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ゼップバウンド使用中の手術・胃カメラ・健康診断|休薬と伝えるべきこと

ゼップバウンド・ウゴービで肥満症治療中に手術・胃カメラ・健康診断を受ける方へ。誤嚥リスクの理由、事前に伝えること、休薬の考え方、検査値への影響を電子添文と学会指針で解説。休薬は医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-11-05

この記事について

この記事は、肥満症の治療でゼップバウンド(チルゼパチド)やウゴービ(セマグルチド)を使っている方向けです。手術や胃カメラ、健康診断の予定がある方に、事前に知っておきたいことをまとめました。

「来月胃カメラがあるけど、注射はいつも通り打っていいの?」 あなたもそんな疑問を持ったことはありませんか?

ゼップバウンドやウゴービには、胃の中の食べ物が腸へ送られる速さを遅くする作用があります。この作用が、麻酔や内視鏡(胃カメラ)の安全性に関わることがあります。 大切なのは、自己判断で休まないことです。検査・手術をする施設に「使っている」と伝えることから始めてください。


胃の内容物が残りやすく麻酔・内視鏡で注意が必要な理由

一番の理由は、絶食時間を守っても胃に食べ物が残っている場合があることです。

胃内容排出遅延とは?

ゼップバウンドは「GIP/GLP-1受容体作動薬」です。食後に腸から出るホルモンと同じように働きます。ウゴービは「GLP-1受容体作動薬」です。 これらの薬には胃内容排出遅延(いないようはいしゅつちえん)を起こす作用があります。胃の中身が腸へ移るのがゆっくりになるということです。 満腹感が続きやすいのはこの作用によるものですが、検査や手術のときは注意が必要になります。

なぜ麻酔で問題になるのか?

全身麻酔や深い鎮静(眠くなる薬)を使うと、のどの反射が弱まります。 このとき胃に食べ物が残っていると、逆流して気管に入るおそれがあります。これを誤嚥(ごえん)といい、肺炎の原因になります。

日本の電子添文にも、この注意が書かれています。GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬を使っている方で、術前の絶食指示を守ったのに全身麻酔または深い鎮静のもとで誤嚥が起きた例が報告されていること、本剤には胃内容排出遅延作用があり胃の内容物が残るリスクが高まるおそれがあることが記載されています(ゼップバウンド 9.1.6、ウゴービ 9.1.5)。

米国麻酔科学会(ASA)も2023年、GLP-1受容体作動薬の使用者について術前の注意をまとめた指針を公表しています。

胃カメラでも影響する?

胃カメラでは、胃に食べ物が残っていると粘膜がよく見えません。 観察が不十分になり、検査をやり直すことになる場合もあります。鎮静剤を使う胃カメラでは、誤嚥への注意も必要です。

手術・胃カメラ・バリウム検査の前に伝えること

予約した時点で、次の4つを施設に伝えておきましょう。

伝えるべき4つの情報

  1. 薬の名前:「ゼップバウンド」または「ウゴービ」
  2. 今の用量:例「ゼップバウンド 5mg」
  3. 最後に注射した日と、いつも打つ曜日
  4. 最近の胃腸の症状:吐き気、嘔吐、腹部の張り、便秘など

用量を増やしている途中や、増やした直後は胃腸の症状が出やすい時期です。症状があるときは必ず伝えてください。

「GLP-1」と伝えるだけで通じる?

薬の名前で伝えるのが確実です。 お薬手帳に記録するか、注射の箱や注入器を写真に撮っておくと伝え漏れを防げます。 オンライン診療で処方を受けている場合も、処方内容の控えを手元に置いておきましょう。

バリウム検査(胃部X線検査)の場合

バリウム検査は造影剤を飲んで胃を撮影する検査です。 胃に食べ物が残っていると、正確に撮影できないおそれがあります。 また、検査後はバリウムを出すために下剤を飲みます。便秘になりやすい薬を使っている方は、検査施設に相談してください。

歯科や小さな処置でも伝える?

局所麻酔だけの処置でも、使っている薬は伝えておくのが基本です。 鎮静剤を使うかどうかは施設が判断します。「念のため」の申告で十分です。

休薬の考え方(必ず主治医・検査施設の指示に従う)

休むかどうか、何日前から休むかは、施設や処置の内容によって異なります。自己判断で中止・再開しないことが原則です。

学会の指針はどう変わってきた?

時期 内容(概要)
2023年 ASA指針 週1回製剤は、予定手術の1週間前に休薬を検討
2024年 複数学会の指針 多くの場合は継続可。リスクが高い人は前日を液体中心の食事にする等を検討

2024年の指針は、米国麻酔科学会・米国消化器病学会などが共同で公表したものです。 「一律に休薬する」から「一人ひとりのリスクで判断する」へ考え方が変わってきています。 ただし、これらは米国の指針です。日本の施設がどの方針を取るかは施設ごとに異なります。

リスクが高いと考えられるのはどんな人?

上の2024年の指針では、次のような場合に特に注意するとしています。

  • 増量中、または増量して間もない時期
  • 処置の当日に吐き気・嘔吐・腹部の張りがある
  • 高用量を使っている

休薬した後の再開はどうする?

再開時期も、処置をした施設と処方医の指示に従ってください。 電子添文には、打ち忘れたときの対応が決められています。

  • ゼップバウンド:次の投与まで72時間(3日)以上あれば、気づいた時点で投与。72時間未満なら1回とばす
  • ウゴービ:次の投与まで48時間(2日)以上あれば、気づいた時点で投与。48時間未満なら1回とばす

休薬が長引いた場合は、同じ用量で再開すると胃腸の症状が強く出ることがあります。 用量をどうするかは医師が判断します。自分で用量を変えないでください。

健康診断・血液検査の数値への影響

検査の数値が変わることがあるため、問診票の「服薬中の薬」欄に必ず書いておきましょう。

どんな項目が変わりうる?

