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肥満症治療・医療ダイエットは医療費控除の対象?条件と申告方法

肥満症治療の費用を確定申告で控除できるか知りたい方へ。国税庁の基準をもとに治療目的と美容目的の違い、自由診療の薬代の考え方、申告の流れを解説。判断は税務署へ、治療の相談は医師へ。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-11-05

この記事について

この記事は、BMIが27以上で肥満症治療を検討中の方、または治療中の方に向けたものです。自由診療の費用が医療費控除で軽くなるのかを、国税庁の一次情報をもとに整理します。

自由診療の肥満症治療は、薬代が毎月かかります。「確定申告で少しでも戻らないか」と考えた方も多いのではないでしょうか。

医療費控除は、医師による「治療」の費用なら対象になり得ます。ただし、美容や健康増進が目的の費用は対象外です。肥満症治療がどちらに当たるかは、医師の診断に基づく治療かどうかで判断が分かれます。国税庁のタックスアンサーや質疑応答事例には、肥満症治療を名指しした事例は見当たりません。自由診療の肥満症治療薬が「必ず控除の対象になる」とはいえないため、最終的な判断は所轄の税務署にご確認ください。


医療費控除とはどんな制度?

医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えたときに、所得から差し引ける制度です。所得が減るぶん、所得税と住民税が軽くなります。

国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」によると、しくみは次のとおりです。

  • 対象期間: その年の1月1日〜12月31日に実際に支払った医療費
  • 対象者: 本人と、生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費
  • 控除額: (支払った医療費 − 保険金などで補てんされる金額)− 10万円
  • 総所得金額等が200万円未満の方は、10万円ではなく総所得金額等の5%
  • 上限: 200万円

計算のイメージ

数字で見てみましょう。家族の医療費と合わせて、年間の医療費が25万円だったとします。補てんされる金額はゼロとします。

  • 25万円 − 10万円 = 15万円が控除額

戻ってくる税金は「控除額 × 税率」です。15万円がそのまま戻るわけではありません。税率は所得によって違うため、実際の金額は申告書の作成時に確認しましょう。

セルフメディケーション税制とは別の制度

似た制度に「セルフメディケーション税制」があります。こちらは対象の市販薬(特定一般用医薬品等)の購入費を控除する特例です。通常の医療費控除とは、どちらか一方を選ぶしくみです。

医師が処方する医療用医薬品は、この特例の対象である市販薬には当たりません。肥満症治療の薬代を申告するなら、通常の医療費控除で考えます。

肥満症の治療費は医療費控除の対象になる?

肥満症の治療費が対象になるかどうかは、医師の診断に基づく治療の費用か、美容・健康増進のための費用かで分かれます。

国税庁が示している考え方

国税庁「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」では、対象になる費用として次のものを挙げています。

  • 医師による診療や治療の対価
  • 治療や療養に必要な医薬品の購入の対価

一方、次のものは対象外です。

  • 病気の予防や健康増進のための医薬品(ビタミン剤など)の購入費
  • 健康診断の費用(原則)

また、対象になる費用も「病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分」に限られます。

また国税庁の質疑応答事例「ホクロの除去費用」では、容姿を美しくする目的の費用は治療費に当たらないとされています。

「肥満」と「肥満症」は別のもの

ここで押さえたいのが、「肥満」と「肥満症」の違いです。日本肥満学会の肥満症診療ガイドライン2022では、次のように定義されています。

  • 肥満: 脂肪が過剰にたまった状態で、BMIが25以上のもの
  • 肥満症: 肥満に加えて、肥満が原因の健康障害(高血圧、脂質異常症、2型糖尿病など)があるか、それが予測され、医学的に減量が必要な状態

体重を減らしたいだけのダイエットは、美容目的に近いと見られやすいでしょう。医師が肥満症と診断し、治療として薬を処方した場合は、「治療の対価」と考える余地があります。

ただし、ここまでは国税庁の一般的な考え方を当てはめた整理です。「肥満症の自由診療なら必ず控除される」とまではいえません。迷ったときは、申告前に税務署へ相談しましょう。

自由診療でも対象から外れるわけではない

「自由診療は医療費控除の対象外」と思っている方もいるかもしれません。国税庁の要件は「治療の対価かどうか」です。保険が使えるかどうかは要件に入っていません。

スリマルの肥満症治療は自由診療(保険適用外・全額自己負担)です。全額自己負担だからといって、それだけで対象外になるわけではありません。

糖尿病薬を減量目的で使うことには注意

オゼンピック、リベルサス、マンジャロは2型糖尿病の治療薬です。肥満症の効能は承認されていません。糖尿病のない方が減量のために使うことは、適応外の使用になります。

適応外の使用は、副作用への対応で不利になることがあります。たとえば医薬品副作用被害救済制度は、適正な使用が前提です。費用の面だけでなく安全面からも、減量目的での使用はおすすめできません。

スリマルで治療の対象になる方・ならない方

スリマルは医師の診断に基づく肥満症を対象にした、オンライン診療のサービスです。対象になるのは次の方です。

  • 20歳以上
  • BMIが27以上
  • 医師の診断で肥満症に当たる方

次の方は処方の対象外です。

  • 20歳未満の方
  • 初診時のBMIが27未満の方
  • 美容目的・痩身ダイエット目的の方
  • 糖尿病の薬(ビグアナイド系、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など)の処方を受けている方

