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医療ダイエット・痩せ薬は危険?健康被害と契約トラブルの注意点

肥満症治療を考える方へ。医療ダイエット・痩せ薬の副作用、美容目的や適応外使用の問題、個人輸入・契約トラブル、安全な医療機関の見分け方を電子添文など公的情報で解説します。不安な方は医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-11-05

この記事について

「医療ダイエットって本当に安全なの?」と不安になっていませんか? SNSの広告で「注射で痩せる」と見かけ、気になっている方も多いはずです。

この記事は、BMIが27以上で医療機関での肥満症治療を考えていて、そのリスクを先に知りたい方に向けて書いています。 医療ダイエットの危険性は、薬そのものの副作用だけではありません。 「誰が・何の目的で・どこで処方を受けるか」によって、リスクは大きく変わります。

医療ダイエットに使われる「GLP-1受容体作動薬」は、食欲を抑えるホルモンに似た働きをする注射薬です。 日本では、ゼップバウンド(チルゼパチド)とウゴービ(セマグルチド)が肥満症の治療薬として承認されています。 ただし対象は、医師の診断に基づく「肥満症」の方です。 「肥満」は脂肪が多くたまった状態(BMI25以上)を指します。 「肥満症」は、肥満が原因で高血圧などの健康障害がある、または起こりそうなため、医学的に減量が必要な状態を指します。

医療ダイエットで起こりうる健康被害(消化器症状・低血糖・急性膵炎など)

GLP-1受容体作動薬には、効果とあわせて副作用のリスクがあります。 体重が減る効果には個人差があり、全員に同じ結果が出るわけではありません。

1. 多くの人に起こりやすい消化器症状

各製剤の電子添文(医療用医薬品の公式な説明文書)では、次の症状がよくみられる副作用とされています。

  • 吐き気(悪心)・嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 腹痛・食欲の低下

量を少しずつ増やしていく途中で出やすい症状です。 下痢や嘔吐が続くと脱水になり、急性腎障害につながるおそれもあると電子添文に記載されています。 そのため、どちらの薬も少ない量から4週間ずつ段階的に増やします。

2. 注意が必要な「重大な副作用」

電子添文には、頻度は低いものの重い副作用も書かれています。

  • 低血糖: 血糖値が下がりすぎて、冷や汗・ふるえ・強い空腹感などが出る状態。糖尿病の薬を一緒に使っていると起こりやすくなります
  • 急性膵炎: 膵臓に急な炎症が起こる病気。嘔吐をともなう激しい腹痛が続く場合は、使用をやめてすぐに医師に相談します
  • 胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸: 胆のうや胆汁の通り道の病気。右上腹部の痛み、発熱、皮膚や白目が黄色くなるなどの症状が出ます
  • イレウス(腸閉塞を含む): 高度の便秘、お腹の張り、持続する腹痛、嘔吐などが出ます
  • アナフィラキシー・血管性浮腫(ゼップバウンド): じんましん、息苦しさ、顔や唇の腫れなどが出ます

これらは、医師の診察と経過観察があってこそ早く気づける症状です。 自己判断で使い続けることこそが、医療ダイエットの一番の危険といえます。

BMIが低い人・美容目的での使用が問題視される理由(学会の見解・声明)

肥満症ではない方が、美容や「あと数kgだけ痩せたい」という目的でこれらの薬を使うことは勧められていません。

日本糖尿病学会は2023年11月の見解で、2型糖尿病の治療薬であるGLP-1受容体作動薬などを、美容・痩身・ダイエット目的で自由診療で処方する広告に注意を呼びかけました(日本糖尿病学会の見解)。日本肥満学会も2026年10月、適応外の減量目的での使用が増えているとして、安全な減量方法を選ぶよう呼びかける声明を学術集会で発表しています。

問題とされている主な点は次の3つです。

  1. 安全性・有効性が確かめられていない: 承認された病気以外の目的で使った場合の安全性と有効性は確認されていません(製造販売元によるお知らせ(PMDA掲載))
  2. 副作用の出方が違う可能性: 日本肥満学会の声明では、肥満症や糖尿病ではない人が使うと、副作用の種類や頻度、重症度が通常の使用と異なる可能性があると指摘されています
  3. 過度な食事制限との組み合わせ: 同じ声明は、過度な食事制限をしながらこれらの薬を使うことを避けるよう呼びかけています

電子添文でも、肥満症への使用は条件付きです。 高血圧・脂質異常症・2型糖尿病(ゼップバウンドは耐糖能異常などを含む耐糖能障害)のいずれかがあり、食事療法や運動療法で十分な効果が得られないことが前提になります。 そのうえで「BMI27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上」または「BMI35以上」が対象とされています。

スリマルでも、次に当てはまる方には処方していません。

  • 20歳未満の方
  • 初診時のBMIが27未満の方
  • 美容目的・痩身ダイエット目的の方
  • 糖尿病の薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など)の処方を受けている方

また、妊娠中や妊娠の可能性がある方は、どちらの薬も電子添文上で使用しないこととされています。

糖尿病治療薬の適応外使用と供給への影響

医療ダイエットでは、糖尿病の治療薬が痩せる目的で処方されることがあります。 承認された病気以外に薬を使うことを「適応外使用」と呼びます。

たとえば、次の薬は2型糖尿病の治療薬として承認されています。 いずれも肥満症の治療薬ではありません。

  • マンジャロ(チルゼパチド)
  • オゼンピック(セマグルチド)
  • リベルサス(セマグルチドの飲み薬)

適応外使用には、主に2つの問題があります。

1つめは、体への影響です。 承認されていない使い方なので、効果も安全性も十分に確かめられていません。 後で説明する医薬品副作用被害救済制度の対象外になることもあります。

