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肥満外来とは|何キロから?受診の目安・保険診療との違い・選び方

肥満外来を検討中で、自分が受診の対象か知りたい方へ。受診の目安、検査と治療、保険診療と自由診療の違い、選び方、オンライン診療の限界を整理し、迷わず受診先を選べるよう解説します。まずは医師にご相談ください。

医療監修

肥満症・代謝疾患領域の医療情報について、医療ガイドラインおよび医学論文を参考に編集しています。

本記事は肥満症治療に関する医療情報を提供するものです。GLP-1受容体作動薬などの薬剤には副作用やリスクがあります。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。詳細は医師にご相談ください。

公開日: 2026-10-27

肥満外来とは

肥満外来とは、体重の問題を「病気の治療」として扱う外来です。 目的は見た目を変えることではありません。 肥満が原因で起こる健康障害を予防・改善することです。

あなたも「ダイエットを何度も試したのに続かない」と悩んでいませんか? 体重が減りにくい背景には、食欲を調整するホルモンや生活習慣が関わっています。 意志の強さだけで決まるものではありません。 肥満外来では、こうした身体の仕組みをふまえて、医師が治療方針を決めます。

主な診療科は内科・内分泌内科・糖尿病内科などです。 病院によっては「肥満症外来」「減量外来」という名前の場合もあります。

肥満外来は何キロから?BMIで見る受診の目安

受診の目安は「何キロ」ではなく、BMI(体格指数)で考えます。 BMIは体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m) で計算します。

日本肥満学会の基準では、BMI25以上が「肥満」、BMI35以上が「高度肥満」です。 身長ごとの体重の目安は次のとおりです。

身長 BMI25(肥満) BMI27 BMI35(高度肥満)
155cm 約60.1kg 約64.9kg 約84.1kg
160cm 約64.0kg 約69.1kg 約89.6kg
165cm 約68.1kg 約73.5kg 約95.3kg
170cm 約72.3kg 約78.0kg 約101.2kg
175cm 約76.6kg 約82.7kg 約107.2kg
180cm 約81.0kg 約87.5kg 約113.4kg

ただし、BMIだけで受診の必要性が決まるわけではありません。 健康診断で血圧・血糖・脂質・尿酸などの指摘がある方は、BMIが25台でも相談する価値があります。 いびきや日中の強い眠気、ひざや腰の痛みがある方も同様です。

肥満と肥満症の違い

「肥満」と「肥満症」は、医学的には別の概念です。 日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン2022」では、次のように定義されています。

  • 肥満:脂肪組織に脂肪が過剰にたまった状態で、BMI25以上のもの
  • 肥満症:肥満があり、肥満に起因・関連する健康障害を合併するか、合併が予測され、医学的に減量が必要な状態

肥満症の診断に関わる健康障害は、次の11項目です。

  1. 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
  2. 脂質異常症
  3. 高血圧
  4. 高尿酸血症・痛風
  5. 冠動脈疾患
  6. 脳梗塞・一過性脳虚血発作
  7. 非アルコール性脂肪性肝疾患
  8. 月経異常・女性不妊
  9. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
  10. 運動器疾患(変形性関節症、変形性脊椎症)
  11. 肥満関連腎臓病

つまり、体重が多いだけでは「肥満症」とは限りません。 医薬品による治療の対象になるのは、医師が肥満症と診断した場合です。

肥満外来で受けられる検査と治療

肥満外来では、まず検査で肥満症かどうかと原因を確認し、食事・運動・行動療法を基本に治療を進めます。

どんな検査をするの?

肥満外来では、まず肥満症かどうか、原因は何かを調べます。 一般的な検査は次のとおりです。

  • 身長・体重・腹囲の測定
  • 血液検査(血糖、HbA1c、脂質、尿酸、肝機能、腎機能など)
  • 血圧測定
  • 必要に応じて内臓脂肪のCT、睡眠時無呼吸の検査など

HbA1cとは、過去1〜2か月の血糖の平均的な状態を示す数値です。 また、甲状腺の病気など、別の病気が原因で太る「二次性肥満」がないかも確認します。

どんな治療をするの?

治療の基本は食事療法・運動療法・行動療法です。 行動療法とは、食事の記録などで生活習慣のくせに気づき、無理なく改善していく方法です。 短期間で体重を落とすより、継続できる習慣をつくることが重視されます。

食事・運動療法で十分な効果が得られない場合、薬物療法が検討されます。 日本で肥満症の効能を持つGLP-1関連の注射薬は、次の2剤です。

  • ウゴービ(セマグルチド):GLP-1受容体作動薬
  • ゼップバウンド(チルゼパチド):GIP/GLP-1受容体作動薬

GLP-1は、食後に腸から分泌されて食欲や血糖に関わるホルモンです。 どちらも週1回の自己皮下注射で、少ない量から段階的に増やします。 効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が出るわけではありません。

副作用として、吐き気・嘔吐・下痢・便秘・腹痛などの胃腸症状がよく見られます。 急性膵炎や胆のう炎・胆管炎などの重い副作用も電子添文に記載されています。 他の糖尿病薬と併用する場合は、低血糖にも注意が必要です。 必ず医師の診断・管理のもとで使用します。

高度肥満の方には、医療機関によって減量・代謝改善手術が選択肢になることもあります。

保険診療と自由診療の違い

結論から言うと、肥満症の薬を保険診療で使える条件はかなり限られています。 そのため、医療機関によって保険診療と自由診療のどちらで扱うかが異なります。

項目 保険診療 自由診療
費用 公的医療保険の対象 全額自己負担
対象 国の基準を満たす方 医療機関が定める基準で医師が判断
医療機関 施設要件・医師要件を満たす医療機関 医療機関ごとに異なる

