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ゼップバウンド・ウゴービの下痢・胸焼け・ゲップ|原因と対処

ゼップバウンド・ウゴービで起こる下痢・胸焼け・ゲップ・お腹の張りの原因と対処法、脱水の防ぎ方、市販薬を使う前の注意点、すぐ受診が必要な腹痛のサインをまとめました。迷ったら医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-11-05

この記事について

この記事は、ゼップバウンドやウゴービで肥満症治療を始めた方、またはこれから始める方に向けたものです。下痢や胸焼け、ゲップ、お腹の張りが出たときの考え方と対処をまとめました。

注射を始めてから、お腹の調子が気になっていませんか? こうした胃腸症状は、薬の働きと関係しています。仕組みを知り、早めに手を打てば、治療を無理なく続けやすくなります。

なお、吐き気については「GLP-1の副作用で吐き気が起きるのはなぜ?」で、便秘については「GLP-1薬で便秘になるのはなぜ?」で詳しく説明しています。この記事ではそれ以外の胃腸症状を扱います。

先に確認しておきたい前提

  • ゼップバウンド(チルゼパチド)とウゴービ(セマグルチド)は、医師の診断に基づく 肥満症 の治療薬です
  • 「肥満」はBMI25以上の状態を指します。「肥満症」は、肥満に高血圧や脂質異常症などの健康障害が合併している(または合併が予測される)状態のうち、医学的に減量が必要な病態です(日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」)
  • 両剤とも週1回の自己注射です。ゼップバウンドは2.5mg、ウゴービは0.25mgから始め、4週間の間隔で段階的に増量します(各電子添文)
  • 効果にも副作用にも個人差があります

なぜ胃腸症状が出やすいの?

主な理由は、薬が 胃の中身を腸へ送り出すスピードを遅らせる ことにあります。これを「胃排出の遅延」と呼びます。

ゼップバウンドはGIPとGLP-1、ウゴービはGLP-1という、腸から出るホルモンに似た働きをします。GLP-1には、食べ物が胃にとどまる時間を長くする作用があります。そのため満腹感が続きやすい一方で、消化管にはいつもと違う負担がかかります。

その結果、次のような症状が出ることがあります。

  • 胃に食べ物が長く残る → 胸焼け・胃もたれ・ゲップ
  • 腸の動きのリズムが変わる → 下痢、または便秘
  • 消化に時間がかかる → お腹のガス・張り

両剤の電子添文では、吐き気・下痢・便秘などの胃腸障害が主な副作用として記載されています。この記事で扱う症状の頻度区分は次のとおりです。

症状(電子添文の用語) ゼップバウンド ウゴービ
下痢 5%以上 5%以上
胸焼け(胃食道逆流性疾患) 1〜5%未満 1〜5%未満
ゲップ(おくび) 1〜5%未満 5%以上
お腹の張り(腹部膨満) 1〜5%未満 5%以上
おなら・ガス(鼓腸) 1〜5%未満 1〜5%未満

出典:ゼップバウンド電子添文(2026年9月改訂 第6版)、ウゴービ電子添文(2026年6月改訂 第7版)「11.2 その他の副作用」(PMDA)

症状は、投与を始めたときや増量したとき に出やすいとされています。 症状がつらいときは、自己判断で量を変えずに医師に伝えてください。ウゴービの電子添文には、胃腸障害などで続けにくい場合は減量や増量の延期を検討することが書かれています。用量の調整は医師が判断します。

また、胃排出が遅れると、同時に飲む内服薬の吸収に影響することがあります。ゼップバウンドの電子添文では、経口避妊薬の効果を弱めるおそれや、ワルファリンなど治療域の狭い飲み薬との併用に注意するよう記載されています。飲んでいる薬は、必ず診察で申告してください。

下痢・水下痢のときは何をすればいい?