2つめは、社会への影響です。 2023年には需要が供給を上回り、複数のGLP-1受容体作動薬が限定出荷になりました。 厚生労働省は「GLP-1受容体作動薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」を事務連絡として出しています(日本糖尿病学会の見解より)。 適応外の使用が増えると、本当に必要な糖尿病の患者さんに薬が届かないおそれがあるのです。

薬ごとの詳しいリスクは、次の記事で解説しています。

個人輸入のリスクと、個人間の売買・譲渡が違法であること

「海外から安く買えるなら…」と考えたことはありませんか? 個人輸入には、価格だけでは見えないリスクがあります。

個人輸入で起こりうる3つのリスク

  1. 偽造品・品質不良: 中身が違う、成分量が表示と違うといった製品が出回っているおそれがあります
  2. 健康被害への対応が遅れる: 医師の診察がないため、副作用が出ても気づきにくくなります
  3. 公的な救済を受けられない: 個人輸入した医薬品は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です

本人が使う目的で決められた数量内であれば、個人輸入そのものは違法ではありません。 ただし、上のリスクはすべて自分で負うことになります。

フリマアプリ・SNSでの売買や譲渡は違法

フリマアプリやSNSなどで処方薬を個人間で売り買いすることは、違法です。 家族や友人であっても、処方された薬を他人に譲ることも違法です。 詳しくは厚生労働省の解説ページを確認してください。

契約トラブルの事例(無料モニター・高額コース・解約)と相談窓口

医療ダイエットの危険性は、体への影響だけではありません。 お金と契約のトラブルにも注意が必要です。

よくある3つのトラブルの例

  1. 無料モニターのはずが高額請求: 「モニターなら無料」と言われて受診したら、高額な契約をすすめられた
  2. 複数月のまとめ契約: 数か月分の一括払いを契約したが、副作用で続けられなくなった
  3. 解約・返金に応じてもらえない: やめたいと伝えても、返金されない、または高い解約料を請求された

契約の前に、次の点を確かめましょう。

  • 総額はいくらか(診察料・配送料・薬代の内訳)
  • 途中でやめた場合の扱い
  • その場で契約を急がされていないか

契約の内容や金額によっては、特定商取引法のクーリング・オフや中途解約の対象になる場合があります。 困ったときは、一人で抱え込まずに次の窓口へ相談してください。

  • 消費者ホットライン「188」(最寄りの消費生活センターにつながります)

安全な医療機関を見分けるチェックポイント

医療ダイエットを安全に続けるために、医療機関選びで確かめたい点を7つにまとめました。

  1. 医師の診察(ビデオ通話を含む)を受けてから処方される
  2. 承認された薬を、承認された病気(肥満症)に使う
  3. BMIや健康障害の有無を確かめ、対象外の人には処方しない
  4. 効果だけでなく、副作用やリスクも説明している
  5. 料金が総額で明示され、自由診療(全額自己負担)であることが分かる
  6. 「必ず痩せる」など効果を約束する宣伝をしていない
  7. 副作用が出たときの連絡先がはっきりしている

参考までに、スリマルの運用は次のとおりです。

  • 肥満症のオンライン診療のみ(対面診療は行っていません)
  • 自由診療のみ(保険診療は行っていないため、全額自己負担)
  • 診察はZoomのビデオ通話で行い、医師が処方の可否を判断
  • 1か月分ずつの処方で、定期購入や複数月のパッケージはありません
  • 診察料・配送料は無料

初回の量の薬代(税込)は次のとおりです。

薬 初回の量 料金(税込)
ゼップバウンド 2.5mg ¥36,410
ウゴービ 0.25mg ¥19,800

量を増やすと料金も変わります。 詳しくは料金ページを確認してください。

副作用が出たときの相談先と医薬品副作用被害救済制度

薬を使っていて体調に異変を感じたら、まずは処方した医師に相談してください。 特に次の症状は、早めの対応が必要です。

  • 嘔吐をともなう激しい腹痛が続く
  • 冷や汗・ふるえ・意識がぼんやりするなどの低血糖の症状
  • 下痢や嘔吐が続き、水分がとれない
  • じんましん・息苦しさなどのアレルギー症状

症状が重い場合は、ためらわず救急医療機関を受診しましょう。

医薬品副作用被害救済制度とは?

医薬品を正しく使ったのに、入院が必要なほどの健康被害が出た場合に、医療費などが給付される公的な制度です。 窓口はPMDA(医薬品医療機器総合機構)です。

ただし、次のような場合は対象外となることがあります。

  • 個人輸入した医薬品を使った場合
  • 承認された使い方から外れた使い方(適応外使用など)をした場合

「正しく使う」ことは、もしものときに自分を守ることにもつながります。 くわしくはPMDAの救済制度のページで確認できます。

まとめ:医療ダイエットの危険性は「正しい使い方」で減らせる

医療ダイエットの危険性は、主に次の3つに分けられます。

  • 副作用による健康被害(消化器症状・低血糖・急性膵炎など)
  • 美容目的や適応外使用、個人輸入による安全性の問題
  • 高額契約や解約をめぐる契約トラブル

GLP-1受容体作動薬は、科学的根拠に基づいて承認された肥満症の治療薬です。 ただし、効果にも副作用にも個人差があります。 医師の診断と管理のもとで使うことが、安全への第一歩です。

食事や運動を続けてきたのに減量がうまくいかず、BMIが27以上で健康診断の結果も気になる。 そんな方は、自分が肥満症治療の対象になるかを一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。 無理なく継続できる方法を、医師と一緒に考えていきましょう。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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症状が急に悪化したり、不安になったりしたときに、すぐに医師に相談できるよう、スリマルを利用して、治療への一歩を踏み出しましょう。

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