厚生労働省の「最適使用推進ガイドライン」では、肥満症の治療として保険でウゴービ・ゼップバウンドを使う場合の条件が定められています。 主な内容は次のとおりです。

  • 高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがある
  • BMI35以上、またはBMI27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上ある
  • 一定期間(6か月以上)、食事療法・運動療法を行っても効果が不十分
  • 学会の認定施設であることや、管理栄養士による栄養指導の体制など、施設側の要件を満たす

つまり、肥満症の治療として保険でウゴービ・ゼップバウンドを使える医療機関は限られています。 条件に当てはまりそうな方は、まずかかりつけ医に相談するのが一つの方法です。

一方、自由診療では費用は全額自己負担になります。 継続する場合、毎月の費用が家計にどう響くかも事前に確認しましょう。

肥満外来の選び方

肥満外来は「通い続けられるか」を軸に、次の5点で選ぶのがおすすめです。 肥満症の治療は数か月以上の継続が前提だからです。

  1. 診療形態:保険診療か自由診療か。料金が明示されているか
  2. 検査体制:血液検査や合併症の評価ができるか
  3. 専門性:肥満症や糖尿病・内分泌の診療経験があるか(日本肥満学会の専門医情報も参考になります)
  4. 副作用への説明:リスクや中止の判断基準を事前に説明してくれるか
  5. 通いやすさ:診療時間、予約の取りやすさ、通院時間

「短期間で大幅に痩せる」など、効果を断定する広告をうのみにするのは避けましょう。 医療機関の情報は、治療内容・費用・リスクが併記されているかを目安に確認するのがおすすめです。

通院が難しい場合の選択肢(オンライン診療)

仕事や家事で忙しく、平日の日中に通院できない方もいるでしょう。 その場合の選択肢の一つが、自由診療のオンライン診療です。

オンライン診療のメリット

  • 自宅や職場からビデオ通話で診察を受けられる
  • 通院や待ち時間がない
  • 薬が自宅に配送される

オンライン診療の限界

  • その場で血液検査や身体診察ができない
  • 健康診断の結果などを自分で用意する必要がある
  • 急な体調変化には、近くの医療機関の受診が必要になる
  • 自由診療のため費用は全額自己負担

合併症の精密な検査や、保険診療での治療を希望する方には向きません。 自分の状況に合うかどうかを見極めて選びましょう。

スリマルの場合

スリマルは、株式会社MICINが運営する肥満症オンライン診療です。 自由診療のみで、保険診療・対面診療は行っていません。

  • 診察:Zoomのみ(10:00〜18:30、不定休。予約受付は24時間)
  • 処方薬:ウゴービ、ゼップバウンド(肥満症の治療のみ)
  • 登録:LINEアカウントで登録
  • 配送:決済後、当日〜翌営業日に発送
  • 診察料・配送料:無料
  • 処方:1か月分ずつ(定期購入なし)

自由診療のため保険適用外で、費用は全額自己負担です。 料金(税込・1か月分)は、ウゴービ0.25mgが19,800円、ゼップバウンド2.5mgが36,410円からです。 用量が上がると費用も上がります(例:ウゴービ2.4mgは129,250円)。 最新の料金は公式サイトの料金ページでご確認ください。

なお、両剤には肥満症以外の効能もあります(ウゴービのMASH、ゼップバウンドの閉塞性睡眠時無呼吸症候群)。 スリマルではこれらの治療は行っていません。

スリマルで治療の対象となる方

  • 20歳以上の方
  • BMI27以上の方
  • 医師の診断に基づく肥満症に該当する方

スリマルで処方できない方

  • 20歳未満の方
  • 初診時のBMIが27未満の方
  • 美容目的・痩身ダイエット目的の方
  • 糖尿病の薬(ビグアナイド系、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤など)を処方されている方

妊娠中・妊娠の可能性がある方には、電子添文上、投与しないこととされています。 授乳中の方や心臓病・腎臓病の既往がある方などは、医師が診察で処方の可否を判断します。

受診前に準備しておくこと

対面でもオンラインでも、準備をしておくと診察がスムーズです。

  • 直近の健康診断・人間ドックの結果(血圧、血糖、HbA1c、脂質など)
  • 現在の身長・体重と、ここ数年の体重の変化
  • 服用中の薬・サプリメントの名前(お薬手帳があると便利)
  • 既往歴(心臓病、脳卒中、腎臓病、膵炎など)
  • これまで試したダイエットと、続かなかった理由
  • 治療に使える予算の上限

特に「続かなかった理由」は大切な情報です。 食事の時間が不規則、ストレスで食べてしまうなど、背景がわかれば対策も立てやすくなります。

まとめ

  • 肥満外来は、肥満による健康障害の予防・改善を目的とした外来
  • 受診の目安はBMI25以上。健康診断で異常を指摘された方は早めに相談を
  • 「肥満」と「肥満症」は別のもの。薬物療法の対象は医師が診断した肥満症
  • 治療の基本は食事・運動・行動療法。薬は効果に個人差があり、胃腸症状などの副作用もある
  • 肥満症の治療として保険でウゴービ・ゼップバウンドを使うには、患者側・施設側の両方に条件がある
  • 通院が難しい方には自由診療のオンライン診療もあるが、検査ができないなどの限界もある

体重の悩みは、一人で抱え込まなくてよいものです。 体質改善を目指して無理なく続けるために、まずは自分の状態を医師に相談するところから始めてみませんか? 通院の時間を取りにくい方は、オンライン診療で医師に相談するという方法もあります。

免責事項

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応は個別の診察により判断されます。効果・副作用には個人差があります。気になる症状や治療をご検討の方は、必ず医師にご相談ください。

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