国内で肥満症の効能が承認されている注射薬は、ゼップバウンドとウゴービです。
2剤の成分は、それぞれマンジャロ・オゼンピックと同じです。
ただし、肥満症の治療薬として、用量や使い方が別に定められています。
どちらも4週間の間隔で、段階的に用量を増やしていきます。
誰でも使える薬ではない
肥満症の効能には「食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない」という条件があります。
電子添文では、ゼップバウンドは高血圧・脂質異常症・耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常等)のいずれか、ウゴービは高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがあることも条件とされています。
そのうえで、BMIが27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上ある場合、またはBMIが35以上の場合が対象です。
ここで「肥満」と「肥満症」の違いを確認しておきましょう。
日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン2022」による定義です。
- 肥満:脂肪が過剰にたまった状態で、BMIが25以上のもの
- 肥満症:肥満に加えて、肥満が原因・関連の健康障害があるか、その合併が予測され、医学的に減量が必要な状態
健康障害には、2型糖尿病などの耐糖能障害、脂質異常症、高血圧、睡眠時無呼吸症候群などがあります。
体重が多いだけで薬の対象になるわけではありません。
効果と副作用はセットで考える
効果には個人差があり、薬だけで体重が決まるわけではありません。
食事・運動の見直しと組み合わせ、無理なく継続できる形で取り組むことが前提です。
副作用として、吐き気・下痢・便秘などの胃腸症状が出ることがあります。
急性膵炎、胆嚢炎などの胆のう・胆道の病気、腸閉塞、ほかの糖尿病薬との併用による低血糖にも注意が必要です。
必ず医師の診断・管理のもとで使用してください。
なお、ゼップバウンドは閉塞性睡眠時無呼吸症候群、ウゴービは一定の条件を満たすMASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)の効能も追加されています。
スリマルで処方の対象としているのは肥満症のみです。