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ウゴービ・ゼップバウンド使用中にお酒は飲める?電子添文の記載と注意点

ウゴービ・ゼップバウンド使用中の飲酒について、電子添文に書かれていることと書かれていないことを分けて整理。低血糖・脱水・急性膵炎などの注意点を解説します。飲酒の習慣がある方は、治療前に医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-10-27

GLP-1薬を使っている間にお酒は飲める?

結論から言うと、ウゴービとゼップバウンドの電子添文には、飲酒を一律に禁止する記載は見当たりません。 ただし「自由に飲んでよい」という意味ではありません。 電子添文では、過度の飲酒が低血糖を起こしやすい状態の一つに挙げられています。 また、アルコールそのものにも、脱水や膵炎(すいえん)につながるリスクがあります。

治療中にどのくらいなら飲んでよいかは、体の状態や持病、使っている薬で変わります。 自分で判断せず、処方を受ける医師に飲酒の習慣を正直に伝えて相談してください。

なお、GLP-1薬とは、GLP-1という消化管ホルモンの働きを利用した薬のことです。 ウゴービ(成分名:セマグルチド)はGLP-1受容体作動薬です。 ゼップバウンド(成分名:チルゼパチド)はGIP/GLP-1受容体作動薬です。 どちらも週1回、自分で皮下に注射する処方薬です。

電子添文での扱い

結論として、電子添文には飲酒を禁止する記載はなく、「過度のアルコール摂取」が低血糖を起こすおそれのある状態として挙げられています。

電子添文は、医療関係者向けに薬の効能・用法・注意点をまとめた公的な文書です。 飲酒に関しては、書かれていることと書かれていないことを分けて読む必要があります。

電子添文に書かれていること

  • 低血糖を起こすおそれがある状態として「過度のアルコール摂取者」が挙げられています(両剤の電子添文「9.1 合併症・既往歴等のある患者」)
  • 重大な副作用として、低血糖と急性膵炎が記載されています
  • 重要な基本的注意として、嘔吐や下痢によって脱水になり、急性腎障害に至るおそれがあると書かれています
  • 胃の内容物が腸へ送り出されるのを遅らせる作用(胃排出遅延)があります

電子添文に書かれていないこと

  • 「治療中は飲酒禁止」という一律の禁止
  • 「1日◯杯まで」など、治療中の飲酒量の具体的な上限
  • お酒の酔い方が変わるかどうか

ネット上には「GLP-1薬を使うと酔いやすくなる」「少量なら問題ない」といった情報もあります。 しかし、これらは電子添文に根拠のある記載ではありません。 胃排出遅延の作用はありますが、アルコールの吸収や酔い方への影響は電子添文に書かれていません。 根拠のはっきりしない話をうのみにしないことが大切です。

※ 電子添文は改訂されることがあります。本記事は、ウゴービは2026年6月改訂(第7版)、ゼップバウンドは2026年9月改訂(第6版)をもとにしています。項目番号は版によって異なる場合があります。

飲酒で気をつけたいリスク

治療中の飲酒で特に注意したいリスクは、主に4つあります。 どれも「飲めば必ず起こる」ものではありません。ただし、重なると体への負担が大きくなります。

1. 低血糖

低血糖とは、血液中の糖(血糖)が下がりすぎた状態です。 冷や汗、手の震え、動悸、強い空腹感などが現れ、重い場合は意識がもうろうとします。

低血糖は、両剤の電子添文で重大な副作用として記載されています。 ほかの血糖を下げる薬と併用する場合は、特に注意が必要です。 さらに電子添文は、過度の飲酒や食事摂取量の不足を、低血糖を起こすおそれがある状態として挙げています。 食事をとらずに飲む、食欲が落ちて食事量が少ないといった状況では、特に注意が必要です。

2. 脱水

アルコールには尿の量を増やす作用(利尿作用)があります。 一方、GLP-1薬では吐き気・嘔吐・下痢などの消化器症状がよく見られます。 この2つが重なると、体の水分が不足しやすくなります。 電子添文には、脱水から急性腎障害に至るおそれがあるとも書かれています。

3. 急性膵炎

膵炎とは、消化液をつくる膵臓(すいぞう)に炎症が起きる病気です。 急性膵炎は、両剤の電子添文で重大な副作用として記載されています。 また、厚生労働省研究班の資料では、急性膵炎の成因として最も多いのはアルコールとされています(難病情報センター「重症急性膵炎」)。

みぞおちから背中にかけての激しい痛みが続く場合や、嘔吐を伴う場合は、すぐに医療機関を受診してください。 電子添文でも、このような症状があらわれた場合は使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導することになっています。また、膵炎と診断された場合は再投与しないこととされています。

4. 消化器症状の悪化

治療開始の直後や増量の時期は、吐き気や胃もたれが出やすくなります。 アルコールも胃の粘膜を刺激するため、症状が重なって不快感が強くなることがあります。 「いつもと同じ量なのに気分が悪い」と感じたら、無理に飲み続けないでください。