最優先は 水分と塩分を補い、脱水を防ぐこと です。下痢そのものより、脱水のほうが体への影響が大きくなりやすいためです。

両剤の電子添文では、下痢や嘔吐などで脱水になり、急性腎障害(腎臓の働きが急に落ちる状態)に至るおそれがあることが注意喚起されています。

水分補給の3つのポイント

  1. 経口補水液を少しずつ飲む:水やお茶だけでは塩分が足りません。一度に大量に飲まず、こまめに口にしましょう
  2. 冷たすぎる飲み物は避ける:常温〜ぬるめのほうが腸を刺激しにくくなります
  3. アルコールは控える:アルコールは利尿作用があり、脱水を進めます

食事で気をつけたいこと

  • 脂っこい料理や揚げ物は控えめにする
  • 食物繊維の多い生野菜や豆類は、症状が落ち着くまで量を減らす
  • おかゆ、うどん、バナナなど、消化のよいものを少量ずつ食べる
  • 人工甘味料(ソルビトールなど糖アルコール)入りのガムや菓子を避ける
  • カフェインの多い飲み物を減らす

食欲が落ちる時期でもあるため、「少量を回数多く」を意識すると胃腸の負担を減らせます。

脱水のサインを見逃さない

次のような変化があれば、脱水が進んでいる可能性があります。

  • 尿の回数・量が明らかに減った
  • 尿の色が濃い
  • 口や喉が強く渇く
  • 立ちくらみ、めまい、だるさがある

水分が取れない、下痢や嘔吐が続く といった場合は、次の注射の前に医師へ相談してください。

胸焼け・逆流・ゲップにはどう対処する?

ポイントは 胃にためこまない食べ方と姿勢 です。胃に食べ物が長く残ると、胃の中の圧が上がります。その結果、胃酸が食道へ逆流しやすくなり、胸焼けやゲップにつながります。

今日からできる5つの工夫

  1. 1回の食事量を減らす:腹八分目より少し手前で止めるのが目安です
  2. ゆっくりよく噛む:早食いは空気を一緒に飲み込み、ゲップの原因になります
  3. 食後2〜3時間は横にならない:寝る直前の食事は避けましょう
  4. 寝るときは上半身を少し高くする:枕やクッションで傾斜をつけると逆流しにくくなります
  5. 刺激物を控える:脂っこい食事、香辛料、炭酸飲料、アルコール、コーヒーなどは症状を悪化させることがあります

炭酸飲料は胃をふくらませ、ゲップを増やしやすい飲み物です。水分補給には炭酸の入っていない飲み物を選ぶと安心です。

こんなときは医師へ

  • 胸焼けが毎日続き、生活に支障がある
  • 飲み込むときにつかえる感じや痛みがある
  • 胸の痛みが強い、または息苦しさを伴う

胸の痛みは心臓の病気のサインのこともあります。「いつもの胸焼け」と決めつけず、強い痛みがあればすぐに医療機関を受診してください。

お腹のガス・張りにはどうすればいい?

ガスを作りやすい食品と、空気の飲み込みを減らすこと が基本です。消化に時間がかかると、腸内で発酵が進んでガスが増えることがあります。

ガスを増やしやすいもの

  • 炭酸飲料
  • 豆類、キャベツ・ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜
  • 糖アルコール入りの食品(シュガーレスのガム・菓子など)
  • 一部の方では乳製品(乳糖でお腹が張りやすい場合)

すべてを避ける必要はありません。張りを感じた日の食事をメモしておくと、自分に合わない食品が見つかりやすくなります。

張りをやわらげる習慣

  • 食後に10〜15分ほど軽く歩く
  • ストローやガムなど、空気を飲み込みやすい習慣を減らす
  • 決まった時間に食事をとり、腸のリズムを整える

軽い運動は、食事療法・運動療法を土台とする肥満症治療とも相性がよい習慣です。薬だけに頼らず、生活習慣とあわせて体質改善を目指すことが、継続できる治療につながります。

ただし、お腹が強く張って排便・排ガスが止まっている 場合は、後で説明する腸閉塞のサインかもしれません。セルフケアで様子を見ず、受診を優先してください。

市販薬を使う前に確認したい4つのこと

胃腸症状には、市販の下痢止めや胃薬が使える場面もあります。ただし、自己判断で使う前に次の点を確認してください。

1. 下痢止めは「出してよい下痢か」を考える

発熱や血便がある下痢は、感染症など別の原因の可能性があります。この場合、下痢止めで便を止めると、かえって回復を遅らせるおそれがあります。 また、下痢止めを飲みすぎると、今度は便秘に傾くことがあります。

