この記事は、晩酌や飲み会が多く、体重やお腹まわりが気になっている30〜50代の方に向けたものです。お酒をやめずに、無理なく続けられる飲み方を考えます。
「糖質ゼロのお酒なら太らない」と思っていませんか? 実は、お酒そのものにもエネルギーがあります。さらに、飲むと食欲が増えやすく、脂肪が燃えにくくなります。 この記事では、この仕組みを科学的根拠にもとづいて整理します。
お酒は太る?アルコールのエネルギー・つまみ・食欲との関係、内臓脂肪や脂肪肝への影響、種類別のカロリーと糖質、減量中の飲み方を科学的根拠をもとに紹介します。体重や健康診断の結果が気になる方は医師にご相談ください。
医療監修
肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。
本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。
公開日: 2026-11-05
この記事は、晩酌や飲み会が多く、体重やお腹まわりが気になっている30〜50代の方に向けたものです。お酒をやめずに、無理なく続けられる飲み方を考えます。
「糖質ゼロのお酒なら太らない」と思っていませんか? 実は、お酒そのものにもエネルギーがあります。さらに、飲むと食欲が増えやすく、脂肪が燃えにくくなります。 この記事では、この仕組みを科学的根拠にもとづいて整理します。
お酒で太る原因は主に3つあります。「アルコール自体のエネルギー」「つまみ」「食欲が増えること」です。
アルコールは1gあたり約7kcalです(厚生労働省 e-ヘルスネット)。 脂質の9kcalより少なく、糖質の4kcalより多い量です。 「エンプティカロリー(栄養素がほとんどないエネルギー)」と呼ばれることもあります。ただ、エネルギーがゼロという意味ではありません。
アルコールは体にとって有害なので、肝臓は最優先でアルコールを分解します。 そのあいだ、脂肪を燃やす働きは後回しになります。 健康な男性を対象にした研究でも、飲酒後に全身の脂肪燃焼が大きく下がることが報告されています(Siler SQ, et al. Am J Clin Nutr 1999)。 飲みながら脂っこいつまみを食べると、その脂肪は燃えにくく、たまりやすくなります。
アルコールには、食欲を高めたり、「食べすぎないようにしよう」という自制心をゆるめたりする働きがあります。 「飲み会の最後にラーメンを食べてしまう」という方も多いのではないでしょうか? これは意志が弱いからではなく、身体の仕組みによるものです。 寝る前の飲酒は睡眠の質を下げることも知られています。眠りが浅いと、翌日の食欲も乱れやすくなります。
飲みすぎが続くと、お腹の内臓のまわりや肝臓に脂肪がたまりやすくなります。
内臓脂肪は、胃や腸のまわりにつく脂肪のことです。 血圧・血糖・脂質の異常と関係が深いとされています。 日本のメタボリックシンドロームの診断基準では、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上を内臓脂肪蓄積の目安にしています。 「ビール腹」と呼ばれる体型は、多くがこの内臓脂肪によるものです。
肝臓はアルコールを分解する臓器です。飲みすぎが続くと肝臓の中で脂肪が増え、脂肪肝の原因になります。 肥満による脂肪肝とお酒の影響が重なると、肝臓への負担はさらに大きくなります。 健康診断で肝機能(AST・ALT・γ-GTP)の数値を指摘された方は、飲酒量を見直すタイミングかもしれません。
厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年)では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を次のように示しています。
純アルコール量は「飲んだ量(ml)×度数(%)÷100×0.8」で計算できます。 たとえば、度数5%のビール500mlなら「500×0.05×0.8=20g」です。 女性は男性よりアルコールの影響を受けやすいとされています。
よく飲まれるお酒の目安をまとめました。
| お酒(1杯の目安) | エネルギー | 糖質 | 純アルコール量 |
|---|---|---|---|
| ビール 350ml缶(5%) | 約140kcal | 約11g | 約14g |
| 日本酒 1合 180ml(15%) | 約190kcal | 約9g | 約22g |
| ワイン(赤)グラス120ml(12%) | 約80kcal | 約2g | 約12g |
| 焼酎(25%)60ml | 約80kcal | 0g | 約12g |
| ウイスキー シングル30ml(40%) | 約70kcal | 0g | 約10g |
※エネルギーと糖質は「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」の100gあたりの値から換算した目安です。製品によって異なります。
ここで大事なポイントが2つあります。
梅酒や甘いカクテルは、糖質が多めです。減量中は頻度を控えると安心です。
減量中にお酒を飲む場合は、「量・頻度・つまみ」の3つを見直すことが大切です。もともと飲酒の習慣がない方が、健康のために飲み始める必要はありません。
まずは「1日平均で純アルコール20g程度まで」を目安にしましょう。厚生労働省が健康日本21で示している「節度ある適度な飲酒」の量です(e-ヘルスネット)。 ビール(5%)なら500ml、日本酒(15%)なら1合弱です。女性や高齢の方、お酒で顔が赤くなりやすい方は、これより少ない量が適当とされています。 飲む前に「今日は2杯まで」と決めておくと、続けやすくなります。
厚生労働省のガイドラインでも、1週間のうちに飲まない日を設けることがすすめられています。 「平日は週2日だけ」など、生活に合うルールを決めましょう。 いきなり毎日禁酒するより、無理なく続けられる方法のほうが体質改善につながります。
おすすめのつまみは、次のようなものです。
揚げ物、ポテトサラダ、ピザ、シメのご飯ものはエネルギーが高くなりがちです。 最初に野菜やたんぱく質を食べると、食べすぎを防ぎやすくなります。
お酒と同じ量の水(チェイサー)を飲むと、飲むペースを落とせます。 脱水を防ぐ意味でも役立ちます。
仕事のつきあいで、飲み会を断れない方も多いのではないでしょうか? 次の5つを試してみてください。
1回の飲み会で体重が増えても、それがそのまま脂肪になったとは限りません。水分や塩分の影響もあります。 大切なのは、1回の飲み会で一喜一憂しないことです。1週間単位で整えていきましょう。
GLP-1薬を使っている方は、自己判断で飲酒量を決めないでください。 治療中の飲酒については、処方を受けている医師に確認することが基本です。 電子添文(薬の公式な説明書)での扱いや注意点は、別記事「GLP-1使用中の飲酒」で詳しく紹介しています。
「肥満」と「肥満症」は別のものです。
食事療法や運動療法を続けても十分な効果が得られない肥満症の方には、医師の診断のうえで薬物療法が検討されることがあります。
スリマルは、株式会社MICINが運営する肥満症のオンライン診療サービスです。
次の方は処方の対象外です。
妊娠中または妊娠している可能性のある方には投与しません。
主な副作用には、吐き気、下痢、便秘などの胃腸症状があります。ほかの血糖を下げる薬と併用する場合などには、低血糖にも注意が必要です。まれに急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎などの重大な副作用も報告されています(各電子添文)。 効果には個人差があり、医師の診断・管理のもとで使用する必要があります。
なお、オゼンピック、リベルサス、マンジャロは2型糖尿病の治療薬で、肥満症の薬として承認されていません。 減量目的で使うと、副作用への対応が遅れるなどのリスクがあります。そのような使い方はおすすめしません。
飲む場合は、量と頻度について継続できるルールをつくることが大切です。 飲み方を見直しても体重や健康診断の数値が改善しない場合は、一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。肥満症に当てはまるかどうかを含めて、自分に合った方法を確認できます。
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。