2つのホルモンに働く薬
チルゼパチドは「GIP/GLP-1受容体作動薬」に分類されます。GIPとGLP-1は、食事をすると腸から出るホルモンです。食欲を抑えたり、血糖値を調整したりする働きがあります。
ゼップバウンドは、この2つのホルモンの働きを利用する薬です。週1回、自分でおなかなどに皮下注射します。
承認されている効能
電子添文に書かれている効能は、次の2つです。
- 肥満症(食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合)
- 中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(BMI27以上。2026年5月に追加)
閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に気道がふさがり、呼吸が止まる病気です。
なお、スリマルで処方しているのは肥満症の治療のみです。閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療は行っていません。
臨床試験での体重の変化
日本人を対象にした臨床試験(SURMOUNT-J)があります。72週間の投与で、体重は平均して次のように変化しました。
- 10mg群:平均18.4%減少
- 15mg群:平均22.6%減少
- プラセボ群(有効成分を含まない薬):平均1.8%減少
(出典:ゼップバウンド電子添文 17.1.1)
ただし、これは試験での平均値です。効果には個人差があります。 食事療法や運動療法と組み合わせることが前提です。
主な副作用
効果だけでなく、副作用も知っておきましょう。主な副作用は次のとおりです。
- 吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状
- 食欲の低下、腹痛
- 糖尿病の薬と一緒に使うと低血糖が起こるおそれ
頻度は低いものの、急性膵炎や胆嚢炎などの重大な副作用が電子添文に記載されています。急性膵炎とは膵臓に炎症が起きる病気で、激しい腹痛が特徴です。必ず医師の診断・管理のもとで使用してください。