- 少量をゆっくり食べる(満腹になる前に箸を置く)
- 脂っこいもの・揚げ物を控える
- 水分をこまめにとる
- たんぱく質を毎食とる
- 食事を抜きすぎない(極端な制限をしない)
どれも、電子添文に書かれている主な副作用(吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器症状)を和らげ、栄養不足を防ぐための工夫です。ただし、食事の工夫で症状が必ず出なくなるわけではありません。効果にも副作用にも個人差があります。
ウゴービ・ゼップバウンド使用中の方向けに、食事の考え方を電子添文と診療ガイドラインに沿って解説。少量をゆっくり食べる、脂っこいものを控える、水分とたんぱく質をとるといった基本と受診の目安をまとめました。気になる症状は医師にご相談ください。
医療監修
肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。
本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。
公開日: 2026-10-27
結論から言うと、使用中の食事で大切なのは次の5つです。
どれも、電子添文に書かれている主な副作用(吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器症状)を和らげ、栄養不足を防ぐための工夫です。ただし、食事の工夫で症状が必ず出なくなるわけではありません。効果にも副作用にも個人差があります。
結論として、薬は食事療法の代わりにはならず、胃の動きや消化器症状にも影響するため、食べ方の工夫が必要です。理由は次の3つです。
ウゴービとゼップバウンドの効能は「肥満症」です。電子添文には「食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合」に使う、という条件が書かれています(各電子添文「4. 効能又は効果」)。
つまり薬は、食事と運動を土台にして上乗せする治療です。薬だけに頼るのではなく、生活習慣を見直して体質改善につなげることが目的です。
ウゴービ(成分名:セマグルチド)は GLP-1 受容体作動薬です。ゼップバウンド(成分名:チルゼパチド)は GIP/GLP-1 受容体作動薬です。
GLP-1 は、食後に腸から出るホルモンの一つです。食欲を抑えるほか、胃から腸へ食べ物が送られるスピード(胃内容排出)を遅くする働きがあります。
そのため、これまでと同じ量や同じ速さで食べると、胃もたれや吐き気が出やすくなることがあります。食べ方の工夫が大切なのは、このためです。
両剤の電子添文では、悪心(吐き気)・嘔吐・下痢・便秘・腹痛などの消化器症状が、よく見られる副作用として記載されています。ウゴービの臨床試験では、消化器症状は主に用量を段階的に増やしていく時期にみられたと報告されています(STEP 1試験:Wilding JPH, et al. N Engl J Med. 2021)。
また、下痢や嘔吐が続くと脱水になり、急性腎障害につながるおそれがあることも、電子添文の「重要な基本的注意」に記載されています。
結論として、「少量を、ゆっくり、消化しやすいもので」が基本です。
胃の動きがゆっくりなので、一度にたくさん食べると胃に負担がかかります。次の工夫を試してみてください。
早食いになりがちな方は、まず食べるスピードを意識するだけでも違います。
消化しやすく、栄養がとれる食材がおすすめです。
便秘が気になるときは、野菜や海藻などの食物繊維も少しずつ取り入れましょう。ただし、吐き気が強い時期は無理に量を増やさないでください。
はい、調整して大丈夫です。吐き気がある日は、おかゆやスープなど食べやすいものを少量ずつとりましょう。「食べられる日」と「控える日」があっても問題ありません。続けられる形を見つけることが大切です。
結論として、脂っこい食事、満腹までの早食い、食事抜き、お酒や炭酸飲料のとりすぎは控えましょう。
脂質は消化に時間がかかり、胃に長くとどまります。胃の動きがゆっくりになっている状態では、胃もたれや吐き気につながりやすくなります。
肥満症診療ガイドライン2022では、食事全体のエネルギーのうち脂質を20〜30%程度にすることが示されています。
「もったいないから」と全部食べきっていませんか?満腹感を感じたら、残す勇気も必要です。
食欲が落ちると、「このまま食べなければもっと減る」と考えてしまうかもしれません。しかし、極端な制限はたんぱく質やビタミン・ミネラルの不足につながります。
また、電子添文では低血糖が重大な副作用として記載されています。不規則な食事や食事量の不足も、低血糖を起こすおそれがある状態として挙げられています。特に、ほかの血糖を下げる薬と一緒に使う場合は注意が必要です。食事は抜きすぎず、少量でも規則正しくとりましょう。
アルコールは胃腸への刺激になります。炭酸飲料はお腹の張りにつながることがあります。量や頻度は控えめにし、飲む場合は医師に相談してください。
ここでは、消化器症状に配慮した1日の組み立て方の例を紹介します。必要なエネルギー量や食事内容は、体格や持病によって変わります。具体的な量は医師に確認してください。
| 食事 | 例 | ポイント |
|---|---|---|
| 朝 | ごはん小盛り、納豆、卵焼き、味噌汁 | たんぱく質を朝からとる |
| 昼 | 鶏むね肉のうどん、ほうれん草のおひたし | 脂質を抑えた麺類 |
| 間食 | ヨーグルト、ゆで卵など | 食事量が少ない日の補い |
| 夜 | ごはん小盛り、焼き魚、煮物、豆腐の汁物 | 寝る直前に食べない |
肥満症診療ガイドライン2022では、食事のエネルギー配分の目安が示されています。
偏った「〇〇だけ」の食事ではなく、主食・主菜・副菜をそろえることが基本です。忙しい日は、コンビニのサラダチキンやおにぎり、味噌汁を組み合わせても構いません。
出典:日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
結論として、食事量が減る時期こそ、水分はこまめに、たんぱく質は毎食少しずつとることが大切です。
前述のとおり、下痢や嘔吐が続くと脱水になるおそれがあります。電子添文では、脱水から急性腎障害につながる可能性が記載されています。
「喉が渇く前に飲む」を習慣にしましょう。
食事量が減ると、たんぱく質も不足しがちです。たんぱく質は筋肉や皮膚、血液をつくる材料になる栄養素です。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18〜64歳の推奨量は1日あたり男性65g、女性50gとされています。
例えば、次のような食品にたんぱく質が含まれます。
毎食1品はたんぱく質源を入れることを目安にしましょう。腎臓病のある方は、たんぱく質の量に制限が必要な場合があります。必ず医師に相談してください。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
食事の工夫をしても、症状が続くことがあります。次のような場合は、自己判断で続けず医師に相談してください。
両剤の電子添文では、重大な副作用として急性膵炎、胆嚢炎などの胆道の病気、腸閉塞、低血糖などが記載されています。
これらの症状があるときは、すみやかに医療機関を受診してください。
「このくらいで相談していいのかな」と迷う必要はありません。早めに伝えることで、用量の調整などを検討できます。
ウゴービ・ゼップバウンド使用中の食事のポイントをまとめます。
食事の工夫は、副作用とうまく付き合いながら、継続できる治療にするための土台です。ただし、食事法の効果には個人差があり、体重の変化を約束するものではありません。
スリマルは、株式会社MICINが運営する肥満症のオンライン診療サービスです。
次に当てはまる方は、治療の対象外です。
妊娠中または妊娠している可能性のある方には、これらの薬は使用しません。持病がある方や授乳中の方は、医師が診察時に処方できるかを判断します。
使用中の食事や体調で気になることがあれば、一人で抱え込まずに医師へ相談してください。
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。