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防風通聖散は痩せる?効果・副作用・向いている人を解説

お腹の脂肪や体重が気になる方へ。防風通聖散で痩せるのか、添付文書と研究をもとに効能・副作用・向いている体質を解説。肥満症に当てはまる場合に検討される治療もわかります。気になる方は医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-11-05

この記事について

この記事は、防風通聖散で体重が減るのか知りたい方向けです。お腹まわりの脂肪や体重が気になる30〜50代の方を想定しています。

「漢方なら体にやさしく、無理なく痩せられそう」と考えたことはありませんか? 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は、ドラッグストアでもよく見かける漢方薬です。ただし、飲めば誰でも痩せる薬ではありません。合う体質が決まっていて、副作用もあります。 この記事では、添付文書と研究で確認できることをもとに整理します。

防風通聖散とはどんな漢方薬か

防風通聖散は、18種類の生薬を組み合わせた漢方薬です。「体力が充実していて、お腹に皮下脂肪が多く、便秘がちな人」に使うものとされています。

医療用の添付文書(ツムラ防風通聖散エキス顆粒など)には、次のように書かれています。

  • 対象となる体質: 腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなもの
  • 効能: 高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘

つまり「痩せ薬」ではありません。体質に合う人の肥満症や便秘などに使う薬です。

生薬には次のような成分が含まれます。

  • 大黄(だいおう)・芒硝(ぼうしょう): お通じを促す作用がある
  • 麻黄(まおう): エフェドリン類を含み、交感神経を刺激する
  • 甘草(かんぞう): 多く摂ると副作用(後述)の原因になる

お通じがよくなることで「体重が減った」と感じる人もいます。ただ、それは脂肪が減ったこととは限りません。

防風通聖散で体重は減る?研究から分かること

体重が減ったという研究報告はあります。ただし、規模は小さく、科学的根拠はまだ限られています。

よく引用されるのは、日本の肥満女性を対象にした臨床試験です(Hioki C, et al. Clin Exp Pharmacol Physiol. 2004;31:614-619)。 耐糖能異常(血糖値が上がりやすい状態)のある女性を対象にしています。食事療法・運動療法に防風通聖散を加え、24週間続けました。その結果、偽薬(有効成分を含まない薬)のグループより体重や内臓脂肪が減ったと報告されています。

一方で、知っておきたい点もあります。

  • 対象者数が少なく、大規模な検証は限られている
  • 食事療法・運動療法と組み合わせた結果である
  • 体質(証)が合わない人での効果ははっきりしない
  • 効果には個人差がある

「防風通聖散を飲むだけで食生活はそのまま」では、大きな変化は期待しにくいでしょう。あくまで生活習慣の改善を続けながら補助的に使うもの、と考えるのが現実的です。

また、体重への効果だけでなく、後で説明する副作用にも目を向けてください。

向いている人・向いていない人(体質)

防風通聖散が向いているのは「体力が充実していて、お腹が出ていて、便秘がち」な人です。漢方では「実証(じっしょう)」と呼ばれる体質です。

向いている可能性がある人

  • 体力があり、胃腸が丈夫
  • お腹まわりに皮下脂肪が多い
  • 便秘がち
  • 暑がりで、のぼせやすい

向いていない・注意が必要な人(医療用添付文書の「特定の背景を有する患者に関する注意」より)

  • 下痢・軟便のある人
  • 体力が落ちている人、病後で体が弱っている人
  • 胃腸が弱い人、食欲不振・吐き気がある人
  • 汗をかきやすい人
  • 狭心症・心筋梗塞など心臓の病気がある人
  • 重い高血圧の人、重い腎臓病の人
  • 排尿障害(尿が出にくい)がある人
  • 甲状腺機能亢進症の人
  • 妊娠中・授乳中の人

体質に合わない人が使うと、下痢や腹痛が強く出やすくなります。持病がある方や他の薬を飲んでいる方は、使う前に医師・薬剤師に相談してください。

主な副作用と注意が必要な症状

主な副作用は下痢・腹痛・食欲不振・胃の不快感などです。まれに重い副作用もあり、早めの対応が大切です。

その他の副作用(添付文書では頻度不明)

  • 下痢、軟便、腹痛
  • 食欲不振、胃部不快感、吐き気
  • 発疹、かゆみ
  • 動悸、不眠、発汗過多、排尿障害など

添付文書に記載のある重大な副作用

副作用 気をつけたい症状
偽アルドステロン症 むくみ、血圧上昇、手足のだるさ、体重増加
ミオパチー 手足のしびれ・こわばり、力が入らない
肝機能障害・黄疸 だるさ、皮膚や白目が黄色くなる
間質性肺炎 空咳、息切れ、発熱
腸間膜静脈硬化症 腹痛、下痢、便秘、お腹の張り(長期使用で)

偽アルドステロン症とは、甘草の成分によって体内のカリウムが減り、血圧が上がったりむくんだりする状態です。 甘草はほかの漢方薬にも多く含まれています。複数の漢方を併用すると量が重なるので注意しましょう。