  • 血糖値・HbA1c:HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は過去1〜2ヵ月の血糖の平均を表す数値です。下がることがあります
  • 膵酵素(アミラーゼ・リパーゼ):膵臓から出る消化酵素です。両剤の電子添文に、副作用としてリパーゼ増加などが記載されています(ゼップバウンドは膵アミラーゼ増加も記載)
  • 脂質・肝機能:体重の変化に合わせて変わることがあります

数値が良くなっても、それは治療中の値です。薬をやめた後も同じとは限りません。 健診の結果は処方医に見せて、治療方針の確認に役立ててください。

副作用の確認にも健診は役立つ

ゼップバウンド・ウゴービの主な副作用は、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの胃腸の症状です。 頻度は低いものの、重大な副作用として急性膵炎(膵臓の炎症)、胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸、イレウス(腸閉塞を含む)が記載されています(ゼップバウンドではアナフィラキシー・血管性浮腫も記載)。 糖尿病の薬と一緒に使うと低血糖のリスクが高まります。 強い腹痛が続くときや背中に痛みが広がるときは、すぐに医療機関を受診してください。

健診当日の注射はどうする?

採血だけの健診なら、注射日をずらす必要がないことが多いです。 ただし、胃カメラやバリウム検査が入っている場合は、前の章の内容をあてはめて考えます。健診施設に事前に確認しましょう。

献血はできる?

献血できるかどうかは、献血会場の問診で医師が判断します。自分で「大丈夫」と決めないことが大切です。

献血の基準は日本赤十字社が定めており、服薬中の薬によって献血できない場合もあります。

申告するときのポイント

  • 問診票の服薬欄に、薬の名前と最後に注射した日を書く
  • 体重が大きく減った時期なら、そのことも伝える

献血を見送ったほうがよいとき

吐き気や下痢が続いて、食事や水分を十分にとれていない日は見送りましょう。 脱水ぎみの状態で献血すると、気分が悪くなったり、めまいが出たりしやすくなります。

入院時の対応

入院が決まったら、薬そのものとお薬手帳を持参するのが基本です。

入院前に準備すること

  • 注入器(使用中のもの・予備)とお薬手帳を用意する
  • 入院中に注射日が来るかを確認し、病棟の医師・看護師に相談する
  • 保管方法を伝える(ゼップバウンド・ウゴービは冷蔵保管が基本)

入院中に自分で注射してよい?

病棟の許可なく自己注射はしないでください。 入院中は絶食や点滴、ほかの薬の追加があり、使い続けるかは入院先の医師が判断します。 退院後に再開するときは、処方医にも入院の内容を伝えてください。

救急で受診したときは?

意識がはっきりしているうちに「週1回の注射薬を使っている」と伝えましょう。 スマートフォンのメモやお薬手帳アプリに薬の名前を残しておくと安心です。

まとめ:「伝える」ことが一番の安全対策

ゼップバウンドとウゴービには、胃の内容物を残りやすくする作用があります。 手術・胃カメラ・バリウム検査の前は、薬の名前・用量・最後に注射した日・胃腸の症状を施設に伝えましょう。 休むかどうかと再開時期は、必ず主治医と検査施設の指示に従ってください。

スリマルの肥満症オンライン診療について

スリマルは、株式会社MICINが運営する肥満症のオンライン診療です。診察はZoomで行います。 対面診療と保険診療は行っていません。自由診療のため保険は使えず、費用は全額自己負担です。

対象となる方:20歳以上で、BMI 27以上、医師の診断で肥満症にあたる方

対象外となる方 - 20歳未満の方 - 初診時のBMIが27未満の方 - 美容目的・痩身ダイエット目的の方 - 糖尿病の薬(ビグアナイド系、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など)を処方されている方

妊娠中・妊娠している可能性のある方には投与できません。 授乳中の方や心臓病・腎臓病の既往がある方などは、医師が診察で処方できるか判断します。 スリマルでは、ゼップバウンドの別の効能(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)やウゴービの別の効能(MASH)の治療は行っていません。

開始用量の料金(税込・1ヵ月分)は次のとおりです。診察料・配送料は無料です。

薬剤 開始用量 料金
ゼップバウンド 2.5mg ¥36,410
ウゴービ 0.25mg ¥19,800

増量後の料金は料金ページをご確認ください。

オゼンピック・リベルサス・マンジャロは2型糖尿病の治療薬で、肥満症の薬として承認されていません。体重を減らす目的で使うことはすすめられません。 フリマアプリやSNSで処方薬を売買したり、他人に譲ったりすることは違法です。

効果には個人差があります。副作用が出ることもあり、医師の診察と説明を受けたうえで使う薬です。 科学的根拠のある治療を、無理なく継続できるかどうか。手術や検査の予定がある方も含めて、まずは医師に相談してみてください。

参考資料 - ゼップバウンド 電子添文(PMDA) - ウゴービ 電子添文(PMDA) - 米国麻酔科学会(ASA):GLP-1受容体作動薬使用者の術前管理に関する指針(2023年) - 米国麻酔科学会・米国消化器病学会ほか:GLP-1受容体作動薬使用者の周術期管理に関する複数学会の指針(2024年) - 医薬品の個人輸入について(厚生労働省)

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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