2. 薬剤師・医師に「GLP-1系の注射薬を使っている」と伝える

市販薬を購入するときは、ゼップバウンドやウゴービを使っていることを薬剤師に伝えましょう。胃排出が遅れるため、ほかの飲み薬の吸収に影響することがあります。

3. 胃薬・制酸薬の飲み合わせを確認する

胃酸を中和する薬の中には、ほかの内服薬の吸収に影響するものがあります。持病の薬を飲んでいる方は、服用のタイミングを薬剤師に確認してください。

4. 市販薬で症状を「隠さない」

市販薬で症状を抑えながら注射を続けると、医師が副作用の程度を把握しにくくなります。症状が続く場合や強い場合は、薬の量や治療方針を見直す必要があるかもしれません。診察時に症状と使った市販薬を伝えてください。

糖尿病の薬を減量目的で使うのは避けて

オゼンピック、リベルサス、マンジャロは2型糖尿病の治療薬で、肥満症の適応はありません。減量目的で使うと、副作用が出たときに適切な管理を受けにくくなります。医薬品副作用被害救済制度の対象外になるおそれもあります。

すぐ受診すべき腹痛とは?膵炎・胆嚢炎・腸閉塞の3つのサイン

「いつもと違う強い腹痛」は、投与を中止して医療機関を受診するサイン です。両剤の電子添文では、次のような重い副作用への注意が記載されています。

疑われる病気 注意したい症状
急性膵炎 嘔吐を伴う、持続的な激しい腹痛(みぞおちから背中に広がることがある)
胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸 右上腹部の痛み、発熱、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
イレウス(腸閉塞を含む) 高度の便秘、お腹の強い張り、持続する腹痛、嘔吐

受診の目安

  • 痛みが強く、時間がたっても治まらない
  • 嘔吐を繰り返す
  • 発熱や黄疸がある
  • 便もガスも出ず、お腹がパンパンに張っている

これらに当てはまる場合は、次の注射をせず、すぐに近くの医療機関や救急を受診 してください。受診先には、ゼップバウンドまたはウゴービを使っていることを伝えましょう。

オンライン診療の予約を待つ必要はありません。緊急性の高い症状は、対面で検査を受けられる医療機関を優先してください。

治療を検討している方へ:対象と費用は?

スリマルは、医師の診断に基づく肥満症を対象とした オンライン診療(自由診療) です。診察はZoomで行い、対面診療・保険診療は行っていません。

治療の対象

  • 20歳以上
  • BMI 27以上
  • 医師の診断で肥満症に該当する方

対象外となる方

  • 20歳未満の方
  • BMI 27未満の方
  • 美容目的・痩身ダイエット目的の方
  • ビグアナイド系、SU剤、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など、糖尿病の薬の処方を受けている方

また、妊娠中または妊娠の可能性がある方は、電子添文で投与しないこととされています。授乳中の方、心臓病・腎臓病の既往がある方などは、医師が診察で処方の可否を判断します。

費用(税込・1ヶ月分)

薬剤 開始用量の料金
ゼップバウンド 2.5mg ¥36,410
ウゴービ 0.25mg ¥19,800

自由診療のため保険適用外で、全額自己負担です。増量すると料金も上がります。診察料・配送料は無料です(2026年5月時点、slimaru.jp/price)。

まとめ:胃腸症状と上手につき合うには?

  • 胃腸症状の主な原因は、薬が胃排出を遅らせることにあります
  • 下痢のときは、経口補水液で水分と塩分を補い、脱水を防ぎましょう
  • 胸焼け・ゲップには、少量ずつゆっくり食べ、食後すぐ横にならない工夫を試しましょう
  • ガス・張りには、炭酸飲料や糖アルコールを控え、食後に軽く歩く習慣を取り入れましょう
  • 市販薬を使うときは、注射薬を使用中であることを薬剤師に伝えましょう
  • 激しい腹痛・嘔吐・黄疸・お腹の強い張りは、すぐ受診すべきサインです

体重の変化にも副作用の出方にも個人差があります。治療を無理なく続けるには、つらい症状を我慢せず相談することが大切です。

胃腸症状が気になる方、治療を始めるべきか迷っている方は、まず医師に相談してみてください。オンライン診察で、あなたの体の状態に合った進め方を一緒に考えます。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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