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ウゴービで失明する?NAION・網膜症のリスクと注意点

ウゴービを検討・使用中の方へ。セマグルチドで失明する?NAIONや糖尿病網膜症について、国内電子添文と欧州当局の評価をもとに整理しました。視力が変わったときの受診の目安も紹介します。不安な方は医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-11-05

この記事について

この記事は、肥満症治療でウゴービ(成分名:セマグルチド)を検討している方や使用中の方に向けたものです。「目に副作用が出るのでは」と気になっている方に読んでいただくことを想定しています。

「セマグルチド 失明」という検索結果を見て、心配になっていませんか? この記事では、国内の電子添文(医療用医薬品の公式な説明文書)と海外の規制当局の発表をもとに、わかっていることとわかっていないことを分けて説明します。

セマグルチドと目の病気が話題になった背景は?

話題になったきっかけは、海外の観察研究です。セマグルチドを使った人で「NAION」という目の病気が増えたかもしれない、という報告が相次ぎました。

観察研究は、実際の診療データをさかのぼって分析する研究です。多くの人のデータを調べられる一方で、薬との因果関係までは確定できないという限界があります。

その後の主な流れは次のとおりです。

  • 欧州:欧州医薬品庁(EMA)の安全性委員会(PRAC)がデータを検討し、2025年6月、NAIONをセマグルチドの「非常にまれな副作用」と結論づけました(EMA)
  • 日本:ウゴービ(2026年6月改訂 第7版)とゼップバウンド(2026年9月改訂 第6版)の電子添文「その他の注意」に、NAIONに関する記載があります

「失明」という言葉だけが目立ちがちですが、どのくらいまれなのかを知ることが大切です。 EMAは「非常にまれ」の目安を、最大で1万人に1人程度としています(EMA、2025年6月)。

NAION(非動脈炎性前部虚血性視神経症)とは?

NAIONは、目の奥にある視神経に流れる血液が足りなくなる病気です。視神経は、目で見た情報を脳へ送る「ケーブル」の役割をしています。

主な特徴は次のとおりです。

  • 片方の目に起こることが多い
  • 痛みを伴わないことが多い
  • 朝起きたときなどに、急に見えにくくなることがある
  • 視野の一部(上半分や下半分など)が欠けることがある

NAIONは、セマグルチドを使っていない人にも起こる病気です。 一般には、高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群などが関わるといわれています。これらは肥満症と重なりやすい健康課題でもあります。

そのため、「薬が原因なのか、もともとの体の状態が影響しているのか」を見分けるのは簡単ではありません。国内の電子添文でも「因果関係は明らかではない」とされています。

糖尿病網膜症の一時的な悪化とは?

目に関する注意点として、NAIONとは別に「糖尿病網膜症」もあります。

糖尿病網膜症は、高血糖が続くことで網膜(目の奥でカメラのフィルムにあたる部分)の細い血管が傷む病気です。

ゼップバウンドとウゴービの電子添文には、どちらにも次の注意が書かれています。

急激な血糖コントロールの改善に伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪があらわれることがある

血糖値が急に下がると、もともとあった網膜症がはっきり現れたり、一時的に悪くなったりすることがあります。 これはGLP-1関連の薬に限らず、血糖が急に改善したときに知られている現象です。

ゼップバウンドの電子添文には、「増殖糖尿病網膜症」や「糖尿病黄斑浮腫」などがある人、または過去にあった人への注意も書かれています。 両剤とも、「その他の副作用」の一覧に「糖尿病網膜症」が載っています(ゼップバウンドは1%未満、ウゴービは頻度不明)。

2型糖尿病がある方や、健康診断で眼底検査の指摘を受けたことがある方は、事前に医師へ伝えましょう。

国内外の添付文書での扱いは?

国内では、肥満症に使われる2剤のどちらにも、NAIONに関する記載があります。

項目 ゼップバウンド(チルゼパチド) ウゴービ(セマグルチド)
確認した版 2026年9月改訂 第6版 2026年6月改訂 第7版
NAIONの記載箇所 15. その他の注意 15. その他の注意
記載の趣旨 GLP-1受容体作動薬の投与後にNAIONのリスク増加の可能性を示す観察研究等が報告。因果関係は明らかでない 2型糖尿病患者を対象とした海外の複数の観察研究で、セマグルチド投与後のNAIONリスク上昇が報告。因果関係は明らかでない
糖尿病網膜症 重要な基本的注意・副作用に記載 重要な基本的注意・副作用に記載

出典:ゼップバウンド電子添文、ウゴービ電子添文(PMDA)

ポイントは、国内では「副作用」の項目ではなく「その他の注意」に書かれていることです。 「その他の注意」は、副作用の項目には入らないものの、安全に使うために知っておくべき情報(因果関係が明らかでない臨床上の報告や、動物試験の結果など)を載せる項目です。

一方、欧州ではNAIONがセマグルチドの「非常にまれな副作用」と位置づけられ、製品情報を改訂する方針が示されました。EMAは、NAIONと確認された場合はセマグルチドの使用を中止するよう案内しています。 国や地域によって評価や改訂の時期は異なります。最新の情報は各規制当局の公式発表で確認してください。

視力に異常を感じたときの対応は?

次のような変化があれば、自己判断で様子を見ずに、できるだけ早く眼科を受診してください。

  • 片目または両目が、急に見えにくくなった
  • 視野の一部が欠けている、暗く感じる
  • かすみ、ゆがみ、ぼやけが続く

受診したときは、次の3点を伝えると診察がスムーズです。

  1. 使っている薬の名前(ゼップバウンド・ウゴービなど)と用量
  2. 使い始めた時期と、最後に注射した日
  3. 症状が出た日時と、片目か両目か

あわせて、処方を受けている医師にも必ず連絡してください。 治療を続けるか、中止するかは医師が判断します。自己判断で用量を変えたり、再開したりするのは避けましょう。

治療を始める前にできること

  • 糖尿病や網膜症の既往、眼科での治療歴を医師に伝える
  • 健康診断の眼底検査の結果を手元に用意しておく
  • 高血圧や睡眠時無呼吸の指摘があれば、それも伝える

目のリスクを過度に怖がる必要はありません。ただ、「変化に早く気づいて相談する」という意識を持っておくことが大切です。

まとめ

  • NAIONは、セマグルチドとの関連が報告されている目の病気です。欧州では「非常にまれな副作用」とされ、国内ではゼップバウンド・ウゴービの電子添文の「その他の注意」に記載があります
  • 血糖が急に改善したときの糖尿病網膜症の悪化にも注意が必要です
  • 急に見えにくくなったら、すぐ眼科を受診し、処方医にも連絡しましょう

肥満症の治療は、体重の数字だけを追うものではありません。高血圧や血糖など、肥満に関連する健康障害の改善を目指す医療です。 食事や運動の見直しを続けながら、薬のリスクも理解して、医師と相談しながら進めることが大切です。

スリマルは、医師の診断に基づく肥満症を対象としたオンライン診療です(自由診療)。Zoomで医師の診察を受け、治療の適応や副作用、目の既往についても相談できます。 「自分が対象になるかわからない」「目のリスクが気になる」という方は、まず医師に相談してみてください。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

「どうしても体重が減らない」と悩んでいませんか?

「治療を始めるべきか」「専門医に相談したいが、どの病院へ行けばよいのか」など、不安な気持ちを抱えていませんか?
症状が急に悪化したり、不安になったりしたときに、すぐに医師に相談できるよう、スリマルを利用して、治療への一歩を踏み出しましょう。

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