腸間膜静脈硬化症は、腸の血管が硬くなる病気です。山梔子(さんしし)を含む漢方を長期間飲んだ場合に報告されています。

上の症状が出たら、すぐに服用を中止して医療機関を受診してください。

飲み方と服用期間の目安

医療用(ツムラ防風通聖散エキス顆粒)の場合、通常は成人で1日7.5gです。これを2〜3回に分けて、食前または食間に飲みます。食間とは、食事と食事の間(食後約2時間)のことです。

市販薬は製品ごとに1日量や飲み方が異なります。必ず各製品の説明文書に従ってください。

服用期間については、次の点を押さえておきましょう。

  • 市販薬の説明文書には「1ヵ月位服用しても症状がよくならない場合は、服用を中止し相談する」旨が書かれている製品が多い
  • 長く続けるほど、腸間膜静脈硬化症などのリスクに注意が必要になる
  • 下痢が続く場合は、体質に合っていない可能性がある

「効かないから量を増やす」のは避けてください。継続できるかどうかは、効果と副作用のバランスで判断します。

医療用と市販薬の違い

防風通聖散には、医師が処方する「医療用」と、薬局で買える「市販薬(一般用医薬品)」があります。

主な違い

  • 医療用: 医師が体質や持病を確認して処方する。医療機関の保険診療で処方される場合は、健康保険の対象になる
  • 市販薬: 自分の判断で購入できる。製品によって1日量に含まれるエキスの量が異なる

保険診療で処方される場合も、医師が症状や体質から必要と判断した場合に限られます。「痩せたい」という理由だけで処方されるわけではありません。

なお、スリマルは自由診療のオンライン診療専門のサービスです。防風通聖散の処方は行っていません。保険診療も行っていないため、漢方薬について相談したい方は、かかりつけ医や薬剤師にご相談ください。

漢方とGLP-1受容体作動薬の違いは、漢方とGLP-1の比較記事で詳しく解説しています。

肥満症の場合に検討される治療

「肥満」と「肥満症」は別のものです。肥満症の場合は、医師の診断のもとで治療方針を決めます。

日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン2022」での定義は次のとおりです。

  • 肥満: 脂肪が過剰にたまった状態で、BMI25以上
  • 肥満症: 肥満に加えて、肥満に関連する健康障害(2型糖尿病・脂質異常症・高血圧など11項目)を合併しているか、合併が予測され、医学的に減量が必要な状態

肥満症の治療の基本は食事療法・運動療法・行動療法です。それでも十分な効果が得られない場合に、薬物療法が検討されることがあります。

国内で肥満症の効能を持つ注射薬には、次の2つがあります。

  • ゼップバウンド(チルゼパチド): GIP/GLP-1受容体作動薬。週1回、2.5mgから開始
  • ウゴービ(セマグルチド): GLP-1受容体作動薬。週1回、0.25mgから開始

GLP-1は、食後に腸から出るホルモンです。食欲を抑えたり、胃の動きをゆっくりにしたりする働きがあります。

電子添文では、ウゴービは高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれか、ゼップバウンドは高血圧・脂質異常症・耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常等)のいずれかがあることが条件です。そのうえで、食事・運動療法で効果が不十分であることと、BMIなどの基準を満たす必要があります。 主な副作用は吐き気・下痢・便秘・嘔吐などの胃腸症状です。まれに急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎、腸閉塞(イレウス)などの重い副作用もあります。必ず医師の診断・管理のもとで使用します。

保険診療で処方する場合は、施設や医師の要件を満たす必要があります(最適使用推進ガイドライン)。

なお、オゼンピック・リベルサス・マンジャロは2型糖尿病の治療薬です。肥満症の効能はなく、減量目的での使用はおすすめしません。医薬品副作用被害救済制度の対象外になるおそれもあります。

スリマルの場合

スリマルは、肥満症を対象にしたオンライン診療(自由診療)です。Zoomでの診察後、ゼップバウンドまたはウゴービを処方します。

  • ゼップバウンド 2.5mg:36,410円(税込・1ヶ月分)
  • ウゴービ 0.25mg:19,800円(税込・1ヶ月分)
  • 診察料・配送料は無料
  • 自由診療のため保険適用外で、全額自己負担
  • 増量後の用量の料金は料金ページをご覧ください

次に当てはまる方は処方の対象外です。

  • 20歳未満の方
  • BMI27未満の方(初診時)
  • 美容目的・痩身ダイエット目的の方
  • 糖尿病の薬(DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など)を処方されている方
  • 妊娠中・妊娠の可能性がある方

処方できるかどうかは、問診と医師の診察で判断します。

まとめ

防風通聖散は、体力があり、お腹に皮下脂肪が多く便秘がちな人向けの漢方薬です。体重が減ったという研究はありますが、科学的根拠は限られています。偽アルドステロン症や肝機能障害などの副作用にも注意が必要です。

大切なのは、自分の体質や状態に合った方法を選ぶことです。そうすれば、無理なく継続できる体質改善につながります。 BMIが27以上で、高血圧や脂質異常症などを指摘されている方は、肥満症に当てはまるかもしれません。気になる方は、一度医師に相談してみてください。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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