妊娠中の方、妊娠している可能性のある方にも投与しません。授乳中の方、心臓病や腎臓病の既往がある方などは、医師が診察で処方できるかを判断します。

医療費控除の対象になる費用・ならない費用

肥満症治療にかかる費用を、国税庁の情報に照らして整理しました。判断が分かれるものは、税務署でご確認ください。

費用 扱いの目安 根拠・補足
医師の診断に基づいて処方された薬代 対象になり得る 治療に必要な医薬品の対価(No.1122)
診察料(オンライン診療を含む) 対象になり得る 医師による診療の対価(No.1122)
美容・痩身目的の施術や薬 対象外 容姿を美化する目的の費用は治療費に当たらない
サプリメント・健康食品 対象外 健康増進目的のもの(No.1122)
ジム・フィットネスの会費 原則対象外 治療の対価に当たらない(医師の運動療法処方せんにもとづく指定運動療法施設の利用料など、例外的に対象となる場合あり)
薬の配送料 判断が分かれる 国税庁の明示的な事例は確認できず。税務署に確認を
自家用車で通院したときのガソリン代・駐車場代 対象外 No.1122に明記

処方される薬と料金

スリマルで処方している肥満症治療薬は、ゼップバウンド(チルゼパチド)とウゴービ(セマグルチド)の2つです。どちらも週1回、自分で皮下注射します。低い用量から4週間ごとに段階的に増やします。

各電子添文では、肥満症の効能に「食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合」という条件があります。薬だけに頼るのではなく、食事と運動を無理なく続けることが治療の前提です。効果には個人差があります。

副作用として、吐き気、下痢、便秘などの胃腸症状が報告されています。ほかの血糖を下げる薬と併用すると、低血糖のリスクもあります。急性膵炎などの重大な副作用も電子添文に記載されています。必ず医師の診断・管理のもとで使用してください。

スリマルの料金は次のとおりです(税込・1ヶ月分)。

ゼップバウンド: 2.5mg ¥36,410 / 5mg ¥55,435 / 7.5mg ¥78,271 / 10mg ¥109,868 / 12.5mg ¥126,500 / 15mg ¥151,800

ウゴービ: 0.25mg ¥19,800 / 0.5mg ¥31,900 / 1.0mg ¥50,996 / 1.7mg ¥100,067 / 2.4mg ¥129,250

診察料と配送料は一律無料です。処方は1ヶ月分ずつで、定期購入はありません。そのため、申告で問題になるのは主に薬代です。配送料の扱いに迷うこともありません。

(出典: スリマル料金ページ、最終確認2026年5月11日)

オンライン診療と通院費

医療費控除では、電車やバスで通院した交通費も対象になります(No.1122)。オンライン診療では通院しないので、通院費は発生しません。

必要な書類と申告の流れは?

医療費控除は、年末調整では受けられません。会社員の方も、自分で確定申告をする必要があります。

準備するもの

  1. 領収書・決済の明細: 誰の、何の費用を、いつ、いくら払ったかがわかるもの。スリマルの領収書の発行方法は、サービス内でご確認ください。
  2. 医療費控除の明細書: 領収書をもとに作成し、確定申告書に添付します。
  3. 源泉徴収票(会社員の方)

健康保険から届く「医療費通知」を使うと、明細書の記入を一部省けます。ただし医療費通知は保険診療の記録がもとになっています。自由診療の費用は通常載らないため、領収書から明細書に記入してください。

申告の流れ

  1. 1月1日〜12月31日の医療費を、家族の分も含めて集計する
  2. 補てんされる金額(保険金など)を差し引く
  3. 10万円(または総所得金額等の5%)を超えるか確認する
  4. 医療費控除の明細書を作る
  5. e-Taxまたは書面で確定申告をする
  6. 領収書を保管する

国税庁によると、税務署から求められたときに見せられるよう、領収書は確定申告期限から5年間保管する必要があります。

申告を忘れていたら

税金が戻る「還付申告」は、翌年1月1日から5年間できます。過去の年の分も、まだ間に合うかもしれません。

肥満症の治療費は「経費」にできる?

自分の治療費は、原則として事業の経費にはなりません。

個人事業主やフリーランスの方の医療費は、私生活の支出と同じ扱いです。事業の経費(必要経費)ではなく、医療費控除で申告するのが基本です。

会社員の方も同じで、治療費を会社の経費にすることは通常できません。会社が福利厚生として負担するなど、例外的なケースもあります。その場合の扱いは、勤務先の担当部署や税理士に確認しましょう。

まとめ

  • 医療費控除の対象は、医師による治療の対価と、治療に必要な医薬品の購入費
  • 肥満症治療が対象になるかは、医師の診断に基づく治療かどうかで判断が分かれる
  • 美容・痩身目的の費用や、健康増進のためのサプリメント・ジム代は対象外
  • 自由診療だから対象外、ということはない。ただし「必ず控除される」ともいえない
  • 申告には領収書と医療費控除の明細書が必要。領収書は5年間保管する
  • 肥満症治療を名指しした国税庁の事例はないため、迷ったら所轄の税務署へ確認する

税制は改正されることがあるため、申告時に国税庁の最新情報をご確認ください。

肥満症は、体重の問題だけでなく、健康障害と結びつく病気です。科学的根拠にもとづく治療を、無理なく継続できる形で始めることが大切です。自分が肥満症治療の対象になるか知りたい方は、まずは医師に相談してみてください。スリマルでは、Zoomを使ったオンライン診療で、医師が診察して処方できるかを判断します。

参考資料

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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症状が急に悪化したり、不安になったりしたときに、すぐに医師に相談できるよう、スリマルを利用して、治療への一歩を踏み出しましょう。

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