したり、不安になったりしたときに、すぐに医師に相談できるよう、スリマルを利用して、治療への一歩を踏み出しましょう。

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