飲むなら守りたいポイント

ここで紹介するのは、一般的な健康情報としての注意点です。 治療中に飲酒してよいか、どのくらいならよいかは、必ず医師と相談して決めてください。

1. 自分の飲酒量を「純アルコール量」で知る

厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年)では、お酒の量を純アルコール量(g)で把握するよう勧めています。 計算式は「飲んだ量(ml)×度数(%)÷100×0.8」です。

お酒の例 純アルコール量の目安
ビール(5%)500ml 約20g
日本酒(15%)180ml(1合) 約22g
ワイン(12%)120ml 約12g

同ガイドラインでは、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を、1日あたり純アルコール量で男性40g以上、女性20g以上としています。 これは一般の成人向けの目安です。治療中も飲んでよい量を示したものではありません。

2. 空腹で飲まない

空腹での飲酒は、低血糖や胃への負担につながりやすくなります。 食欲が落ちている日は、飲まないという選択も考えてください。

3. 水分をこまめにとる

お酒と同じくらいの量の水を一緒に飲むと、脱水の予防に役立ちます。 嘔吐や下痢がある日は、飲酒を控えてください。

4. 体調の変化に気づいたら中止する

吐き気、腹痛、冷や汗、ふらつきなどがあれば、すぐに飲むのをやめてください。 症状が続く場合や強い場合は、医療機関に相談しましょう。

5. 治療開始直後や増量の時期は特に慎重に

ウゴービは0.25mg、ゼップバウンドは2.5mgから始め、4週間ごとに段階的に増やします。 用量が変わる時期は、消化器症状が出やすい傾向があります。 この時期の飲酒については、あらかじめ医師に確認しておくと安心です。

減量とアルコールの関係

アルコールには、1gあたり約7kcalのエネルギーがあります(日本食品標準成分表2020年版(八訂)のエネルギー換算係数は7.1kcal/g)。 たとえばビール500ml(純アルコール約20g)なら、アルコール分だけで約140kcalになります。 さらに糖質やおつまみの分も加わります。

日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン2022」では、薬物療法は食事療法・運動療法を基本としたうえで行うものとされています。 電子添文の効能にも「食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない」という条件があります。 つまり、薬だけに頼るのではなく、生活習慣と組み合わせることが前提です。 飲酒習慣を見直すことも、その一部になります。

「お酒をやめなければ」と自分を追い込む必要はありません。 「飲む日を決める」「1杯目以降は水やノンアルコール飲料にする」など、続けられる方法から試してみてはいかがでしょうか。 医師の管理のもとでの治療と、無理なく続けられる生活の見直しを組み合わせることが、体質改善に向けた基本です。

なお、GLP-1薬が飲酒量に与える影響を調べた研究も報告されています(Hendershot CS, et al. JAMA Psychiatry. 2025)。 ただし、まだ研究段階です。ウゴービやゼップバウンドは、飲酒量を減らす目的で承認された薬ではありません。 減量の効果にも個人差があり、副作用が出ることもあります。

医師に相談した方がよい場合

次に当てはまる方は、治療を始める前や飲酒する前に、必ず医師へ相談してください。

  • ほぼ毎日飲む、または1回にたくさん飲む習慣がある
  • 過去に膵炎や胆石と診断されたことがある
  • 肝臓の数値(AST、ALT、γ-GTPなど)を健康診断で指摘されている
  • 腎臓の病気や、脱水を起こしやすい持病がある
  • 血圧・コレステロール・血糖を下げる薬を使っている
  • 治療中に吐き気・嘔吐・下痢が続いている

また、次に当てはまる方は、スリマルでは処方の対象外です。

  • 20歳未満の方
  • 初診時のBMIが27未満の方
  • 美容目的・痩身ダイエット目的の方
  • 糖尿病用薬剤(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など)の処方を受けている方

妊娠中または妊娠している可能性がある方には、電子添文上、両剤とも投与しないこととされています。

スリマルは、医師の診断に基づく肥満症を対象とした自由診療のオンライン診療サービスです。 処方はウゴービ・ゼップバウンドの肥満症治療に限っています。 診察はZoomによるオンライン診療のみで、保険診療や対面での診療は行っていません。 費用は全額自己負担です。 診察の際は、飲酒の頻度や量も医師に伝えてください。処方の可否は医師が判断します。

まとめ

  • ウゴービ・ゼップバウンドの電子添文には、飲酒を一律に禁止する記載はありません
  • ただし、過度の飲酒は低血糖を起こしやすい状態として電子添文に挙げられています
  • 低血糖・脱水・急性膵炎・消化器症状の悪化に注意が必要です
  • 治療中の飲酒量の具体的な上限は、電子添文に書かれていません
  • 飲むかどうか、どのくらい飲むかは、自分で決めずに医師に相談してください

主な副作用には、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状があります。 低血糖や急性膵炎などの重大な副作用が起こることもあります。 治療は医師の診察・説明を受けたうえで、医師の管理のもとで行ってください。

お酒との付き合い方も含めて、自分に合った治療を続けたいとお考えではありませんか? 気になることがあれば、まずは医師に相談してみてください。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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